たかみか通信 2010年5・6月    2010/4/23発行
(惑星の月20日 kin15青い月の鷲)

 最近の楽しみの一つに朝の連ドラ「ゲゲゲの女房」があります。昔の人は数回会っただけでお嫁に行くなんて凄いですね。主題歌がまたいい!!いきものがかりの"ありがとう"。この曲を聴いていると、なぜか今まで出会ったすべての人に感謝したくなり泣けてきます。カラオケで歌えるよう練習しようっかなぁ〜。

 さて、今回のテーマは高血圧です。高血圧について、私の考えとピッタリの本と出合えました。血圧が上がるのは上がる必要があるからなので、薬で下げる必要はない!のです。薬で下げていると、逆に恐ろしい問題がでてきます。是非「血圧心配症ですよ!まだ『薬』で血圧を下げているあなたへ(おおみや診療所医師 松本光正 著)」をお読み下さい。きっと目からウロコです。



そもそも血圧とは

血圧は背の高さで決まる?
 血圧とは、心臓がポンプのように圧力をかけて血液を押し出し、その圧力によって血管壁が押される力です。この圧力の強さ弱さは、さまざまな要因で決まります。血管の硬さと柔らかさ(血管抵抗)、血液の量(心拍出量)、血液の粘り気、心臓から送り出される血液の流速、また心臓が弱ってポンプ機能が低下すれば血圧は下がりますし逆にポンプが激しく働けば血圧は上がります。

 しかも、体の姿勢や精神状態、気温、時刻、運動なんかでもすぐに上下します。それから、背の高さでも違います。背の高いキリンは血圧300Hg以上、ねずみは血圧10か20Hg。背の高い人、低い人。太っている人、痩せている人。おじいちゃん、おばあちゃん、子ども達。怒りっぽい人、いつもニコニコしている人。人それぞれの血圧なのです。

体が血圧を上げる理由
 私たちの体は、生きるために血圧を微妙にかつ大胆に調整します。座っている時は、座っている時にちょうどいい血圧になっているし、夕食後にのんびりとテレビを見たりしているときは、それにちょうどいい血圧になっています。体は常に目的をもって、そのときの一番いい状態を作り上げようと努力しています。体の反応には、毛一本逆立てるのも、汗一滴流すのも、みんな無駄なものや目的のないものはないのです。
血圧は目的をもって上がったり下がったりしているわけですから、薬でやたらと下げてはいけません。

 何かの拍子に血圧が急激に上がったとします。このとき普通の人は、いえ、医者や看護師でさえ「大変だ、血圧を下げよう」「薬だ、注射だ」と騒ぎます。しかし、もしかすると脳の血管に血の塊が飛んできて、血流が止まってしまう脳梗塞が起こる寸前のため、血圧を200近くにグーンと上げて、そのゴミを追い流そうとしているかもしれないのです。

<ストレス> だいたい冬になると血圧が上がるのですが、これも気温が低いのは体にとってストレスですから、血圧を上げて命を守ろうとしているのです。 何でもないのに、むやみに体が反応して血圧を上げるということはありません。それを理解しておかないと、いつも血圧が心配でしょうがない「マイナス思考の人間」になってしまいます。きちんと体の生理を理解すれば、血圧に振り回されることはなくなります。

<運動> 走ったり、階段を上るとときも血圧は上がります。血圧を上げないと、走ったり、階段を上ったりすることができないからです。ありがたいことです。

<マイナス思考> マイナスの感情も血圧をあげます。びっくりしたり、悲しんだり、怒ったり、心配したり。こういうマイナス思考はストレスになるので、体はストレスと闘うために血圧を上げるのです。

<加齢> 年を取って血圧が上がるのは自然なことです。年齢に90足したものがその人の血圧。50歳なら140、60歳なら150、70歳なら160。年を取れば血管だって老化します。血圧を上げなければ、血液は体の隅々まで行き届かないのです。 たとえば70歳くらいで動脈硬化が起こったら、血圧180くらいの力がないと頭の隅々まで血液は流れません。それを薬で血圧を下げたらどうなるか?栄養が行き届かないということは、その先の組織が死ぬということ、つまり脳梗塞です。

