たかみか通信 2009年11月 2009/10/28発行
(自己存在の月11日 kin98白い共振の鏡)
尊敬する方のブログで映画「火天の城」がとてもよかったと勧められていました。西田敏行さん主演で、安土城を建てる話。歴史物はまず自分から観ることはないのですが、たまにはいいかなと観てきました。昔の人々は、女も男も常に"命がけ"で生きていたんですねぇ。それに引き換え、現代は、平和ボケというか、何に対しても本気でないというか…。私も反省。たくさんのメッセージが込められた映画でした。
「奇跡のリンゴ 絶対不可能を覆した農家木村秋則の記録」
もう読まれた方もいらっしゃると思います。私もずっと気になっていて、やっと読みました。感動の連続で、いっきに読んでしまいました。本代をケチらずもっと早く読めばよかった…。
2006年に、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放送され、今では何冊も本が出ていますよね。果物の中でも、リンゴの無農薬は特に難しい、というより絶対無理といわれていたことを、可能にした木村秋則さんの話です。無農薬にして8年目の春にようやく4個だけ花を咲かせるまでの苦労は、生半可なものではなかったようです。世の中はバブル期なのに、木村家だけが食べるのもままならない家族7人の極貧生活。電気代も水道代も払えず、税金の滞納が続いて、リンゴの木に赤紙が貼られたのも一度や二度ではないそうです。
わたしがすごいと思ったのは、木村さんに対してはもちろんなのですが、木村さんのご家族です。木村さんは婿養子なので、奥様のご両親と4人で農作業をされていました。木村さんが無農薬でやりたい!と言われたときも、反対されることはありませんでした。そして、木村さんと共に貧乏生活を営み、花も咲かない枯れ木のようになったリンゴの木についた害虫を、来る日も来る日も、何年も取り続け…。花を咲かせるようになって、ほどなく両親とも他界されたそうですが、「2、3年で諦めるかと思っていたのに」と笑っていたといいます。なんて懐の広いご両親なのでしょう。
木村さんのリンゴの木は、農薬も肥料も施していないのに、虫や病気に滅ぼされることもありません。 それは、なぜか?
弘前大学の教授の研究によると、木村さんの畑の土壌やリンゴの葉の表面には、他の畑の何倍もの微生物が存在していて、白神山地の原生林とよく似ているそうです。
つまり健康ということですね。人間と一緒です。すぐに薬に頼ったり、日頃から除菌や消毒ばかりしていると、人の体を守ってくれる微生物が減って、免疫力が低くなり、病気になりやすくなります。
以前の私もちょっと風邪を引くと、すぐに病院に行ったり、市販の薬を飲んだりしていました。そのことに疑問を抱き、ある時、一切の薬を止め、病院にも、歯医者と検診以外行くことをやめました。もう15年くらい経つのかなぁ。
木村さんが農薬を使わないようにしたら、今まで農薬に頼っていたリンゴの木は、たくさんの害虫がつき、病気になり、どんどん弱くなっていきました。それと同じように、薬に頼らない生活をはじめたばかりの私は、風邪をひいても全然治りませんでした。今まで薬がやっていてくれたので、自分で治す能力が随分弱っていたのでしょうね。あるときなんか、ずっと寝たり起きたりと、風邪が治るまでに1ヶ月以上もかかったこともありました。別の見方をすると、今まで薬で抑えてばかりいて、ちゃんと解毒ができていなかったため、出さなきゃいけない老廃物が随分溜まっていたのでしょう。そういうのが、風邪の症状となって、排毒に時間がかかったのだと思われます。
もう何も手立てがなく、行き詰ってしまった木村さんは、命を絶とうと、山の奥へ登っていきます。そこで、木村さんは気づくのです。自然の植物は、農薬も使わないのに、イキイキと元氣に育っている。そして、雑草が生え放題で、地面は足が沈むくらいふかふかとして、畑の土とは全く違うことに。それからの木村さんは、土作りに精を出します。
私も同じでした。単に薬や病院に頼らないようにするだけではなく、丈夫なからだつくりには環境が大切なのです。家中から、薬品・合成洗剤など、化学物質となるものを一掃しました。食事も出来るだけ加工食品を避け、安全な食材で手作りしました。人間は本来、肉食ではなく草食に近いので、動物性食品の摂取も減らしました。
木村さんは、肥料をあげることが、栄養過多となり、害虫を増やすのではないかといいます。 人間も食べすぎが原因で病気になることが多いので、やはり同じですよね。癌は、やまいだれに品物の山と書きますから。少食は健康の必須条件です。
