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Lotus 98T RENAULT TURBO 1986 (A・Senna)
強すぎる現在のルノー。
でも、ルノーといえばアロンソばかりではなく
実はあのセナもルノーのマシン(ただしエンジンのみやけど・・・・)
をドライブしていたのを忘れてはイケナイ!
そして今回、お話しするのが
セナが1986年シーズンをドライブしたロータス98T。

このマシンは前年の97の正常進化型、というよりは改良型とされ
変更ポイントはこの年より施行された燃料搭載規定により
ガソリンタンクが小型化され、それによりモノコックの高さもより低くされ
それによりボディーワーク上、空いたスペースに
エンジンの補機類やECUなどの配置が比較的自由になったのと
燃料やラジエターホースのパイピングなども効率の良い配置が可能になり
トータル的に非常にバランスの良いマシンに仕上がりました。

また搭載されているルノーのターボエンジンも
ライバルのポルシェ、ホンダに先駆けて
通常のコイルスプリングを使ったバルブから
現代ではスタンダードになっている
窒素ガスの圧搾空気をコイルスプリングの代わりに使った
ニューマチックバルブに変更されました。
現在のエンジンのように2万回転近く回せるようになったのも
この技術のおかげというわけです。

また点火系統においても、従来のディストリビュータ方式の点火システムから
コンピューターから低電圧を送り、プラグキャップに内蔵された
小型のイグニッションコイルで高電圧に変換することで
より点火タイミングなどの制御を細かく設定できる
ダイレクト・イグニッションが採用されるなど
F1に留まらず、現在のロードカーでも広く使われるようになった
技術を惜しみなく投入されたパワーユニットでした。

また、当時のライバルであったホンダ、ポルシェ・・・特にホンダに比べ
燃費の面では非常に苦く、度々ガス欠に見舞われた教訓から
このシーズンより、コンピューターで燃費を測定出来るシステムを搭載されました。
ホンダが初めに持ち込んだエンジンテレメトリーが
いよいよ他チームにも普及し出した頃というワケですね。

このように機構的にも、非常に面白い要素を備えたマシンでしたが
当時はウィリアムズとホンダとマクラーレン&プロストの圧倒的な強さにより
セナをもってしても、終始苦戦を強いられたシーズンでした。
またこの年のモナコの時に、セナは当時のホンダF1監督
桜井淑敏氏の滞在するホテルを訪れ
「自分にはどうしてもホンダが必要!」
っというのを懇願したので有名。
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