藻穂舗喫茶館

 いらっしゃいませ。藻穂舗喫茶館へようこそ。これまでに楽しんで参りました、さまざまな嗜好品の数々に関する考察を、あれやこれやと致します。お好みの物がありましたら、是非一度、お試しください。全て当館主の好みなので、お口に合わない場合はご容赦下さい。では、少々お待ち下さい。

館主 Mohoho

扉

mohoho kissa−kan


Open 0:00〜24:00
Tea time
morning 7:00〜9:30
  afternoon 15:00〜17:00
high−tea 17:30〜
Bar time
17:00〜

まことに申し訳ありませんが
禁煙席の用意はございません。
ご理解下さい。


MENU

Coffee
アイスコーヒー
モカフロスティー
アメリカンコーヒー
ダッチコーヒー
ホットモカジャワ
アイリッシュコーヒー

Tea
ロイヤルミルクティー
ロシアンティー
チャーイ
ジャスミンティー
オレンジペコ

Dessert
メロングラッセ
エビアンノンガス

Alcohol
ジャックダニエルズ
SIMEHARITURU
シンガポールスリング

Cigarette
チェリー
トーク
ランバージャック

etc.













アイスコーヒー

 アイスコーヒーというと、コーヒーのバリエーションと言うことで、ストレートコーヒーと比べると、つい、いい加減に受け取られがちですが、旨いアイスコーヒーを飲ませてくれる店はなかなかありません。コーヒー自体のこくや深みは、単にアイスコーヒー用として炒られたという豆だけではでてきません。
 デカンターの中に氷を入れて、上から濃いコーヒーを注いでアイスコーヒーを淹れている店をよく見かけますが、これは、雰囲気はよいのですがコーヒーが薄まる度合いが偶然に委ねられてしまい、十分ではありません。抽出したコーヒーは一度冷水などであら熱を取る必要があります。
 アイスコーヒーに使うミルクにもいろいろありますが、松島のホテル一の坊では、生クリームを使うことにこだわったコーヒーを出します。グラスも銅製の大振りな物で、深みのある素晴らしい味わいでした。 

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ロイヤルミルクティ

 紅茶にミルクを入れたら、ミルクティーなんて物を飲んではいませんか。紅茶に様々な物を混ぜて飲む方法は世界中にありますが、ミルクティーとして満足できる飲み方は、このやり方しかありません。地方のコーヒー専門店で何を勘違いしたか(素晴らしい)、マスターが得意気にたった一度だけ、淹れてくれた物です。
 ミルクを用意します。成分調整はやめましょう。そして、ミルクを温めます。紅茶はクイーンマリーなど好みですが、オーソドックスにアールグレイにしましょう。ミルクが温まったら、紅茶の葉とシナモンスティックをミルクの中に入れ、一瞬、沸騰させます。後は、こし器で全ての固形物を取り除きましょう。
 お好みで、スコッチなどをひと滴し。ウイスキーやバーボンではいけないのは、お約束です。のんびりとホームズなどを読みましょう。

本

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モカフロスティー

 これもコーヒーのバリエーションですが、どうも私はこういった邪道が好きなもので。ストレートも好きなものはありますが。気をつけないと、コーヒーフロートみたいなやつが出てきてしまったりします。申し訳程度に、クリームの上にコーヒーパウダーがのっていたりして。
 モカがベースになるのは当然のこととして(こういう店も少ないけど)、問題は、どうやってコーヒーを冷やしているかです。アイスコーヒーではないので、そのまま冷たくしても意味がありません。そこで登場するのがクラッシュアイスです。簡単に言うと、かき氷ですね。
 グラスにかき氷を詰め、上から冷やしたモカブレンドを注ぎます。後は、生クリームなりアイスクリームなりを飾り、ちょっとモカパウダーをかけましょう。生クリームやアイスクリームは飲むときのことを考慮して、少し甘めに調整しておきましょう。

