2 真実の意味

真実性の原則でいう真実とは、相対的真実を意味する。
今日の真実が相対的真実といわれる理由として、会計の歴史性と会計の技術性が挙げられる。
会計の歴史性とは、企業会計は企業をとりまく環境や状況に応じて、真実な報告の内容が変化するということである。
会計の技術性とは、会計の技術上の特質にもとづくもので、処理基準の選択容認性と予見計算の不可避性(介入)とに分けられる。
処理基準の選択容認性とは、計算結果が異なってあらわれる処理基準の選択を認める点で、会計の真実性は相対的な性格のものとなることを指す。
予見計算の不可避性とは、会計の結果対象が未確定事実にも及ぶことから、見積り計算の介入が避けられないこと、すなわち継続企業の期間損益結果においては、必然的に予見計算が介入するということである。