5 減価償却の計算方法
(1)期間を配分基準とする方法
@定額法
定額法は、計算が簡単であり、毎期の減価償却費が一定であるから、減価が時の経過に比例し毎期一定の割合で生ずる有形固定資産に適しており、期間利益に与える影響も均等である。しかし、固定資産の修繕維持費は、一般に年数の進行とともに増加する傾向にあるので、定額法によれば、固定資産費用全体は年々増加する。
A定率法
定率法は、早期に多額の減価償却費を計上しておくことができるため、減価の生じやすい有形固定資産に適しており、保守主義の観点から優れている。
さらに、定率法は、資産の能率の高い初期に多額の減価償却費を計上し、能率が低下して、比較的多額の修繕維持費を要するようになる後期には、少額の減価償却費を計上することから、固定資産費用全体は毎期平均化する。
B級数法
級数法とは、固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した減価償却費を計上する方法である。
級数法は、定率法の簡便法として考案されたものである。
(2)利用度を配分基準とする方法
@生産高比例法(利用高比例法)
生産高比例法は、資産の利用度に比例して費用配分を行う方法であるから、費用収益対応の見地から、理論的には優れている方法である。しかし、資産の総利用可能量を見積る必要があり、その合理的見積は困難なことが多いことから、適用される資産は車両や鉱業用資産などに限定される。