 詩人の萩原朔太郎いわく「老は成長でも退歩でもない、ただ"変化"である」。体は老化した体にとって一番心地よい状態を提供しようと努力してくれている。それなのに、現代では、"変化"を"病気"だと言って病人を作り上げている、とんでもない時代です。

体の反応にはすべて目的がある
<熱の目的> 体温を上げてばい菌を焼き殺そうとという体の反応。熱冷ましはいりません。
<下痢の目的> 悪い物を早く体の外にだそうとしている反応。気持ちが悪いのは「これ以上食べないでください」というサイン。下痢止めはいりません。

 薬に頼らず、静かにしているのが一番。そして無理して食べない。無理して食べると体は消化活動もしなくちゃいけなくなる。体は治すのに専念したいから食欲をなくすのです。
 私達は目的のある体の反応に守られながら、大きな力で生かされているのです。このことに気づいたら、もう感謝、感謝です。風邪の熱にも感謝。食中毒の下痢にも感謝。そしてもちろん血圧にも感謝です。一生懸命上げたり下げたりして、懸命にバランスをとって命を守ってくれているのです。人間ごときがつくった薬で、無理に調整しようとするなんて、冗談でしょう!というわけです。


「血圧神話」の裏舞台

誤解だらけの高血圧
<高血圧=脳卒中ではない> 脳卒中の内訳(死亡統計)
 @脳梗塞84%−脳の血管が詰まる ← 高血圧とは関係なく、むしろ低血圧で!
 A脳出血13%−脳の血管が破ける ← 高血圧に関係しているのはこれだけ!
 Bくも膜下出血3%−くも膜の血管が破ける ←若い人でも低血圧でも起こる

<医者が脳梗塞をつくっている?>
 脳卒中のうち、ほとんどが高血圧に関係のない脳梗塞で、高血圧に関係して倒れる脳出血は、全体の脳卒中のわずか13%しかない。脳梗塞は脳出血の6倍。
 脳梗塞は血管が詰まる状態。血管が詰まったら、体はどんな防衛策をとるか? ホースの中にゴミが詰まったら、私たちは水を一気に流して、ゴミを押し出そうとしませんか? それと同じように、体も脳の血管の中にゴミが流れてきたら、血流の圧力を高めてそのゴミを吹き飛ばそうとする。血液が流れなかったら、脳の組織や細胞は死んで、手足に麻痺やしゃべれなくなったり、時に死にいたりますからね。これが高血圧の状態です。血圧を上げて脳を守ろうとしているのです。そういうときに無理やり血圧を下げたら…脳梗塞です。

 だから、高い血圧には高い血圧の役割があって、むやみに下げてはいけないのです。もちろん、中には下げた方がいい場合もあります。脳出血の恐れがある場合、解離性大動脈瘤、一部の心不全、心筋梗塞、腎疾患など。

日本人の死亡原因
 1位−がん33%
 2位−心臓病16%
 3位−脳血管障害(脳卒中)15%
    このうちの13%が脳出血なので、脳出血は全体のわずか2%

 わずか2%の死因の疾患に対して「血圧を下げろ!」と日本中が大騒ぎしているのです。高血圧では滅多に人は死にません。むしろ血圧が低いときに起こる脳梗塞の方が、遥かに多いのです。なのに、みんな競うように血圧を下げ、あげくに脳梗塞で倒れているのです。


つくられた「血圧神話」
<悪者にされたコレステロール> 昔は血管が破れる、いわゆる脳出血が原因の脳卒中が多かった。現代では栄養がよくなり、生活もよくなったので、脳の血管が破れることは少なくなりました。コレステロールが血管を丈夫にしてくれたのです。

<自分の頭で考える> 一年前に脳梗塞で倒れて以来、脳卒中後遺症に悩んでいる55歳男性。きゃしゃな方で、とても高血圧だとは思えませんでした。しかし40歳の頃、会社の健康診断で血圧150あり、医師の勧めで薬を飲み始めました。その後、血圧が120とか118くらいのことがあっても、医者には「薬のおかげで下がっているのだ。飲まないとまた高くなる」と言われ、飲み続けました。そして、ある日、脳梗塞で倒れたのです。
 医師と薬ばかりに頼らず、自分の頭で考えて、判断する力をつける必要があります。

