1 利益準備金
@取扱い
利益準備金とは、商法上積立てが強制されている利益留保額であり、商法上は資本準備金とともに配当不能とされるものである。
A積立要件及び積立目的
利益準備金は、資本準備金の額と併せて資本金の4分の1に達するまで、毎決算期に利益の処分として支出する金額の10分の1以上が株主総会の決議に基づき積立てられ、中間配当の金額の10分の1が取締役会の決議によって積立てられる。
商法が利益準備金の積立てを命じている理由は、会社の利益の一部を強制的に留保させることにより会社の財政的基礎を強固にし、もって債権者の保護をはかるためである。
B取崩し(使用)
商法上、利益準備金の使用は、株主総会の決議により資本の欠損のてん補、取締役会の決議による資本金への組入れに限られる。
なお、上記に拘わらず、株主総会の決議により利益準備金の減少を行うことができる。これは、資本準備金及び利益準備金の合計額から資本金の4分の1に相当する額を控除した額を限度として資本準備金又は利益準備金の減少を認めるものである。
この場合の取崩額は、損益計算書の当期純利益等の次に記載され、当期未処分利益に算入される。これは、利益準備金は留保利益を原資とするものであり、取崩によって生ずる剰余金は未処分利益の増額項目とすることが適当と考えられるためである。