プラモ天才
エスパー太郎
コロコロコミック/小学館
斉藤栄一
全3巻



プラモイーン!!

1980年代前半。子供たちの興味の中心は、ゲームよりもプラモであった。
20代後半以降の人なら必ず体験したであろう、
日本全国を狂気の渦に巻き込んだ、あのガンプラブームを!

そんなブームをジャリ漫出版界が見逃すわけもなく、
まず講談社(コミックボンボン)が「プラモ狂四郎」としてプラモを題材とした漫画をスタート。
この「プラモ狂四郎」は、プロのモデラーの実在の作例に基づいた、
細かな改造テクニックを作品内で活用。
「プラモシュミレーション」なる荒唐無稽な舞台で物語を繰り広げながらも、
そこには「実際に作成したプラモそのものの戦闘」という現実味が、
リアルタイムでプラモ作りに興じていた読者の少年少女たちのハートをガッチリ掴んだ。

そんな「プラモ狂四郎」の躍進をただ見過ごしているだけの小学館ではなく、
当然のようにプラモを題材とした連載漫画をスタート。
それが「プラコン大作」(別冊コロコロコミック)と、
今回紹介するこの「プラモ天才エスパー太郎」なのです。

プラモシュミレーションなる架空世界でのプラモのバトルを描いた「プラモ狂四郎」。
実際にプラモを制作し、そのディオラマの出来で勝負を決する「プラコン大作」。
そしてこの「プラモ天才エスパー太郎」は
一体いかなる作品なのでしょう!?





登場人物


茂寺太郎(もでら・たろう)
この物語の主人公。小学5年生。
プラモの腕はたいしたことがないが、強力なエスパー能力を持つ。
愛機「1/25バルキリー」にプラモイン(プラモと一体化する)し、魔仁塔の野望を打ち砕く!
基本的にバルキリーしか作らない。


泉佳子
この漫画のヒロイン。小学5年生。
女の子ながらプラモイン能力を持ち、太郎に助力する。
愛機は1/100バルキリー(ファイタータイプ)。
第1話とそれ以降で顔が全然違う。


高橋信五
“魔仁塔の間違った考えを正す為”に立ち上がった「エスパープラモ戦隊」のリーダーで、みんなの兄貴分。中学2年生。
太郎の愛機「1/25バルキリー」を製作したのも彼で、実家はプラモ屋(なぜか大人気のガンプラは一切置かず、マクロスのプラモが大半を占める、イマイ、アリイの直営ような、漢らしい店)を営む。
愛機は1/72スパルタン。


落合耕也
冷静な判断力と分析力を持つ、プラモ戦隊の頭脳。小学6年生。
プラモ制作のテクニックもかなりのもの。
愛機は1/72トマホークで得意能力はテレポーテーションだ。
出番はほとんどなし。


泉健市
佳子の弟。小学1年生。
最年少ながらも、予知能力を持つが、戦闘ではほとんど役に立たず。
愛機は1/100ディフェンダー。


魔仁塔烈(まにとう・れつ)
あらゆる超能力を駆使し、太郎の前に立ちふさがる。
元々は信五の親友だったが、その強大なエスパー能力に溺れ、プラモイン能力を悪事に使うようになった。
常にスパイプラモで太郎たちを監視する(ぉぃぉぃ)。
主にグラージなどを愛機とする。



黒田実(くろだ・みのる)
太郎のクラスメイトの根暗少年。
エスパー能力の持ち主だったが、その力を魔仁塔に利用される。
また、佳子をめぐる恋のライバルである太郎をライバル視する。
プラモ漫画の登場人物でありながら、プラモにはあまり興味がないようだ。



雲野大吉
魔仁塔の唯一(?)の友人にて、柔道の達人。
強い相手と戦うことを好む好戦的な性格だが、プラモを愛する心は太郎達と同様だ。
そのため冷酷非道な魔仁塔とは袂を分かつこととなる。





1巻エピソード




第1話


プラモ大好き少年、茂寺(もでら)太郎は、日夜プラモ作りに励む小学5年生。
今日も1/72バルキリーを完成させ、お気に入りのプラモコレクション(って言うか全部バルキリー)と共に棚に並べて大満足。


そこへ突然、リガード(のプラモ)が襲ってきた!
大切なプラモを壊されそうになり、守ろうとする一心で自らの体を投げ出す太郎。
その瞬間、太郎の体がバルキリーのプラモと一体化した!

「キャッホー!俺はバルキリーだぜ〜!」
バルキリーの強大な力で次々と敵を粉砕する太郎。
ひと通り敵を全滅させたあと、「どうしてこういうことになったんだろう・・・・」(じゅ、順序が逆では!?)。

そこへ、1/72グラージが現れた!
これまでのリガードとは違い、強大なグラージのパワーに太郎大ピンチ!
そのとき、太郎に加勢する謎のプラモ軍団が・・・・!


太郎を救った謎のプラモ軍団。
それは「プラモと一体化する能力(プラモイン)を持つエスパー」たちだった!
リガードを退けたエスパーたちのリーダー、信五から、リガードの正体が自分たちと同時プラモイン能力を持つ魔仁塔(まにとう)の仕業と教えられる。
魔仁塔はその能力を利用し、何かたくらみを持っているというのだ。

そこへ、再び魔仁塔のプラモ部隊が襲ってきた!
魔仁塔軍の圧倒的な数に、苦戦するエスパー戦士たち!


魔仁塔の総攻撃の前に、愛すべきプラモが次々と壊されていく!
そんな状況を見て、太郎、とうとう1/25バルキリーにプラモイン!