 2006年12月31日の日経新聞。「降圧治療で脳梗塞の発症率が2倍になる」東海大学医学部教授・大櫛陽一先生の論文。
 浜六郎医師は「血圧の薬でガンの発生が高まる」「上が180、下が100程度までは降圧剤は必要なし。安易に薬を使うとむしろ副作用の危険が高まる」


「血圧心配症」時代
 「血圧心配症の時代」は、薬品業界が意図的につくり出したんです。医療界がそれに考えもなしに乗って、大学の教官や病院の医師も、町の医師も、勤務医も、開業医も、それぞれの立場からみんなでお先棒を担いだんです。マスコミにも責任がある。

 そもそも医師の役目というのは、病人を治療することではなくて、病人をつくらないようにすることです。医師がみんな失業する世の中になったら、こんな素晴らしいことはないですよ。警察だった、軍隊だって、裁判官だって、みんな同じです。

 時間はかかるでしょうが、不可能なことではないと思いますよ。それには病気の予防です。早期発見とは違いますよ。病気をつくらない予防に、もっと力を入れることです。それなのに、今は逆にマイナス思考を植えつけて病人を作り出している、これでは駄目です。

年々下がる最高血圧
 1969年頃の「高血圧症」の基準は、上が160で、下が100くらい。それが少しずつ下がって、150になり、140になり、今では130以上の人を「高血圧症」と呼びます。日本では、血圧の基準値を10下げると、新たに高血圧症の患者が1千万人誕生する。薬屋さんは嬉しい笑顔。医療界も喜ぶ。1千万人もお客が増えたのですから。


血圧測定の正しい知識

 松本医師は「測る」行為そのものが、心配を招く原因だから、測らない方がいいといいます。実際、自宅で血圧を測っている人は、上げれば心配してまた測り、下がれば下がったで本当かなとまた測り、となってはいないでしょうか。心配の気持ちがまた血圧を上げてしまいます。これでは、いつまでたってもプラス思考に考えられないし、気持ちよく生活を送ることはできなません。

 降圧剤に頼るよりも、ストレスや睡眠不足の解消、食事の改善、運動不足の解消なんかの血圧を上げる原因を取り除く方にエネルギーとお金を使いましょう。

 血圧が高くなるのは加齢現象。顔にシワができるのと同じです。病気じゃないのだから薬を飲んだってしょうがないんです。むしろ血圧を下げたら、体の隅々まで血液を送れなくなっちゃう方が危険なんです。

 どこも具合が悪くないのに、頭も痛くないし、めまいもないのに、測ってみると血圧がやけに高いということはよくあること。いちいち測らない方がいい。「知らぬが仏」。体は瞬間瞬間、そのときの最適な状態に血圧を調整している。


プラス思考のすすめ

 人がこんなにも薬に頼って生きるようになったのは、つい最近のことです。私達は生まれながらにしてもっている、ケガや病気を治す素晴らしい力「自然治癒力」があります。体の不調は自然からのメッセージです。その"体の声"を、薬で黙殺してしまうのではなく、もっと別な方法を考えましょう。

薬に頼らない生き方@
<薬は急にやめても良いか> 松本医師は「やめようと思ったときがやめるとき。薬は急にやめようが、徐々にやめようが関係ない」といいます。しかし、「薬をやめると病気は治る」の著者安保徹医師や「高血圧は薬で下げるな!」の著者浜六郎医師は、自分勝手に急に薬を中止しないように言われます。それは、今まで激しい運動をしていなかった人が急にやると事故を起こしやすいのと同じで、薬で血圧を下げていた人は、血管は広がったり縮んだりの運動不足状態にあります。なので、急に血圧が高くなるのも危険だといわれます。徐々にならしていくといいようです。また、高血圧の原因が糖尿病や心臓病などはっきりしている場合は、勝手に薬を止めずに、原因となっている病気を先に治しましょう。

<"マイナスの言葉"に気をつける> 暑い、寒い、痛い、痒い、嫌だ、疲れた、できない、あの人は嫌いだ云々……、こういうマイナスの言葉は、たとえ心で思っても口に出さない。「できない」「うまくいかない」の代わりに、「きっと大丈夫」「こうすればできる」と言う。寒い日も、暑い日も「暑さも寒さも自然の恵みだ」と言う。嫌いな人の悪口を言うのではなく、その人の良さを見つけることを楽しむ。

