平成15年5月13-15日にかけて文教経済常任委員会は、函館市の生涯学習についてと室蘭市の中小企業育成についての視察をしてきました。
 函館市は、人口28万を要する南北海道の都市ではありますが、これと言った基幹産業もなく毎年1000人余の人口減少が続いていると言う事でした。安政6年に横浜、長崎と共に貿易港となり外国文化の影響を受けた建物が多く年間530万人の観光客が訪れていると言う事でした。しかし、観光客もここ数年頭打ち傾向と言う事でした。
今回の視察は、公共施設で実施されている各種講座、市内の大学、民間のカルチャーセンター等で行われている講座を一つの事業として単位制をひき、単位を取得する事により認定証を発行すると言う事でした。講座数で 490講座に15000人位の方が受講していると言う事でした。年齢も60歳以上が47lで尚かつ女性が74lと女性の参加が多いと言う事でした。最高単位取得が150単位と言う事で取得者は2名と言う事で今後のより充実が求められるのではないかと思いました。ただ、高齢化に向かう社会状況の中では、生涯教育の必要性は感じました。
 室蘭市では、中小企業の育成策について視察しました。
室蘭市は天然の良港に恵まれ、北海道開拓の函館、札幌を結ぶ基幹鉄道の要衝として開発が進められ、やがて製鋼、製鉄の町として発展をしてきたと言う事でした。近年、製鉄業の不況は、新日鐵、日本製鋼所の規模が劇的に縮小され最盛期の10l程度の300-400人規模となってしまったと言う事でした。
室蘭市の衰退は室蘭市に止まらず周辺の伊達市、登別市への影響も大きく、3市で財団法人室蘭テクノセンターを設立し、中小企業の指導、育成をしていると言う事でした。視察はそのテクノセンターを見せて頂きました。最先端のマシン、各種試験装置等が整備され、国立の室蘭大学との連例の下、中小企業の育成に努めていると言う事でした。又、商業施設の再開発も視察しました。
新日鐵や日本製鋼所の規模縮小は、街作りに取りましては、開発の用地があると言う事で進めやすいと言う事も聞きました。市民会館と商業施設の開発では、新日鐵の社宅跡と聞きました。開発手法も商業施設と市民会館を壁一つで合築し、しかも市民会館をNPOが運営すると言う事でした。思い切った手法とユニークな運営だなと感じました。
又、中心市街地の街路整備も視察しましたが、余り人が歩かないのではないかと思われる歩道を煉瓦タイル敷きをし明るく楽しくなる街路整備が進められていました。隣町の伊達市でも中心市街地は電線地中化され、とてもきれいに整備されていました。ここも人影はまばらでした。その町を訪れたとき、まず目にはいるのは街区の整備状況です。きれいに整備されている街路は町の印象わ大きく変えるのではないかと思いました。返す返す、三郷市の街路の貧困さを感じました。30年前に整備した駅前はそのままです。都市間競争に敗れると取り返しがつかない現在、その無神経さにただあきれるばかりです。
室蘭市では、道の駅に隣接して作られた風力発電施設を見学しました。北海道の広い大地に50bの風車の風景は何か近未来の風景ではないかと錯覚するような印象でした。
 各市を訪問しますと、議会事務局が対応してくれますが、今回の函館の視察では、私が視察風景を写真に撮っていましたら、代わり撮りましょうかと。この様な事は初めてでした。市内の状況にも精通しすばらしい対応でしたので、伺いましたら、企業からの転職と言う事でした。室蘭市での対応も大変好印象でした。特に室蘭市の取り組みに対しては、意気込みみたいなものを感じました。  
                                    函館市         函館市役所前     室蘭市市民ホール  室蘭風力発電
函館市、室蘭市視察
     文教経済常任委員会