リンゴの木も人間も本当に同じなんだと思いました。違うのはただ1つ、人間は動物なので、動くことを忘れてはいけないということ。なので、私も丈夫なからだ作りのために、からだを動かすことを色々とやってきました。
最初は、体力もありませんから、朝からの散歩。散歩と言っても本当に5分とか10分とか。それから少しずつ増やして、長く歩くようになりました。それ以外にも、クラシックバレエ、気功、太極拳、ヨガなど、なにかしらやっています。上手い下手は全く別にしてね。今では、中野でのセミナーに、小田急線の東北沢駅から中野街道を5〜6キロ歩いて行くこともあるほどです。歩くのが基本ですから。
木村さんのリンゴは、野生に近いリンゴなんですね。
人間も自然の一部。自然はそれだけで完璧なバランスでできています。私たちも、自分の中になる自然の力を信じて、ちょっとずつ野生に近づけていきたいものです。「症状即治療」。
木村さんはこの何年間も全国を回って農業指導を続けています。米にしても野菜にしても、無農薬無肥料の栽培で収穫が安定してくると、次はできるだけ価格を下げるようにとアドバイスするそうです。
無農薬無肥料の作物が裕福な人の為の贅沢品であってはいけない。誰もが買える価格になれば、普通の野菜より、無農薬無肥料の作物が選ばれるようになる。そしたら、普通の農家も、無農薬無肥料で作ることを本気で考えるようになる。
木村さんはそれを望んでいるそうです。なんて素敵なんでしょう。日本は世界一の農薬使用国だと以前に聞いたことがあります。海外旅行で他国の野菜が美味しく感じたのは、そういうことだったのかもしれませんね。無農薬無肥料の農作物が増えると、地球も、人々も、健康になっていけます。
読書の秋…そして実践
今年の春までの鍼灸学校に通っていた3年間は、通学の時間も勉強しないと間に合わず、ほとんど本が読めませんでした。その反動なのか、この半年は、よく本を読んでいます。
何百単位で本を読んでいると、だんだんと、物事の本質が見えてくるような気がします。本離れの若者が多いと聞きますが、やっぱり読書はいいですよね。どうしても勧めたくなります。テレビ、ラジオ、雑誌など、自然と入ってくる情報のほとんどは、スポンサー付。極端な言い方をすると、ある意味すべてコマーシャル。それに比べて、本はそういうことも少ないし、自分が経験していない、あるいはできないたくさんのことを教えてくれます。とってもありがたい。
と、偉そうなことをいう私も、もともとは全然本を読まない人でした。小学校か中学校の夏休みの宿題で、読書感想文というのがありました。しかし、どうしても本を読めない私は夏休みの終わりに半ベソ状態。みかねた本好きの兄は、しぶしぶ私の代わりに読書感想文を書いてくれました。(^^)v
忘れもしません。それは島崎藤村の「破戒」でした。後ろめたさから、その後ちゃんと読みましたよ。ただ、今でも小説はほとんど読まないので、これからチャレンジしたいと思います。
たくさんの本を読んでもうひとつ思うことは、いくら本を読んで知識をためても、実践しないと意味がないということです。わたしもついつい読むことばかりに集中して、頭でっかちになって、わかったつもりなってしまいがちです。でも、やっぱり大切なのは実践すること。前号でご紹介した山本敏幸さんも「食事道」「感謝道」「実践道」を提唱されています。
食に関しては、ここ10数年、常に自分が実験台となって、実践の積み重ねで、自然食を学んできました。からだに関しては、適度にやってきましたが、まだまだ足りません。あんまり歳を重ねてからでは、間に合わないことにもなりかねないので、最近はちょっと焦っているところです。朝からウォーキングや、たまにジョギング。それ以外にストレッチや気功などを30分くらいやっているかなぁ。もうちょっとやりたいところです。
「感謝道」に関しては、まだまだですが、最近、やっていることがあります。朝起きたら、今日の予定に感謝。寝る前に今日の出来事に感謝。それだけで、なんだかハッピーな気分で過ごせる今日この頃です。やろうと思っているのにできないのが、食事の時の感謝。「いただきます」に心を込めること。食事は、動植物の命を頂くことなので、感謝の気持ちで言いたいのに、気づいたらいつも、すでに食べています。やっぱりわたしって食いしん坊なのかしら…。食事の前にお祈りをする家庭はえらいね!
