1 正規の減価償却
(1)減価償却の定義と目的
@定義
減価償却とは、費用配分の原則に基づいて、有形固定資産の取得原価をその耐用期間における各事業年度に配分することである。
A目的
減価償却の目的は、適正な期間損益計算を行うことである。そのために減価償却は、一般に認められた所定の方法によって、計画的・規則的に実施されなければならない。
これを正規の減価償却という。
(2)製造業における費用化のプロセス
減価償却が適正に行われるか否かは、製造業等の会計に著しい影響を及ぼす。
製造業等の企業においては、発生した減価償却費を、原価計算によって製品原価と期間原価とに区別し、製品原価をさらに当期の売上原価と期末棚卸資産原価とに再配分する。このうち当期の売上原価は、期間原価とともに当期の期間費用となり、当期の収益に対応せしめられ、期末棚卸資産原価は、翌期以後の期間費用となり、翌期以後の収益に対応せしめられる。