4 のれんの会計処理

(1)償却方法
二十年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。

(2)「規則的な償却を行う」論拠
@収益(企業結合の成果たる収益)と費用(対価の一部を構成する投資消去差額の償却)の対応を可能にする。
A取得したのれんの非償却による自己創設のれんの実質的な資産計上を防ぐ。
Bのれんの効果の及ぶ期間及びその減価のパターンは合理的に予測可能なものではないとしても、のれんの価値が減価した部分の金額を継続的に把握することは困難であり、かつ、煩雑であるため、一定の期間にわたり規則的な償却を行う方が合理的である。
Cのれんのうち価値の減価しない部分だけを合理的に分離することは困難である。

(3)「規則的な償却を行わず、のれんの価値が損なわれた時に減損処理を行う」欠点
のれんが超過収益力を表すとみると、競争の進展によって通常はその価値が減価するにもかかわらず、競争の進展に伴うのれんの価値の減価の過程を無視することになる。