言ってみれば、発掘作業みたいなもんだ。
俺にとってのこの文章は。
金が出てくるか、ただの石ころか、はたまた古代生物の貴重な化石か…。
まあ、そんなことは鑑定士かなんかがやってくれるんだろ。
俺にできるのは、掘り出すことだけ。
掘って、掘って、また掘って。

何で掘るのか?
掘り出したいからだろ。
いろんなもんが眠ってやがんだ。
人間の心ってやつは。
価値なんざ知らねえよ。
あってもなくてもそんなもん関係ねえんだ。
ただ、掘り出して眺めてみてえだけ。

掘り方が乱雑だ?
知らねえよ、そんなこと。
こっちゃ、好きでやってんだ。
やり方までごちゃごちゃ言われる筋合いはねーよ。

ろくなもん掘り出さない?
知らねえよ、そんなこと。
おまえにとっちゃ意味のねえもんでも、俺にとっちゃ宝もんなんだ。
なんてったって、世界に一個だぜ。
俺の心の中にある、俺の心の中にしかない、世界でただ一個の宝物。
だから、今日もまた一個…。


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