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チャーイ

 チャーイと言うと、ロシア語で紅茶のことです。ロシアから中央アジアにかけて、広い地域でこの名称が使われています。ロシアのチャーイについては、また後ほど。代表的な物は、トルコ中心のイスラム圏で飲まれる紅茶と、チベット中心の高地で飲まれるバター茶です。
 トルコ茶は、沸騰したお湯の中に茶葉を直接入れて煮込み、小さなガラスのカップに注いで飲むのが一般的です。お好みで、砂糖をたくさん入れて飲みますが、商談や話をしながらちぴりちびりと飲む姿には、なるほどと肯けます。
 バター茶は、トルコ茶と同様に入れた茶の中に文字通りバターを入れます。かなり癖が出てくるので、飲むのに勇気が要りますが、なれると何とも深みのある味わいです。寒い地方で体を温めるのに必要であったと納得できます。バターは当然無塩バターを使って下さい。一番おいしいのは生乳から自分で作るものですが・・・

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ジャスミンティー

 茶の飲み方の原点は中国にありますが、西欧列国の植民地的な時代を経て、英国流の飲み方がスタンダードなものになってしまっています。中国の朝食で粥の後の一杯や、飲茶の点心とともに飲む一杯は、正にアジア流の紅茶の飲み方です。
 ジャスミンティーは、そのジャスミンの花の形や匂いが楽しく飲める紅茶です。大きめのカップとそれよりも少し大きめな蓋を用意します。蓋がなければカップのソーサーで十分です。カップの中に茶葉を入れ、上からお湯を注ぎます。後は、蓋をしてじっと待つ。カップ麺ですね、これは。
 蓋を開けたら、「ふうふう」と息で茶葉を寄せながら飲みましょう。ジャスミンの優雅な香りが漂います。必要に応じて蓋で余分な葉を押さえながら飲みます。もう一杯飲みたくなったら、そのまま茶葉とお湯を注ぎます。アジアですねえ。  

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チェリー

 赤と白のシンプルなパッケージ。そこに金色の線で桜の枝と花が描かれています。煙草とは思えない、60年代を思わせるモダンデザインです。ハイライトに次いでの「力たばこ」。セブンスターが登場するまでは、全国観光煙草として多くの人が目にしていたはずです。
 煙草はみんなそうですが、これも特徴ある香がしました。少し、甘ったるいようななんというか、ハーブのような香です。今で言うとアロマテラピーになったのでしょうか。でも、その香の良さからか周りの人たちは、結構好意的に迎え入れてくれていたようです。
 この煙草は格好を付けずに自然に吸いましょう。火を点けるのはマッチでも百円ライターでもいいのです。ただ、パッケージのデザインが新しいので、あまり下品にはならないように。貧乏人、あるいは不遇者としての矜持をもって、薄暗い街灯の下で、静かに火を点けましょう。 

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トーク

 谷山浩子さんの歌の中に、「長い煙草をキザにくわえた」という一節がありました。「長い煙草は格好いいんだ」という思いが刷り込まれた遠因です。いったん火を点けると、しばらく煙をくゆらせていることができる煙草でした。今では、「とんでもない」と周りから白い目で見られそうですが。
 パッケージがまた、爽やかでした。大きく枝を広げている一本の樹の絵でした。喫茶店やパチンコ屋で延々と暇をつぶすことができたのは、この煙草のおかげだったかも知れません。
 火を点けるときには、是非おしゃれなガスライターをお使い下さい。ちょっと気取って、最初の煙を「ふうっ」と静かに吐き出す。そんな雰囲気のある煙草です。ただ、少し癖があってあまり旨い煙草ではありませんでしたが・・・

