障害を持ったお子さんの治療は難しいと考えていませんか?
おとなしくさせない、暴れる、口を開かないなど、一度受診して、治療がうまくいかなくて再度の受診をちゅうちょされている方。うちの子はとても出来そうもないと始めからあきらめている方。 障害を持ったお子さんの歯科治療は何か特別なことをするかのように考えられがちですが、そんなことはありません。 障害を持っているお子さんの歯科治療について少し整理して考えてみましょう。
全身的に問題がなく一般の歯科医院で治療が可能な方の対象は、2・3です。しかし、一般の歯医者さんではなかなか受け入れてもらえない場合があります。 歯科治療の内容は、健常児と何ら変わりがないのになぜ受け入れてもらえないのでしょう。 皆さんが一度でも歯科医院にかかったことがあればわかると思いますが、不安になる要素として
などがあげられます。これは誰でも感じることです。でも私たちは我慢します。(させられる?)そのことによって、痛みがなくなるとか、ご飯が食べられるようになるなど、歯科治療のメリットが予測出来るからです。また、歯科医師との信頼関係も関係してきます。(やさしくしてくれる、とか、痛みがあればやめてくれるとか、説明を十分にしてくれる、結果が良いなど)
ですから、障害を持ったお子さんに対しては、上の4項目について、対策を講じれば、何ら普通の歯科治療と変わりなく出来るようになるのです。
|
一般の歯医者さんで受け入れてもらえない理由としては
この中で、最初に挙げた障害に対する知識不足からくる、対応法の未熟さが大きな壁になる例が多くあります。どうしてよいかわからない場合、しかるべき先生に紹介する方が、良心的だといえます。障害を理解しないで、強引な治療をおこなうのは、慎むべきだと思います。 わたしたちは大きな声や多動に関しては、見てみぬふりをしています。(ただし、危険がないかどうかは常に観察していますが)無視するのがいちばん。うちの場合、待っているほかの患者さんも慣れたものです。何回も通えば慣れるとは限りません。思い切って短時間に多くの治療を行い、何回も通院させないこともあります。この場合も、定期検診には通ってもらいます。歯科医師の考えによっては、通常と同じ処置にこだわる場合がありますが、無理(不快な記憶を植え付けるほどの)をしてまで、治療を成し遂げる必要はないと思います。この場合も、定期検診でのチェックは欠かせません。
|
抑制治療について
治療中に予測できない突発的な動きをしたり、術者側の指示に従えず、危険があると予測される時、抑制具を使ったり、何人かのスタッフで身体を抑制する場合があります。抑制治療については、わたし達歯科医の間でも、賛否両論があります。 ここでは教科書的なことではなく、私自身の経験から、わたしの考え方を述べます。 歯科治療は、基本的に、身体の一部を傷つける行為です。使用する器具は鋭利なものが多く、治療中は、常に重大な事故の危険があります。このような歯科の治療の特殊性を踏まえて以下のように考えています。
|
全身麻酔による治療
|
保護者の方にお願い
|