3 為替差損益の処理

外貨建取引の発生時からその代金の決済日に至るまでの間の為替相場の変動による為替換算差額及び為替決済損益の処理については、一取引基準と二取引基準との2つの考え方がある。
(1) 定義
一取引基準とは、外貨建取引とその取引に係る代金決済取引とを連続した一つの取引とみなして会計処理を行う基準である。
二取引基準とは、外貨建取引とその取引に係る代金決済取引とを別個の取引とみなして会計処理を行う基準である。
(2)二取引基準が採用される根拠
外貨建取引等会計処理基準では、二取引基準が採用されており、採用根拠は以下の2点に求められる。
外貨建取引に関する経営的処理の結果を会計情報として開示することは、経営者の意思決定過程の評価に役立つこと。
一取引基準によると、決済時まで取得原価が確定しないという実務上の問題があること。