ラジオ

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ランバージャック

 お金持ちの象徴ともなっている「葉巻」。これにあこがれた人も多いかと思います。バハマ産の安物を試しに点けてみて、えらい目に合いました。葉巻は「吸う」ものではなくて、「くゆらせる」ものだったのです。小さな部屋だと、自分以上に周りの人たちが必要以上に香りを楽しんでしまったりして。
 ランバージャックはそんなお悩みをお持ちの貴方にぴったりの煙草です。紙巻き葉巻というか、何というか。葉巻に使われている葉が、そのまま巻かれている煙草なのです。だから、普通の煙草のつもりで吸うと大変なことになります。でも、香りは素晴らしいのですが。
 ランバージャックに火を点けるときには、ブックマッチをお使い下さい。ワイルドでいてしかも大人びた仕草がぴったりです。バーボンなどを傾けながら、場末の酒場の隅っこで。ブックマッチは、暗い目の表紙がいいでしょう。マッチは切りはずさないで使って下さい。 

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ロシアンティー

 紅茶の中にジャムを入れる。ジャムティーとかマーマレードティーとか言われているものです。でも、安易に砂糖の代わりにジャムをつけて出しているだけの店も多く、興ざめしてしまいます。嗜好品として納得できる鮮烈な味わいのものは、なかなか見つかりません。
 ロシアの一般的な飲み方は、文字通り紅茶の中にあふれるほどジャムを入れます。ここいらへんは、チャーイの飲み方そのものです。ロシアでは茶を淹れるのにサモワールというポットを使います。温かい飲み物を何杯も飲めるようにと言う、心配りから生まれたものなのでしょうか。
 ある店で出したロシアンティー。マーマレードをお酒で割ってありました。思わず「プランディーですか?」とんでもない、質問でした。マスターは、「にやっ」としてウオッカの瓶を振りました。 ロシアの大地には、ロシアの酒が一番です。

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メロングラッセ

 はたして、本当にこういう名前であったか記憶ははっきりしないのですが、パリのレストランで注文した、とんでもないデザートでした。英語はよく分からない、ましてフランス語は全くダメと言う状態で何となく知っている単語から、メロン味のかき氷のようなものを想像していました。
 食事のあと運ばれてきた、メロングラッセを見て、周りの席のフランス人がくすくす笑っていました。他の店で「水」を頼んだときもフランス人の店員に笑われたのですが・・・。日本の食生活とは違うので仕方がないのですがね。
 さて、メロングラッセとは何だったのか。正解は、そのままのメロン一個でした。上に円く穴が開いていて、そこからスプーンでほじって食べるのです。種はきちんと取り除かれていました。ちょっとお金持ちになった気分でした。でも、一個は少し多かった。

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エビアンノンガス

 食事中に水を飲むのは、日本人とカエルくらいだ、などとよく言われます。確かに、ヨーロッパに行くと日本の食堂のように飲み水がコップに出てくるなんてことはありません。特別に注文しなくてはならず、わびしい思いをすることは、経験したことのある方なら理解していただけると思います。
 水が飲みたくなったら、ミネラルウォーターを注文します。フランスではエビアン水が一般的ですが、このときただ「エビアン」というと微炭酸の水が出てきます。日本のような水を飲むためには、頼むときに一言、「ノンガス」を付け加えなくてはならないのです。
 やっと来た水は、瓶に入っていました。ウエイターが厳かに栓をぬいてくれます。ワインを飲むようにグラスに注いでもらい、一口。「うっ、まずい・・・。」たぶんあまり注文する人はいないのでしょうね。パリの空の下、涙とともに飲んだビィンテージものの「水」の話でした。日本はいいなあ。 

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アメリカンコーヒ

 コンビニかファーストフード店のコマーシャルで、コーヒーを「一時間で廃棄します。」ということを自慢のように話しているものがありました。淹れてから一時間たったコーヒー。飲んだことがありますか。どんな味になっているかご存じの方もいるでしょう。少なくとも店で出せるようなものではありません。おかわり自由サービス用は別ですが。
 知っていたファーストフードの店では、コーヒーは30分で廃棄でした。深夜、ほとんどお客の来ないときには、コーヒーが余ってしまい、捨てるのならと飲んだものでしたが、お金を払う気にはなれない味でした。でも、いつまでたってもおいしいコーヒーがあります。アメリカンコーヒーです。
 豆のローストが、などと野暮なことを言うのはやめましょう。まず、コーヒー豆を用意します、何でもいいです。次に鍋かフライパンで少し焙ります。香りがでてきたら、ミルで粗めに引きます。ポットにお湯を沸かして豆を入れます。後は煮たてるだけです。できればポットはホーローのものか、薬缶みたいなのがいいですね。気分は西部のガンマンで。ホーローのカップとランバージャックなんかがお似合いです。時間がたつほどに、深みが増します。

