ひとりごと

『イラク人質事件について』

事件が起きてから、この件については本当にいろいろと考えています。ずっとね、ここでは「こういうことは書かない」って思ってきたんだけどね。私のサイトなんだから、私の考えを好きなように表現していいんじゃないかと思って・・・。独り善がりだっていいじゃんねぇ、と開き直ってみてもいいかなぁ〜と。それから、私としてもこの件に関しては、自分の意見というか考えをちゃんとまとめてみたかったんだよね。

で、誤解されると困るんで初めに言っておきたい事があります。
私は”自衛隊派遣”じゃなく”派兵”だと思っています。そして、武器を携帯しなければやれない人道支援はやるべきではないと思います。武器を携帯しなければ行けないような場所は”非戦闘地域”とは、呼べないのではないかとも思います。それから、人命を盾にして何かを要求するなんて言語道断!絶対に許せない行為だと思っています。

さて、このイラク人質事件。
被害者5人のみなさんが無事に帰国された事は、本当に良かったと思います。しかし、日記でも触れているように、言葉は悪いですが「自業自得」との感はやっぱり拭えません。危険な地域に政府の勧告を無視して入国されたのです。最悪の結果への覚悟は誰に言われるまでもなく持たれていたのでしょうが、危険に対する認識の甘さは否めません。危険な地域にいるのだという自覚をもっと持つべきで、危険を最大限に回避することも必要だったと思います。ご自分で決断して納得の上で活動された訳ですから、どうなっても誰も責めることは出来ないのではないかと思います。そして、こんな事件に巻き込まれた場合、いろんな人達(家族を含め)に心配を掛けたり、いろんな人達が救出の為の行動を起こすのだと。いろんな所へ直接的、間接的に影響を及ぼすのだと。そういうことも考慮すべきだったのだと思います。

それから、5人の方それぞれの活動は本当に素晴らしいものだと思います。私には逆立ちしたって出来ないことです。だからこそ、自分の命は大切にして欲しいのです。せっかくの素晴らしい行為なのに、死んでしまったら何にもならないのです。継続してこその活動です。暖かく抱きしめてくれる腕を待っている子供達の為にも、劣化ウラン弾の被害にあっている人々の為にも、そして、真実を報道する為にも。他人の命を大切に思うのと同じくらい、自分の命も大切にしていただきたいと思います。そして、情勢を見ながらということは大前提で、今後もそれぞれの素晴らしい活動は続けて頂きたいと心から思います。

家族の方々への批判も相次ぎました。でも、大切な家族を「焼き殺す」などと言われれば、あの反応はごくごく普通のものではないかと思います。救えるのなら、「自衛隊撤退」でも何でもして欲しい!そう思うのは当然のことではないのでしょうか。ましてや「3日以内に」と期限を切られれば、焦って取り乱したりするのも理解できます。事件直後から「ご迷惑をお掛けして申し訳ない」と発言した家族の方もありました。私はその素晴らしい精神力、人間性に感嘆しましたが、それ以外の家族の方々を批判する理由になるとは到底、思えません。それよりも、家族の方々へ中傷の電話や手紙を送りつけた人達の方こそ、非難されるべき対象であり、その人間性は軽蔑に値するものだと思います。

テロリストの要求であった自衛隊撤退について。人質の方が無事に救出される道があるのなら、国の威信とか、国際社会からの信用とか、何を捨ててもやって欲しい。「自衛隊撤退」も選択肢のひとつには入れて欲しいとは思いました。ですが、もしテロリストからの要求を飲んで自衛隊が撤退した場合、人質の方が助かっても「人命を盾にすれば何でも要求は通るんだ」と思われれば、今後、同様の事件が多発し沢山の人々の命が危険にさらされる可能性があるのです。それは避けなければならないことだと思います。この件に便乗して(?)「自衛隊撤退論」が盛り上がりましたが、私は逆に、この事件が解決するまでは素直に「自衛隊撤退」を言えなくなってしまいました。もちろん、「自衛隊撤退」の盛り上がりが、人質の方が解放された理由の一つであるとも理解してますが・・・。

被害者の方々への「謝罪論」。被害者なのに何故、謝罪しなければならないのだ?これは、人権侵害だ!との発言も目にしました。そんな大袈裟な・・・;;;というのが私の正直な感想です。私もチョット前まで、それなりに歴史のある、それなりに大所帯な、社会的に「ボランティア団体」と呼ばれるようなサークルに所属していました。そこで数年間は事務局なんてもモンまでさせてもらいました。ですから、NGO団体等の行政に対する不信感・反発etc.は少しは理解できます。でもですよ!それが義務であれ、仕事であれ、解放へは的外れな何の意味もない行為であったにしても、自分の為に誰かが何らかのことをしてくれたのです。その行為に対して「心配掛けたね。ごめんね。ありがとう。」と言うのは、人として至極、当然のことだと思うのですが・・・。ま、その行為を行った当人が「謝れ」って強要するのは如何なものかと思いますけど。それに、費用を請求って何言ってんの!?とも思いますが。

以上、つらつらと思うことを綴ってみました。
もし、読んでくださった方がいらっしゃいましたら、最後までお付き合い頂きまして本当にありがとうございました。何とも底の浅い、お粗末な意見だ!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。・・・それよりも、ここを読んでくださる方がいるのかどうかが怪しいものですけどね。この件に関しては、自分でも驚くくらい思い入れがあるようです。ちゃんと自分なりに考えてみたいと思っています。私は自分の認識の甘さ、底の浅さは充分に理解しています。なので、もし出来ましたら「そこはそう考えるんじゃなくて、こう考えたら」とか「いや、それは違う」とかご指摘頂けると嬉しいのですが・・・。あ、厳しい意見も歓迎いたしますが、激しい言葉での攻撃は泣いちゃいそうなんで、ソフトな言葉遣いをしていただけるとありがたいな〜なんて思います(笑)

すずな
2004.4.21
加筆・修正 2004.4.22