9-2 国、地方公共団体等に対する特例
[1]事業単位の特例
国若しくは地方公共団体が一般会計に係る業務として行う事業又は特別会計を設けて行う事業については、その一般会計又は特別会計ごとに一の法人が行う事業とみなして、消費税法の規定を適用する。
[2]資産の譲渡等の時期等の特例
国、地方公共団体又は法別表第三に掲げる法人のうち国若しくは地方公共団体に準ずる法人として一定のものが行った資産の譲渡等及び課税仕入れ等については、会計法令等の規定により、その資産の譲渡等の対価を収納すべき会計年度及びその課税仕入れ等の費用の支払をすべき会計年度の末日において行われたものとすることができる。
[3]仕入税額控除の特例
(1)内容
国若しくは地方公共団体の特別会計、法別表第三に掲げる法人又は人格のない社団等(免税事業者を除く。)が課税仕入れを行い、又は課税貨物を保税地域から引き取る場合において、その課税仕入れの日又は課税貨物の保税地域からの引取りの日(特例申告書を提出した場合には、その特例申告書を提出した日又は特例申告に関する決定の通知を受けた日)の属する課税期間において資産の譲渡等の対価以外の収入(一定の収入を除く。以下「特定収入」という。)があり、かつ、特定収入割合が5%を超えるときは、簡易課税制度の規定の適用を受ける場合を除き、その課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができる課税仕入れ等の税額の合計額は、原則により計算した場合における課税仕入れ等の税額の合計額から特定収入に係る課税仕入れ等の税額として(3)の方法により計算した金額を控除した残額に相当する金額とする。
この場合において、その金額は、その課税期間における仕入れに係る消費税額とみなす。
(2)特定収入割合
特定収入割合=特定収入の合計額/資産の譲渡等の税抜対価の額の合計額+特定収入の合計額
(3)特定収入に係る課税仕入れ等の税額の計算
@課税売上割合が95%以上の場合
次の(イ)の金額と(ロ)の金額との合計額
(イ)課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×4/105
(ロ)(課税仕入れ等の税額の合計額-(イ))×調整割合
A課税売上割合が95%未満の場合
(イ)個別対応方式
次の[イ]〜[ハ]までの金額の合計額
[イ]課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×4/105
[ロ]課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×4/105×課税売上割合等
[ハ](課税仕入れ等の税額の合計額-[イ]-[ロ])×調整割合
(ロ)一括比例配分方式
次の[イ]の金額と[ロ]の金額との合計額
[イ]課税仕入れ等に係る特定収入の合計額×4/105×課税売上割合
[ロ](課税仕入れ等の税額の合計額-[イ])×調整割合
B調整割合
調整割合=課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入の合計額/資産の譲渡等の税抜対価の額の合計額+課税仕入れ等に係る特定収入以外の特定収入の合計額
(4)消費税額の加算
(1)の場合において、原則により計算した場合における課税仕入れ等の税額の合計額から特定収入に係る課税仕入れ等の税額として(3)の方法により計算した金額を控除して控除しきれない金額があるときは、その控除しきれない金額を課税資産の譲渡等に係る消費税額とみなしてその課税期間の課税標準額に対する消費税額に加算する。
(5)-
[4]税額控除の特例
国又は地方公共団体の一般会計に係る業務として行う事業については、税額控除の規定によりその課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができる消費税額の合計額は、原則にかかわらず、その課税標準額に対する消費税額と同額とみなす。
[5]納税義務の免除等に関しての特例
国又は地方公共団体が一般会計に係る業務として事業を行う場合には、小規模事業者に係る納税義務の免除の規定、中間申告及び確定申告制度、各種の届出制度及び帳簿の備付け等の規定は適用されない。
[6]申告期限の特例
国若しくは地方公共団体の特別会計又は法別表第三に掲げる法人のうち一定のものの申告書の提出期限については、原則にかかわらず、(1)、(2)に定める期間内とする。
(1)確定申告書
その課税期間の末日の翌日から、次の@〜Cに定める期間内とする。
@国……5月以内
A地方公共団体(Bを除く。)……6月以内
B地方公共団体の経営する企業で一定のもの……3月以内
C法別表第三に掲げる法人のうち一定のもの……6月以内でその納税地の所轄税務署長が承認する期間内
(2)中間申告書
(1)の提出期限に応じた一定の期間内とする。