[10 Power Amplifier]
 6SN7GT-6SN7GT-10-FW20_14S-5R4G
   更新日:2003.11.18

         
               漆黒の闇、幻灯機が映し出す影の様に現れては消える調べ。
    トップの写真で光り輝いているのは電球ではありません。(^^;;; 
   10という真空管です。10はトリエーテッドタングステン(略してトリタンと
   呼ばれる)という材質で作られたフィラメントを持ち、電球の様に光り輝き
   ながら動作する原始的?な真空管です。
 
    10は元々、送信管として製造された球で、オーディオ用ではありません。
   従って、 A級シングルアンプに使用した場合、1.5Wくらいしかパワーが取り
   出せません。しかし、幸いなことに能率の高いスピーカも持ち合わせている
   ので、他力本願が通用しますし、夜、灯りを消して音楽を聴くわけですから
   1.5Wで十分であるという事です。それに、WE-101D の様に何とかひねり出し
   ての”1W 出力”ではないですし。。。(^^;;;1:43 2003/11/11
   という訳でWE-101D パワーアンプを解体し、シャーシを使い廻す事にしま
   した。
    シャーシは元々鈴蘭堂のSL-8HGを使用していますが、フレームはお決まり
   のスタイルにしてあるので、天板のみ張り替えれば幾らでも使い廻しが出来
   ます。天板の張り替について鈴蘭堂の店主に相談したところ、ヘアーライン
   の入った 3mm厚のアルミ板をカットしてくれるとの事でSL型シャーシに合わ
   せて何枚か注文しました。

    抵抗、コンデンサは全て在庫整理を兼ねて有り合わせの部品を使用しまし
   た。唯一、初めて使用した部品は10uF600Vのオイルコンです。
    これは電源用に使おうと思い高いお金を払って買って置いた物ですが、サ
   イズが大きくシャーシに載り切らないのでずっと使わずじまいでした。
    電源トランスは少々勿体無いのですがアルミ板のデザインに合わせてタム
   ラの PC-6003を採用し、スペースを稼いだ分オイルコン一個だけ搭載する事
   ができました。
    要は大きなシャーシを使えば済むだけの事なのですが。。。
 
    出力トランスは10専用TANGO FW20-14Sを採用です。これは、旧TANGO の製
   品で平田電機製作所が廃業する以前に買って置いた物です。
 
   回路は6SN7を使って全部で3段増幅となる回路にしました。
    参考文献の「魅惑の真空管アンプ」には6C5を2本を使った試作アンプの回
   路が示されています。
    それから、整流管はこれまたオーソドックスに5R4を採用しました。
   PC-6003は2Aのヒーター巻線しかないのでぴったりです。

   かくして出来上がったアンプがTOPの写真です。
   ちなみに、このアンプは10を801に換えてもそのまま動作します。
   深夜、灯りを消してこのアンプの電源を入れるとそこはもう別世界です。

【参考文献】
  ・「魅惑の真空管アンプ下巻」浅野 勇 監修 誠文堂新光社   ・ラジオ技術4月号別冊 最新真空管パワーアンプ製作集 ラジオ技術社 

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