さて、何の本を読むか? もちろん、自分が興味のもてるものならなんでもいいと思うのですが、私が参考にしているもののひとつに、
「本ナビ」 http://1book.biz/ というブログがあります。
人生を変えるようなよい本を紹介することを目的にしていて、メルマガ登録すると、毎日1冊づつ本が紹介されます。ご興味があれば参考にしてくださいね。
*山本敏幸さんの本「心と体にいい話108選」(中西出版)はもう読まれましたか?私はセブンアンドワイのインターネットで購入しましたが、出版社がわかれば、一般の本屋さんでも取り寄せてくれると思います。
発熱(高熱)時の手当て
熱があるというのは、そこに酸化した血液が凝縮している状態。体表面にも体内にも陰性の力を入れて、熱という陽性や熱のもとになっているウイルスを分解してやりましょう。熱があるときにすぐ解熱剤を使って、むりやり熱を押さえ込むのではなく、熱の原因を見きわめ、中和させることで熱のバランスをとっていく方法のほうが、からだにやさしく、根本的な治療につながります。
たとえば、かぜやインフルエンザは細菌やウイルスによる感染がおもな原因ですが、熱が出るのは、からだが熱でそれらのバイ菌をやっつけようとする自己防衛反応です。
まず、大根の陰の力を利用して、炎症のもととなっている体内の余分な熱を分解(消化)させましょう。また、しょうがのもつ"広げる作用"が、詰まった毛穴を開いて発汗を助けたり、血液循環をうながして血液のとどこおりを解消してくれます。炎症を起こしている部分の陽性毒=酸化毒を、陰性の力で抜きとって中和させる豆腐も解熱には重要な食材です。
高熱が続くと、脳にダメージを受けますので、解熱が最優先。最初に"第一大根湯"を飲んで解熱・発汗をうながし、ある程度汗が出たら(約40分後)、豆腐パスターを貼って陽性毒を抜き取ります。
<第一大根湯>
大根おろし(大さじ山盛り3)としょうがおろし(大根おろしの1割)に醤油(大さじ1)を加え、沸騰している番茶(400cc)を注いで、あつあつを一気に飲みほします。頭まで布団をかぶって汗を出します。
*醤油は必ず天然醸造醤油を使ってね!
<豆腐パスター>
よく水切りしたもめん豆腐(1丁)に小麦粉(1カップ)としょうがおろしを混ぜ合わせ、さらし布などにのばして、豆腐の面を患部(額)に当てます。パスターが酸化熱を吸って黄色くなったら取り替え時。
以前は私も豆腐パスターにお世話になりました。自分ひとりでやる時は、面倒なので、小麦粉も入れず、水きり豆腐とおろししょうがを混ぜて、ガーゼにくるみ、額にのせただけでした。とっても気持ちよかったのが忘れられませんね。
参考文献:からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て(大森一慧)ソレイユ出版
以上
元に戻る