たかみか通信 2009年8月   2009/08/08発行
(1磁気月12日 kin15青い月の鷲)

 セミはよく鳴いていますが、比較的涼しい夏ですね。夏大好きな私としては、夏らしい夏を後半期待したいところです…。


大切な菌まで虐待していませんか?

 「菌」と聞くと、「汚いもの」とイメージされるかもしれません。しかし、人間は、菌なくして生きられないのです。腸にも口の中にも皮膚にも、菌がいっぱいです。身体が外界と接するところにいます。口、食道、胃、腸、肛門も、皮膚同様、外界に接するところです。菌だらけなんて、気持ち悪い? だから、抗菌グッズを使い、身体はゴシゴシと洗浄力の強いボディーソープで洗い、消毒剤入りの石鹸で手を洗う?

 はっきり言って、それは菌の虐待。多くの菌は、私たちの身体を守ってくれるために、一生懸命働いてくれる味方なのです。皮膚には皮膚常在菌(主に表皮ブドウ球菌)がいてくれるから、外界からの悪い菌が入ってこないように、守ってくれているし、菌が私たちの汗や皮脂をエサに排泄物を出してくれるから、お肌が潤うんです。ありがたいことです。菌に感謝して、もっとかわいがってあげましょう。菌と人間は共存共栄。

 洗い過ぎは、私たちの味方の菌も殺してしまいます。すると、逆に悪い菌が増えちゃうし、免疫力や抵抗力も弱くなるし、アレルギーも引き起こしやすいんです。だから、薬用とか消毒剤入りとか、使っちゃいけません! 無香料無添加の石鹸ぐらいで十分なのです。

 身体も同じです。腋や股など、ニオイが気になるところだけ、石鹸を使えば、他の場所は、お湯で洗い流すだけでOK! それだけでは、さっぱりしないようななら、綿や麻などの天然素材のタオルを濡らし、石鹸はつけないで、軽く擦れば大丈夫。私はもうずっと、そんな洗い方です。ゴシゴシしちゃうと、まだ垢にまでなっていない皮膚の表面まで剥がし、傷つけ、守ってくれる皮膚常在菌もいなくなるので、有害菌がはびこり、皮膚もカサカサ、身体はどんどん弱くなっちゃいます。

 森林浴って気持ちいいですよね。空気はきれいで、つい深呼吸。都会より菌も少ないような気がしますよね。実は、「清い空気」と思っているのは「菌だらけの空気」なんですって! 自然の土の中には、たくさんの種類の菌がバランスよく存在し、それが舞い上がって漂う。これが本来の自然な空気。アスファルトで土を覆い、人間がたくさんいる場所では、菌の種類が圧倒的に少なくなり、その代わり、限られた菌の数自体は非常に増え、アンバランスな空気になるそうです。

 自然界にいるいろいろな菌を少しずつ取り入れることで、人間の腸の菌の量も種類も増える。すると免疫ができる。そうなれば、ちょっと変なものがはいってきても、身体が自然と追い出せる、すばらしい身体になるわけです。
 逆に、たっぷりの菌を浴びなければ、人間の身体はどんどん弱くなってしまいます。できるだけ土のあるところで遊ぶのは大切なこと。子どもの泥んこ遊びは理想的なんです。

 そして、汚れたらちゃんと洗えばいいんです。はじめから土に触れることをせず、それどころか身の回りに殺菌剤をまき散らし、抗菌グッズで固めて無菌を目指すような過度のきれい好きでは、どんどん自分自身を「不自然」に追い込み、弱くしているのです。人間は自然の一部だということを忘れてはいけません。是非、愛情を持って「育菌」しましょう!

 「育菌」と同時に「食菌」もしようと、今年は「梅の手作り酵素」を作りました。自分の手で混ぜながら発酵させるので、なんと自分の皮膚常在菌を培養しているようなもの。これをジュースのように毎日飲んでいます。そんな風に聞くと、やっぱり汚いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。糠漬けを手でかき回すのと同じです。(ただし、手に傷があると、悪い菌が繁殖する可能性があるので、手袋着用) 素手で混ぜるところに、美味しさの秘密があったんですね。おにぎりも素手で握った方がおいしいのは、菌のおかげだったんです♪ 菌に感謝。

参考資料:「手作り酵素(河村文雄)」…書店にはありません。
http://www3.ocn.ne.jp/~kinsei00/
       「人体常在菌のはなし(青木皐)」


夏は甘酒で元気ハツラツ!

 甘酒というと、ひな祭りのお節句の時に飲むもの。あるいは、寒い初詣の時に、神社で頂くもの、というイメージでしょうか。実は、江戸時代、甘酒は夏の栄養ドリンクだったのです。季語も夏。
 甘酒は、蒸した米を麹菌で発酵させた発酵食品です。 あの甘みは100%ブドウ糖で、全体の20%を越しています。人間が生きていくために不可欠なビタミンが豊富に含まれています。しかも天然型吸収ビタミン群。そして、天然の必須アミノ酸も多いのです。現代の医学に置き換えると、点滴による栄養剤の補給と同じ効果! すごいですよね? 疲れも吹っ飛ぶはずです。ただし、市販の甘酒ではなく、昔ながらの手作りの甘酒でないといけません。
 ご家庭で簡単に作れますので、レシピを紹介します。

<材料>米…1合(私のお勧めはヒエ・キビ・アワなどの雑穀です!) 糀(こうじ)…1枚(200g)
・お米は、6倍のお水でお粥にします。(雑穀の場合は自然塩小さじ1/4入れます)
・炊き上がったお粥を60℃まで冷ましてから、ほぐした麹を入れて、保温ジャーに入れます。
・60℃以上にならないよう保温ジャーのふたは開け、布巾をかぶせておきます。
・12時間くらいで、出来上がり。お粥が面倒なら、ご飯+お湯でもできます。
・保存は小分けにして冷凍庫に。

 甘いお菓子をやめられない方は、是非お試しください。砂糖を使わない天然スイーツです。
 糀は自然食品店に置いてあります。私が使うのは「雪の花」という商品名のです。

参考資料:「発酵はちからなり(小泉武夫)」、雑誌「つぶつぶ02号」


以上


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