「バルキリーメガトンパ〜ンチ!!」
太郎、プラモやバルキリーとは何の関係もない技で魔仁塔に勝利。
ここに魔仁塔の野望を打ち砕くために、エスパープラモ戦隊が誕生した!!



第2話


「やっぱバルキリーは何回作っても面白いぜ!」
・・・・などと小学館の編集者に言わされているようなセリフを吐きながらプラモ作りに興じる太郎。
しかしその腕は一向に上がらず、仲間に披露したバルキリーを「ボロキリー」と称される始末。

そんなプラモ漫画の主人公のクセにプラモ下手者の太郎。たかはし模型店頭ディスプレイの1/25バルキリーを見てしきりに感心。
・・・・・と太郎が手を触れた瞬間、1/25バルキリーは見る見るうちに解体!
「信五兄さんの大切なバルキリーを壊してしまった!」
慌てふためく太郎。
しかしそれは、バルキリーがガォーク形態へ変形する過程の姿だった。
「な〜んだ」と胸をなでおろす太郎。
どうやらバルキリーは大好きだが、バルキリーが変形することは知らなかったらしい(当然アニメ「マクロス」なんて見ていないのだろう・・・・こいつは)。



しかしプラモインしたバルキリーを変形させるためには、かなりの強大なパワーがいるらしい。
それを聞いても、何としてもバルキリーを変形させたい!と懇願する太郎。
そんな太郎を見て信五は「昔の魔仁塔を思い出すよ・・・」と言う。
6年前、お互いにプラモイン能力を身に付けていた信五と魔仁塔は、かつての親友同士だったのだ!(ってその時代にどんなプラモがあったんだよ!?

しかし魔仁塔はその強大なプラモイン能力に溺れ、その能力を悪用しだしたのだ(・・・・ってただテストの解答用紙盗んでるだけだが)。



そのとき、リガードの大部隊が襲い掛かってきた!
魔仁塔だ!!
佳子が1/100ファイターで応戦するが、魔仁塔の操るグラージに捕らわれてしまった!
このままでは佳子が危ない!

そのとき!太郎のバルキリーがガォーク形態に変形した!
バルキリーを変形させるには強大なパワーを必要とするのだが、何の訓練もなく、太郎はいとも簡単にやってのけたのだ。
「やつは天才か!?」

ガォークマッハアタック(というどう見てもただの体当たり)でグラージを粉砕し、魔仁塔を退けることに成功した。



第3話


今日はエスパー戦隊内でのプラモコンテストが行われていた。
「あれだけ凄いエスパー能力を持つ太郎。そんな作り方をするか楽しみだ」
と太郎に期待を寄せる信五(いや、エスパー能力とプラモの出来不出来は関係ないのでは!?)。

太郎、チャクラを全開させるほどの集中力でバルキリーを作り上げたものの、出来上がったものはボロ・・・・。
相変わらずプラモの腕は一向に上がっていないのだった。



そのとき、魔仁塔から挑戦の電話が!
コンテストでみんなの作ったプラモをエスパー能力で次々と破壊し、太郎を挑発する(そんな凄い能力があるのなら、わざわざプラモインしなくてもよいのでは?)。
怒った太郎、信五の制止も聞かず、魔仁塔との戦いの場へ向う!
しかしそこには、魔仁塔のガソリン炎地獄の罠が待っていた!!
(って言うか信五の田舎にまで追いかけてきた魔仁塔、すげ〜)

炎の熱で、今にも溶け出しそうなバルキリー。
しかし太郎、持ち前の集中力でバルキリーをファイター形態へ変形させ、超高速飛行で炎地獄を脱出!!
「ファイターアロークラッシュ」(とまたしてもただの体当たり)で魔仁塔を粉砕した。



第4話


今日はプール開きの日。
初泳ぎに興じる佳子と太郎だが、一閃の光とともに、大木が真っ二つに折れた!
「魔仁塔の仕業では!?」と勘ぐる佳子だが、
信五たちは「人工衛星のカケラか何かじゃないの?」などと一笑にふす。

それでも納得のいかない佳子は、プラモインして太郎と共に偵察に出るが、そこで見たものは魔仁塔の操るメタルプラモ(それはすでにプラモではないのでは?)のグラージだった!

メタルグラージに手も足も出ない太郎。
しかし太郎にあるひらめきが!

グラージをプールの中に誘い込んだ太郎。
そこで水中に仲間に電気を流してもらい、電気を通しやすいメタルグラージを感電させたのだ!
「プラモは電気を通さないのさ!」
珍しく頭脳プレイで魔仁塔を倒した太郎であった。



第5話


太郎のクラスメイト、黒田実は、佳子のことが気になっている根暗少年。
エスパー能力を持つ彼は、太郎をライバル視し、あまつさえ超能力で空き缶を太郎にぶつけようというセコい攻撃を加えようとする。
が、その捻じ曲がった性根(?)を魔仁塔に見出され、プラモイン能力を与えらる!



そんなことはつゆ知らず、町内のお祭りに興じる太郎。
そこへ、実るの操る1/144クァンドランローが襲ってきた!
とつレンズを利用した改造で、太陽光線を発射するクァンドランローに苦しむ太郎。
しかし耕也のメガネをサイコキネシスで動かし(このとき皆が「おお〜っ!」と驚いたりするが、プラモと一体化する能力を前に、そんなことはたいした出来事ではないのでは!?)それを利用した凹レンズで対抗。
太陽光線攻撃を拡散させ、見事クァンランローに勝利することができた。




プラモ天才エスパー太郎「その2」へ続く



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