たぶん連載終了後の適当なとこじゃねーの。 「え?と、泊まる?」 アキラがびっくりしたように言った。 「そうそう。もう遅いしさ。俺達ももう、ホントだったら高校生だろ?外泊ぐらいどってことないだろ」 ヒカルがどこかニヤニヤしながら言う。何か企んでいるのか。 「い、いや。でも泊まるっていうのは…」 「今日、親は出かけてていないって言っただろ?気兼ねしなくていいし、泊まってけよ」 「そ、それって二人っきりってこと…だろ?」 「まあ、そりゃそうだ」 ヒカルの目が妖しい輝きを放った…ようにアキラには思えた。 「なんだよ、お前女の子か?何を警戒してんだよ」 「け、警戒なんてしてないが…」 「じゃ、決まり。泊まりな。そしたらさっきの検討やろうぜ」 「あ、ああ。そうだな」 こうして、アキラとヒカルの長い一夜が始まったのである− 「なあなあ、お前彼女とかいんの?」 「な、何の話だよ!」 「ばーか。修学旅行の定番ってヤツだよ。恋愛談義。俺達だって、学校通ってりゃ行けたはずじゃん。それの代わりってヤツ」 「…君は学校に未練があるのか?」 「そんなのないよ。俺は神の一手を極めるんだから。でも、何もないのもさみしいじゃん?で、どーなんだよ。市河さんとつきあっちゃったりしてるわけ?」 「バ…!」 あからさまに慌てふためくアキラ。 (やっぱり、怪しいな) という、ヒカルの推測は、大はずれだったりするのだが、それはまた別の話。 「市河さんは姉みたいなもんだ!それより君こそあの子とはどうなんだ」 「あの子って、あかり?あいつはさー。単なる幼なじみっていうか、もう恋愛対象じゃねーな」 実はヒカルもヒカルで大嘘つきなのだが、それはまた別の話。 「て、ことは、俺達二人とも彼女なし?さっびしー!」 「寂しくなんかないさ。僕は神の一手を極めることが全てだし、共に歩んでいく仲間もいる」 「もったいねーな。もてるくせによ」 「うるさいな。もう寝るぞ」 内心、アキラの心臓がバクバクいってたのは秘密である。 ゴソゴソ… (…これは) アキラは寝付けなかったので、その妙な感触にすぐ気づいた。 誰かが自分の身体を触っている…。 「誰か」といってもここにはアキラとヒカルしかいないのだが。 (進藤…?) プチ…プチ… 這い回るヒカルの手が、借り物のパジャマのボタンを一つずつ外していく。 (こ…これってまさか…) 身動きもせずにいると、ヒカルの手がさらに下腹部の方へ伸びてくる。 (ちょ…まさか、ズボンの中に手を…!?) ヒカルの手が届くか届かないかその瞬間。 「進藤!」 手が止まった。 「あ、やっべ。起きちゃった」 「お、起きたってお前…!」 はっと気づいた。上着がはだけている。 ぱっと隠す。 「だから、お前は女の子かっつーの。男同士ではずかしがんなくったって」 「お、男に決まってるだろ!その「男」にお前は何をするつもりだった!」 「やらしいこと」 「やっ…!」 「嬉しかったぜ。お前と市河さんがつきあってなくて。それに、お前にとって大事なのは女より神の一手を極める仲間、つまり俺ってことだろ?」 「べ、別に君の事を指して言ったわけじゃない」 「素直じゃねーな。大事な存在なら、ちょっとぐらいこういうことしたっていいじゃん?」 「き…君はそのけがあるのか?」 「塔矢、マジで言うぜ。俺、お前が好きだ」 質問には答えずヒカルが言った。 「え…いや、僕はその…なんて言うか…」 ぷっ 「え?」 「やべーこいつ、マジになっちゃってるよ!あははははは!」 大爆笑するヒカル。 「え?え?」 「冗談だよ、冗談。マジで抵抗もしねーし、気づく様子もないからどうしようかと思っちゃったぜ!」 「な!冗談だと!よくもまあ、そんなことを!」 「まあ、待てよ。お前、ここんとこ休みなしだったじゃん。だからさ、ちょっと息抜きさせてやろうと思ってさ。面白かったろ?」 「はあ…そういうことか。真面目に相手をした自分がバカみたいだ」 「お前固すぎるんだよ。そんなんじゃ神の一手は極めらんないぜ」 「…そうかもしれないな」 「あー、こんなことやってたらもう朝だよ。息抜きした代わりに睡眠不足だな、こりゃ」 「なんだか、昔の君みたいだな」 「へ?」 「最近の君は、集中力も増したし、程よく緊張するようになった。だが…僕だけじゃなく君にとっても今日泊まったのはいい息抜きになったような気がしてね」 「ああ…そういやこんな悪ふざけすんの久しぶりかもな。ここんとこ対局ばっかだし」 「さあ、では朝食を食べたら、息抜きが終わったところでもう一局いこうか」 「マジかよ。二度寝しようぜー!」 こうして、アキラとヒカルの長い一日が終わった。 しかし、帰り道でアキラがぶつぶつつぶやいていたのをヒカルは知らない。 「そっか…お触りぐらいまでならオッケーか…。彼女もいないらしいし…。今回の件の仕返しってことでしかけて、どさくさに1回すればこっちに転向するかも…。くっくっく…」 裏でこんなこと考えていたアキラ君であった。 ヒカルの貞操は守られるのか!?あかりちゃんはどうするんだ!気をつけろ!ヒカル! というわけで、待て!次号!(次号なんてねーよ) |