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「年間 best book 10」
<2007年10月〜2008年9月>
図書館戦争 シリーズ 有川浩
とにかく、図書館戦争に始まり、図書館戦争で終わった1年でした。同じ作者の作品を重複させないというポリシーを2年連続で曲げさせられた有川さんですが、どっちも捨てられなかったんだよぉう;;;ということでご容赦を。
「図書館戦争」「図書館内乱」「図書館危機」「図書館革命」「別冊T&U」「DVD特典短編5編」と、本当に楽しませてもらった。大満足。
新世界より(上・下) 貴志祐介
上下巻分厚い2冊が気にならないくらい夢中で読んだ。昭和初期を思わせるようでいて、実は今から1000年後の世界。超能力を持つ人々の閉鎖された生活と破綻。人間の醜さ、弱さ、狡さ、恐さを見せ付けられた作品でもあり、人間の強さを描いた作品でもあるかな。
阪急電車 有川浩
片道15分。阪急電車今津線の電車の中で繰り広げられる人間模様。往路と復路で半年程の時間が経過していて、往路で出会った人々のその後が復路で描かれているという趣向も良かった。有川さんはこういうお話も書けるんだ。こういうお話ももっと読みたい!と思わせてくれた作品でもありました。ますます有川ファンになった1冊。
荒野 桜庭一樹
中学生から高校生へと成長していく少女、荒野の物語。いや〜良かった。友情も淡い恋物語も、どれもがキラキラとシンシンと心に沁みる作品。あの頃の純だった自分を思い出すような、痛さと懐かしさも感じました。沁みた。
映画篇 金城一紀
映画のタイトルを冠した連作短編集。それぞれの短編が、それぞれの味があっていろんなジャンルの作品を読んでいるようでした。その一見バラバラな物語が名作「ローマの休日」で繋がる最後の短編には思わず涙。心に沁みる良い作品でした。
彩雲国物語 雪乃紗衣
「彩雲国」という国を舞台に女の子が頑張るファンタジー。2008年9月現在で本編・外伝あわせて16巻が刊行されているシリーズ。まだまだ続きそう。秀麗という女の子を中心にイケメン達が周りを固める逆ハーレム状態(笑)笑いあり、涙ありで、ラノベだけど、いろいろと考えさせられる、頑張らなきゃ!とも思わせる物語。
ひきこもり探偵 シリーズ 坂木司
「青空の卵」「仔羊の巣」「動物園の鳥」の三部作。ひきこもりの友人と主人公である坂木司を中心に、日常の謎を解くミステリ。どの作品も号泣しまくりながら読んだ。栄三郎といういぶし銀のようなおじいさんキャラがお気に入り。
ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
本屋大賞受賞作。国家という大きなもの、見えないものをひしひしと感じ、情報統制されることの恐さも感じた。そして、「信頼」というものについて考えた。私は誰かをここまで信頼してるか、誰かに信頼される人であるのか・・・。と、小難しいことも考えましたが、それ以上に面白く夢中で読んだのもホント。
悪人 吉田修一
殺人を犯してしまった青年が主人公。誰が本当の悪人なのか・・・と考えさせられる作品でした。なんだか、やるせない。もうすぐ裁判員制度が始まるというタイミングで読んだので、ますます裁判員には選ばれたくない、私情を交えずに判断するのは難しいという思いを強くした。
10 サウスバウンド 奥田英朗
ぶっとんだお父さんを中心に息子の目線で描かれた家族のお話。沖縄に移住してからの方が面白さが増して、開放感があってぞくぞくわくわくしながら読んだ。ぶっとんでるんだけど、芯の通ったお父さん。そして、そんなお父さんに寄り添うしっかりもののお母さん。優しい目線と愛情に溢れた作品。

2007.10.01