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「年間 best book 10」
<2002年10月〜2003年9月>
女神〔Venus〕 明野照葉
この作品で明野さんに出会いました。
1行目から私好みの文章でぐいぐいと引き込まれてしまいました。誰でも持っている”変身願望”。この主人公のように、完璧に全くの別人になれるなんて犯罪を犯してるにしても凄い執念というか、そんなものを感じました。
天涯の船 玉岡かおる
一生を別人として生きなければならなかった”ミサオ”の生涯。人・時代そして国に翻弄され、それでも必死に生きていく”ミサオ”の姿に心打たれました。
ブレイブ・ストーリー 宮部みゆき
宮部さんにファンタジーが書けるのか?と、失礼なことを思いつつ読み始めた作品でした。ところが、プロローグから思いっきり泣かされてしまいました。主人公の男の子が何故、異世界へと旅立つ決心をすることになったのか?宮部さんだから、ここまで書き込めたのだろうなと思います。
メニム一家の物語 シリーズ ウィルヴィア・ウォー
人間のように話をし、行動し、一家で生活している布で作られた人形達のお話。布で出来た人形であるが故に巻き起こる様々な事件、事故。いつ近所の人たちに人形であることがばれるのかとドキドキ、ハラハラしながら読みました。「ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷」「荒野のコーマス屋敷」「屋敷の中のとらわれびと」「北岸通りの骨董屋」「丘の上の牧師館」の5巻からなるシリーズ。
クジラの歌 シリーズ ロバート・シーゲル
クジラが主人公のお話。クジラの視点で描かれた物語なので、頭の切り替えが大切かも(笑)クジラから見た”人間”。環境破壊や動物虐待。クジラの視点から見た”地球”には複雑な気持ちになりました。
「クジラの歌」「白いクジラ」「世界の果ての氷」の3部作。
わたしのグランパ 筒井康孝
ある日突然、刑務所に入っていた「グランパ」(おじいちゃん)が帰ってきて巻き起こる事件達。グランパの大きな優しさ・愛情が描かれていて、読んでいて涙が止まりませんでした。
模倣犯 宮部みゆき
中居くん主演で映画化された話題作。上下巻共に分厚い本なんですが、一気に読んでしまいました。被害者、犯人共に丹念に書き込まれていて、文句無しに面白い。
レディ・ジョーカー 高村薫
直木賞受賞作「マークスの山」の続編と言えば続編なんでしょうか。「照柿」に続いて合田刑事が出演(?)の小説。宮部さんの「模倣犯」同様、被害者、犯人、そして警察。全てが丹念に描かれていて面白いです。あの”グリコ・森永事件”を彷彿させる事件が起きて・・・という内容。
センセイの鞄 川上弘美
親子のように年齢の離れた男女の恋愛の話。いつもミステリーやファンタジー中心に読んでるのですが、ドキドキ・ハラハラしなくても、こういうお話もいいなぁと思えた本でした。ホッとするというか、優しい気持ちになれた本。
10 ささら さや 加納朋子
産まれたばかりの息子を残して、事故で逝ってしまった夫。主人公が困った事になると、その夫が誰かに乗り移って助けてくれる・・・という、よくあると言えば、よくあるお話なんだけどね。全体的にほんわかしてて、人の優しさが沁みる良いお話です。

2003.10.01