【序】
部屋に堆積する部品のインベントリをしていたところ今は廃れてしまったマグネチック型スピー
カが出て来ました。出て来たといっても昔買った物をしまっていただけの話で、秋葉原のジャンク
屋並みにいろんな物が出てくるのに我ながら呆れてしまいます。。。
今のスピーカはダイナミック型、磁石が固定でコイルが動いて音を発する仕組みになっています
が、昔はコイルが固定で磁石が動いて音を発するスピーカもあって、マグネチック型スピーカと呼
んで区別されていました。安価な真空管式ラジオによく使われていたのですが、高能率アンプが普
及しダイナミック型スピーカが安くなって普及するにつれ、このスピーカは廃れてしまいました。
現在では両者を区別する必要なくなりダイナミック型という呼称も使われなくなりました。
今回その自宅で発掘されたマグネチックスピーカを鳴らす為の真空管アンプを作ってみる事にし
ました。マグネチックスピーカ自体、非常に音質が悪いので、あまり凝ったアンプを作っても仕方
がないのですが、使い道の無さそうな部品をかき集めてみるとアンプが成立してしまいました。
Hi-Fiサウンドとはまた違った世界、ひまネタとお考え頂ければ幸いです。
【6G6-Gという真空管】
6G6-Gはあまり馴染みがない真空管かもしれませんが、ラジオ用6ZP1クラスの5極出力管と言えば
ピンとくる方は大勢いらっしゃるかと思います。
マグネチックスピーカ向けの小出力管をいろいろ検討していたところ、1W程度の出力の真空管
と言えば、やはり6ZP1が良さそうなので、6ZP1を購入してアンプ製作を計画をしました。ところが
手持ちの真空管に 6G6-Gという5極管がある事に気付き、ネット検索で出て来たオペレーションデ
ータを見ると 6ZP1とほぼ同じ条件で使える事が解りました。
従って、 6ZP1を終段に備えたラジオの回路図を引っぱり出してそのまま6G6-Gに適用してありま
す。以下にオペレーションデータを示します。
Operating Condition |
tube |
Plate Voltage |
Grid Bias |
Plate Current |
SG Current |
Plate Resistance |
Load Resistance |
Output Power |
Filament Voltage |
Filament Current |
6G6-G |
180V |
-9V |
15mA |
2.5mA |
175Kohm |
10Kohm |
1.1W |
6.3V |
0.15A |
6ZP1 |
180V |
-10V |
15mA |
2.5mA |
130Kohm |
12Kohm |
1W |
6.3V |
0.35A |
ヒータ電流は半分以下ですが、プレート電流が同じでかなり高率の良い球です。ラジオの出力段
として最適ですね。