僕の名前はアムロ・レイ。16歳だ。奴との戦いは日に日に激化していた。 既に、僕の愛機、RX−78−2、通称『ガンダム』は大破(お茶をこぼして壊した。部長にすごく怒られた)。ニューマシン、RX−78−3が来ていた。このマシン、他部署で使われていた、ちょっとばかり時代遅れのマシンだ。とてもじゃないが、奴との戦闘に耐える代物ではない。そこで、ハードウェア技術者としても一流の腕を持つこの僕が特別にマグネットコーティングを施した(勝手にODPを自費で買って来て載せた)。これで、なんとか、奴とも戦えるはずだ。僕はこのマシンをグレーに塗装し、G−3と名づけた。ニュータイプとして確実に目覚めつつある(こうやってフォントの色も変えられるようになったらしい)僕の要求にG−3は良く応えてくれていた。 しかしだ。 「これならば、あの白い奴をやれるかも知れぬ」 そう、奴は言ったものだ。 そのニューマシンは、もちろん赤かったものの、角がついていなかった。 つまり、奴が手に入れたマシンは−。 奴−『赤い彗星』が手に入れたニューマシン、通称『リック・ドム』は、数時上のスペックだけでも僕のG−3の性能を遥かに凌駕していた。 そして、奴はその上自分流にチューンナップを加えていた。 奴のやることだ。当然、通常の3倍の性能にしているに違いない。 ということは、ざっと見積もって奴のマシンのスペックはCPUが6GHz、メモリが768MB、HDに至っては300GB、CD−ROMドライブなんか96倍速ぐらいに違いない。 卑怯な。どうせ、奴はボーナスを全てそこにつぎ込んだのに違いない。大体、6年目だからってボーナスの額全然違うのにつけこんで金にあかせてPCの性能で差をつけようなんて大人気ない。30近くいってんだからいいかげん自分のことシャアとか言うのやめろ。せっかく僕がひたってるのに横に座ってマスクつけたままでずーっと居られると鬱陶しいことこの上ないんだ。どうせあのマスクをとったら実はハゲとかそういうオチに違いない。これだから中途半端なオタクは嫌いd 「どうかしたかね?アムロ君」 「い、いえ」 「敵の将校を見て緊張するのはわかるが、礼ぐらい言ってもらいたいものだな」 「あ、ありがとうございます!」 しまった。ボーっと考え事をしていたら何かお礼を言わなきゃいけないことをされたらしい。こんな奴に貸しを作ってたまるものか。 そう考えていた時のことだった。 「プログラム、どのくらい進んだかね?」 「はい、80%ぐらいなんですけど…」 8800%%!!?? ピキーン(何か通じたらしい) 「80%!?冗談じゃありません!ジオングの性能は現状で100%出せます!」 「足がないようだが?」 「あんなもの飾りです!偉い人にはそれがわからんのです!」 「ふむ…サイコミュ、な。私に使いこなせると思うか?」 「そんなことわかりません!大佐のニュータイプとしての能力は未知数なんです。保証できるわけありません!」 「はっきり言う…気に入らんな」 「どうも」 「…気休めかもしれませんが、大佐ならやれますよ!」 「ありがとう!」 そこまで一気にやり取りすると、僕達ははっと我に返った。 「これは…ニュータイプ同士の共感?」 「…君も感じたか」 <ヒソヒソ> 「なんか、オタク同士で通じ合ったみたいよ?」 「ねえ…?今の一体何だったのかしら。ほら、部長も困ってるし」 「そりゃ…あれだけ訳のわかんない会話、目の前で繰り広げられりゃあ…ねえ?」 </ヒソヒソ> 「憎しみ合うだけがニュータイプじゃない…そうだよね?ララァ…」 「同士になれ。そうすればララァも喜ぶ」 そうして、僕と奴…シャア・アズナブルは固い握手を交わしたのだった。 (周りはあっけにとられていた) そして、3ヶ月後。 「みんな、システム1部に配属された山田君だ。…まあ、ちょっと変わっているが仲良くやってくれ。田中君と鈴木君とは多分仲良くできるだろう」 「うぉぉ!俺のこの手が真っ赤に燃える!お前を倒せと轟き叫ぶ!ひっさぁつ!シャァイニング・フィンガァァァァァァァァァ…」 「「GGガガンンネネタタははややめめろろぉぉ!!」」 ゲシ。(同時に蹴りをかまされた) (↑↑ハモった)(↑↑禁句だったらしい)(↑↑てゆうか実際こういう人達いるので気をつけましょう) 僕とシャアはいつしか弐部の『赤い彗星』、参部の『白い悪魔』と並び称される良きライバルとなっていた。 戦いは終わった。 宇宙世紀0080… 「平成15年だってb」 宇宙世紀0080…、この日、システム参部とシステム弐部の間で終戦協定が結ばれた…。 (システム1部は除外された) |