<「笑い」は最高の治療薬> 1日に100笑い、これが一番お金のかからない一番よく効く血圧降下剤です。テレビ、ラジオ、落語、漫才。嫌なことがあってもとりあえず声に出して笑ってみる。笑えばガン細胞だって消えるし、膠原病だって治ることがちゃんと証明されています。「笑う門には福来たる」運動不足も体に悪いが、笑い不足はもっと悪い。

<感動すること、感謝すること> 「いやあ、たいしたもんだ」と感銘を受けると、心は活き活きとして、マイナスの感情なんかどこか行ってしまいます。感動に出会うたびに、心が洗われてプラス思考になり、血圧も下がる。そしてあらゆることに感謝する。感謝の心があれば不平不満は出ません。暑さにも感謝、寒さにも感謝、雨が降っても、感謝、感謝。

薬に頼らない生き方A
<太ったままで薬を飲む矛盾> 太っていれば血圧が上がるのは当たり前です。まず減量!
<腹八分目に医者いらず> もうちょっと食べたいと思うところで「ごちそうさま」と言えるようになるには、自分を律する強さを身につけなきゃいけません。習慣になってしまえば楽。まず「よく噛む」50回以上。ぼけ防止。姿勢がよくなる。視力回復。発ガンを1〜2割おさえるはたらきもある。毎日体重計に乗ってチェック。

薬に頼らない生き方B
<食事に気をつけよう> 塩気の強い食事ばかりしないことは大切です。しかし、みそ汁や漬物もとり過ぎなければ心配ありません。コンビニ弁当や外食をやめて、自分で料理をするだけでもかなり塩分は抑えられます。食品添加物のほとんどが○○ナトリウムです。これが血圧を上げる大きな原因です。本物のいい味噌・醤油・塩を使いましょう。
<こまめに動こう> 車より歩く。エスカレーターより階段。階段を見つけたら「お!無料の健康器具だ!」とプラス思考で。雨の日は、普段やらない家の大掃除で運動。

<骨休めをしよう> とにかく疲れたら休む、これが原則。疲れはストレス。体はそのストレスと闘うために血圧を上げなければならない。だから、十分睡眠をとって休む。
<楽しいことにお金を使おう> タバコはきっぱりやめて、酒はほどほどに。タバコを吸うと、ニコチンが血管を収縮させて、血圧を上げるホルモンの分泌を増やします。1〜2本タバコを吸うだけで、10〜20くらい血圧が高くなります。

<明るい未来への第一歩> 薬価差はなくすべき。「薬漬け医療」が問題。薬を出せば出すほど利益が出るものだから、薬が必要ない人にも、つい多くだしてしまう。そして薬の飲みすぎで病人が増える。悪循環です。高い医療費を払った上に病気にさせられてしまうんじゃ、たまりません。
初診料、再診料という「診察料」を引き上げて、薬で利益を出すのではなく、医師のきちんとした技術料で利益がでるようにしないといけません。


編集後記

 私は介護を必要とする人を一人でも減らしたいと思っています。
 世の中の人々は、歳をとったら、最後には介護をしてもらうようになっても、こればっかりは仕方がないとお考えではないでしょうか。しかし、本当にそうでしょうか? もっと自然な生活していたら、そう簡単に寝たきりにならないはずです。

 便利になりすぎて歩かない生活、農薬や肥料による不自然な作物、ホルモン剤や抗生物質を使って育てられる家畜、食品添加物だらけの食品、薬漬け・検査漬けの医療体制、長時間労働。どれをとっても不自然なことばかりです。

 日本はいまや不自然なことが当たり前になってしまいました。その先にあるのが寝たきりや認知症や難病ではないでしょうか。皆さん口を揃えて言われます「長生きしなくてもいいから、最後まで健康で過ごしたい」と。そのためには、今、毎日の生活の中で、一つひとつの選択肢を考えて行動していくしかないと思います。

 自分の責任において何を選択していくのかの判断材料のひとつにたかみかがお役に立てるよう、これからも学び、お伝えできたらと思っています。


以上


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