1 自己株式の会計的性格

(1)資産説
自己株式の取得を資産の取得とみるのは、それが事実上、換金性があり、譲渡価値のある有価証券の取得であって、他社の有価証券を取得した場合と同じく、再売されて現金の流入をもたらすものであるということを論拠とする。この場合、自己株式は資産の部に計上される。
(2)資本控除説
自己株式の取得を資本の控除とみるのは、自己株式は、発行済株式の一部を再取得することにより生ずるものであるから、会社財産の流出を導き、いわば減資と同一の効果をもたらすことを論拠とする。この場合、自己株式は資本の部の控除項目として計上されることになる。