3 リスク・経済価値アプローチと財務構成要素アプローチ
金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転したときの考え方には、リスク・経済価値アプローチと財務構成要素アプローチとがある。
リスク・経済価値アプローチとは、金融資産を構成する経済価値とリスクを一体のものとみなし、それらのほとんどすべてが他に移転した場合にのみ当該金融資産の消滅を認識する方法である。
財務構成要素アプローチとは、金融資産を構成する財務的要素に対する支配が他に移転した場合に当該移転した財務構成要素の消滅を認識し、留保される財務構成要素の存続を認識する方法である。
金融商品会計基準では、金融資産を財務構成要素に分解して支配の移転を認識することにより、取引の実質的な経済効果を財務諸表に反映させることができるため、財務構成要素アプローチによることとしている。