「車窓」
北海道・青森
ここでは、列車・自動車を問わず、“車”の“窓”から観て
素晴らしいと思った風景を振り返ります。
中途半端な地域分類ですが、いい風景を見つけた順に
上書きしていきますので、消えたり復活したりを繰り返す
ことになるかもしれません。
なお、「車窓」からの眺めですので、ほとんど写真を撮って
いないのですが、記憶という写真に鮮烈に残っています。
【北海道/稚内〜猿払】
稚内から宗谷岬を通って海沿いに進むならば国道238号線ですが
あえて内陸を進みます。宗谷湾に背を向けて、再びオホーツク海に
突き当たるまでの宗谷丘陵は、これぞ北海道!という風景が展開
します。夏は吸い込まれそうなほど濃く深い原生林の緑。冬は灰色
の空の下、あたり一面の雪景色。まるで人のいる気配を感じない、
雪に包まれた世界は、恐ろしいほどに神秘的。
【北海道/津軽海峡線 七重浜付近〜木古内】
日暮れの時間帯がお勧めです。夕日に照らされた函館港と函館の
町が絵のような色彩を放つ美しさです。季節によっては真っ暗です
が、それでも美しい夜景が目に飛び込んできます。北海道からの
帰路、青森発の夜行に乗り継ぐために乗った列車から目にすると、
「あぁ、次に北海道に来れるのはいつだろうか・・・」と一人でセンチ
メンタルに耽ったりするものです。
【青森/五能線 鯵ヶ沢〜大間越】
海沿いを走る列車は数多くあれど、この区間の車窓は特筆すべき
ものでしょう。区間によっては波しぶきがかからんばかりまで接近
します。海なんて、単調といえば単調な景色ではないかとも思いま
すが、それでも飽きないのはなぜでしょうか・・・。ちなみに、天候に
よっては、強風で不通になってしまい、さらに全区間単線ですれ違い
設備のある駅も少ないことから、ダイヤが大幅に乱れることも。
筆者も一度、被害に遭いまして、結局1時間近く立往生でしたが、
そんな状況にもかかわらず、乗客の皆さんは大騒ぎすることもなく、
いたって普通でした。こうありたいものです。
【北海道/根室本線(通称花咲線) 厚床〜花咲】
北海道の東の果て、日本とは思えない広大な原野風景が広がり
ます。ここの車窓を推すのは、日暮れ後に、絵画のような美しい
色彩を目の当たりにしたからです。しかし、日暮れ時に限らずとも
人っ子一人いないような地を行く車窓は、果てのない旅を実感さ
せてくれます。最も北海道らしい風景の一つです。
【北海道/国道336号線・えりも岬〜広尾】
えりも岬を頂点にして、国道336号線を北上し広尾に向かう道。
太平洋に沿って走りますが、右手に海、左手に断崖絶壁という
厳しい道のりです。しかも、通ったのは真冬の荒天の日。時折、
太平洋からの高波をかぶる道に、よくもこんなところに道を作った
なあと驚きの連続でした。ちなみに、通称は「黄金道路」ですが、
これは黄金を敷き詰めるほどの苦労を要したことに由来するとか。