2 決算時の会計処理

(1)換算方法
外貨建資産負債の換算については、「金融商品に係る会計基準」の考え方との整合性等を考慮し、為替相場の変動を財務諸表に反映させることを重視する観点から、以下の換算が行われる。
@外国通貨
外国通貨については、決算時の為替相場による円換算額を付する。
A外貨建金銭債権債務
外貨建金銭債権債務については、決算時の為替相場による円換算額を付する。
これは、外貨額では時価の変動リスクを負わないため時価評価の対象とならないものであっても、円貨額では為替相場の変動リスクを負っていることを重視しているからである。
B外貨建有価証券
満期保有目的の外貨建債券については、金銭債権との類似性を考慮して、決算時の為替相場により円換算するものとする。
売買目的有価証券及びその他有価証券については、決算時の為替相場により円換算した額を付する。
子会社株式及び関連会社株式については、事業資産としての性質を有するため、取得時の為替相場による円換算額を付する。
外貨建有価証券について時価の著しい下落又は実質価額の著しい低下により評価額の引下げが求められる場合には、当該外貨建有価証券の時価又は実質価額は、外国通貨による時価又は実質価額を決算時の為替相場により円換算した額による。

(2)換算差額の処理
決算時における換算によって生じた換算差額は、原則として、当期の為替差損益として処理する。ただし、有価証券の時価の著しい下落又は実質価額の著しい低下により、決算時の為替相場による換算を行ったことによって生じた換算差額は、当期の有価証券の評価損として処理する。また、「金融商品に係る会計基準」による時価評価に係る評価差額に含まれる換算差額については、原則として、当該評価差額に関する処理方法に従うものとする。