僕の名前はアムロ・レイ。15歳だ。 15歳にも関わらず、僕がこのSI企業で働く事になったのは、IT業界も戦時真っ只中。年端のいかない学生すらも雇用するようになったからだ。 「やあ、田中君、おはよう」 「部長、何度言ったら覚えてくれるんですか!僕の名前はアムロ・レイです!」 <ヒソヒソ> 「田中君も普通にしてればふつうーの人なのにねぇ」 「あそこまでいくとオタクとか通り越して頭のオカシイ人よねぇ?」 「小学生とかが言ってんならまだかわいいけど、25でアレじゃあねえ」 「てゆうか、誰か病院つれていった方がいいんじゃないの?」 「でも、別に害はないし…」 </ヒソヒソ> さて。今日の仕事を始める為に、僕の愛機、「システム参部の白い悪魔」と恐れられる、D○LLの真っ黒いPCばかりのシステム参部にあって唯一の白いPC(自分で塗った)の前に…。 「赤!」 赤い。いや、僕のPCがではない。僕のPCの隣に真っ赤なPCが置いてある。この赤は…いや、「紅」と書くべきか。違う。この色はそんな一言で語り尽くせやしない。ピンクとも赤とも言いがたい、かと言って「紅」って言っちゃあ何か違う…。そう、この色はまさしく…って、 「つのっ!?」 まさか。ありえない。いや、だがしかし赤くて角がついてるPCなんて、答えは一つしか思い浮かばない。 「や、奴だ!奴が来る!」 「ど、どうしたの?田中君」 「赤い彗星だ!赤い彗星が来る!」 「な、何言ってるの?大丈夫?」 「ちょっと、田中君の言うことだからほっといた方が…」 「ほう、噂の『システム参部の白い悪魔』が隣の席とはな。私は運がいい」 「な!?そこまで赤だと!?」 「フ…さすがだな。その分だと私の名前も知っているんだろう?アムロ君」 「あ、彼はシステム2部から出向してきた鈴木君d」 「シャア・アズナブル!」 「その通り。もっとも、『システム弐部の赤い彗星』の方が分かりやすいかな?」 「あー、皆さん。彼が今度システム2部から出向してきた鈴木君だ。仲良くやってくれ」 「部長。私はその名は捨てました。今の私はあくまで弐部のシャアです。お忘れなきよう」 「…まあ、田中君とは仲良くやっていけそうなので、みんな適当にやってくれ」 「はい」 「はーい」 「わかりましたー」 「ブライトさん!こいつはシャアですよ!?参部にこんな奴を入れるなんて!」 「…田中君、『ブライトさん』って何かな?まあ、君が何か彼と事情があるのか何かは知らんが一応、会社だし。今回のプロジェクトだけだからなんとかうまくやってよ」 「アムロ君、仲良くやろうじゃないか。それとも、シャアという名が気に入らなければクワトロ・バジーナと呼んで頂いても構わないが?」 「そんな事を言って貴様、今度はPCを金色に塗るつもりだろう!」 「あのねえ、田中君も鈴木君も。一応会社のPCに色を塗っちゃいけない事になってるんだからね。…まあ、いいけど」 宇宙世紀0079… 「田中君、今年は平成14年でsh」 宇宙世紀0079…奴との戦いはまだ始まったばかりだった。 |