シャーロック・ホームズについて

 このHPの中心人物である、シャーロック・ホームズについて紹介します。ただし、印象的な事柄を中心に思いつくままの紹介ですので、伝記的なことや具体的な事実を詳細に知りたい方は、ホームズの年表(His Histry)及び伝記(Biography)の欄をご覧下さい。このページは、少しずつ整備・拡張していく予定です。とにかく、書きたいことがあまりにも多すぎて・・・(^^;



ワトソン博士によるホームズの評価
−「緋色の研究」による−



「こんなばらばらの能力をむすび合わせてみて、こんなものがみな必要だという職業は何かと考えあてて、あの男のやろうとしていることがわかるなどと思うのはばかばかしい。はじめからこんなことはしないほうがいい」


    シャーロック・ホームズの学力
  1. 文学の知識……ゼロ
  2. 哲学の知識……ゼロ
  3. 天文学の知識……ゼロ
  4. 政治学の知識……薄弱
  5. 植物学の知識……一様でない。ベラドンナ、阿片、その他の毒薬一般には有力だが、実際園芸のことは何も知らぬ。
  6. 地質学の知識……実用的、ただし限界がある。一見によって、各種の土壌を識別する。散歩から帰って、ズボンについたはねを見せ、その色と固さとからロンドンのどの方面でついた土であるかを示したことがある。
  7. 化学の知識……深い。
  8. 解剖学の知識……的確であるが、系統的ではない。
  9. 異常事の文献にかんする知識……該博。とくに今世紀におこった恐ろしい犯罪についてすべて詳細に知るもののようである。
  10. バイオリンにたくみである。
  11. 棒術、拳闘、剣術にすぐれている。
  12. 英国の法律の実用的知識にとむ。

 確かに、ワトスン博士はホームズを知ろうとして無駄な努力をしてしまったわけです。上のリストが全く役に立たない間違ったものであったということは、今日では広く知られています。ワトソン博士は、「観察」以上に人を見る眼のない困った人物であったようです。



「なんてあきれたたわごとだ!」
「こんなくだらない話を読むのははじめてだ」


「人生の書」の内容

 「理論家は、大西洋やナイヤガラについて見たり聞いたりしなくても、一滴の水を見ることによって、その存在の可能性を推定するであろう。同様に、人生とは大きな一連の鎖であり、われわれはその一つの環を知れば、人生の本質をとらえうるのである。推理と分析との学もまた他のもろもろの学問とおなじく、ながい忍耐づよい学習をかさねて、ようやく身につけることができるものである。しかも人がその最高の完成にまでいたるのには、この人生はあまりに短い。この道を志すものは、そうしたもっとも困難な精神面の探求にとりかかるまえに、まず基礎的な問題から習得してゆくべきである。他人にあえば、一目で、その人の経歴や職業を見分ける修業をつむのもよかろう。かかる訓練は大人げなく思えるかもしれないが、これこそが観察力をとぎすまして、どこに目をつけて、何を見るべきかを教えてくれるようになる。指の爪や服の袖や、長靴やズボンの膝頭や、また食指や拇指のたこや、そのほか表情やカフスなどはいずれも端的にその人間の職業をものがたっている。有能な研究者が、これらのものを総合するならば、事態をせん明することに失敗することはありえない」

 3月4日の朝、少し早起きをして機嫌の悪いワトスン博士が見つけた(見つけさせられた?)雑誌の記事です。この「人生の書」は、ホームズが書いた数々の論文の一つでした。そして、上に引用したのが、この論文を読んだときのワトスン博士の感想です。博士は、一般人として至極当たり前の事を言っていると思います。そして、ホームズの推理方法は・・・。後年、一部では「あの推理はずるい。」などという声も聞かれました。確かに、論理的であるかのように見えて、かなり飛躍した推理もあったようです。これは、コナン・ドイルとホームズの間の秘密の一つでしょうか。人生は奥深いという一つの根拠でもあるでしょう。



「正直のところ」
「君の話がよくわからないんだが」

ホームズ「君にわかるとは期待していなかった。そうだな・・・」

「じつにすばらしい!」
「君の功績は世間にひろく紹介すべきだ。ぜひこの事件の記録を公表したまえ。もし、君にその気がないなら、ぼくがかわりにそうします。」


事件簿が出来るきっかけですが・・・

 なんと、ワトスン博士のお人好しなことか。そこまで言われていても、あなたはホームズについて行くのですね。でも、このワトスン博士の意地が、後の人々を楽しませてくれる、ホームズの事件記録が世に出るきっかけになったのでした。





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