詩
言ってみれば、発掘作業みたいなもんだ。 俺にとってのこの文章は。 金が出てくるか、ただの石ころか、はたまた古代生物の貴重な化石か…。 まあ、そんなことは鑑定士かなんかがやってくれるんだろ。 俺にできるのは、掘り出すことだけ。 掘って、掘って、また掘って。 何で掘るのか? 掘り出したいからだろ。 いろんなもんが眠ってやがんだ。 人間の心ってやつは。 価値なんざ知らねえよ。 あってもなくてもそんなもん関係ねえんだ。 ただ、掘り出して眺めてみてえだけ。 掘り方が乱雑だ? 知らねえよ、そんなこと。 こっちゃ、好きでやってんだ。 やり方までごちゃごちゃ言われる筋合いはねーよ。 ろくなもん掘り出さない? 知らねえよ、そんなこと。 おまえにとっちゃ意味のねえもんでも、俺にとっちゃ宝もんなんだ。 なんてったって、世界に一個だぜ。 俺の心の中にある、俺の心の中にしかない、世界でただ一個の宝物。 だから、今日もまた一個…。 |