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ダッチコーヒー

 知り合いのyukappeさんが、水だしコーヒーのメーカーを買ったそうです。毎日、3時間ばかりをかけて水でコーヒーを落として飲むことを楽しんでいるとのことでした。一滴、一滴、落ちてゆく水の滴を見ているのも楽しいですが、出来上がったコーヒーをゆっくりと音楽でも聴きながら、飲むのもまた格別な物です。
 昔の本格的なコーヒーメーカーは、朝、豆を挽き、水をセットして、滴の速度を調整していくと、夕方、ちょうどデミタスカップ一杯の分の水だしコーヒーができるなんてものもありました。時間をかけた自分だけの一杯。コーヒー好きにはたまらないものがあります。最近、そんなメーカーを見かけることもなく、水だしというと短時間にできてしまうものが多くなりました。
 水だしコーヒーはコーヒーカップよりも透明なガラスのデミタスカップが似合います。時間をかけて抽出した、まろやかな味と、さっぱりとした冷たさは、その色を眺めながら飲みたいものです。アイスやホットで飲むコーヒーとは違った、自然な味わいを感じることができます。是非ストレートで、わたしはミルクだけを少量入れるのが好みです。

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ジャックダニエルズ

 某所に「パイプのけむり」というショットバーがありまして、ホームズファン(あえて、シャーロッキアンとは言わない)には、その雰囲気がたまらないのですが、ここで飲むのは、いつもジャックダニエルズの黒ラベルでした。薄暗いバーの片隅で、ぼんやり煙草をくゆらしたり、ひそひそと声を潜めながら友人と話したりと、心落ち着く場所でした。
 総じてアルコールのたぐいは、その道の通や、スノッブのつぶやきが多いものですが、そんな話題もアルコールでぐるぐるしてくる前のぼんやりとした頭では、心地よいものがあります。一口飲むとのどの奥にわっと広がるジャックダニエルズの香は、古き良き若々しいアメリカの味わいです。
 ゆっくりと飲むときには、やはりロックでいきましょう。氷は、ロックアイスの大振りな物をひとかけら。氷で少しずつ冷やしながら飲むジャックダニエルズは、非日常の気分に導いてくれます。こんな時のBGMは、お決まりですね。そう、これもまた店の片隅にある古いプレーヤーのレコードで聴くいつもの、あの、テネシーワルツですよ。

蓄音機

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SIMEHARITURU

 これもお酒の話です。新潟県には美味しい酒がたくさんありますが、その中でも私の好きなものは、この「〆張鶴」です。日本酒は、美味しい酒が全国あちらこちらにあって、人それぞれに「これは!」というものがあるでしょう。だから、私はこれが好き、としか言えません。この話を居酒屋なんかで始めてしまうと、それこそ、朝まで飲み続けてしまうことになりそうですから。
 「〆張鶴」は、新潟県は村上の酒です。村上というと瀬波温泉と鮭そして日本茶です。温泉にゆっくりつかり、日本海の夕日を見ながら、「鮭」を肴に「酒」を飲むなんて、おつですねえ。酔い覚ましには、日本北限の村上茶を。これが、日本酒好きにはたまらないのですねえ。
 私は炭酸飲料が苦手で、ビールはあまり飲めません。日本酒は、好きなのですが冷やしか飲まないと言うわがまま者です。宴会の時は、大変です。みんなビールが好きだから。でも、本当の日本酒は冷やで飲んだときに、その真の味が分かるものだと言います。コップはいけません、屋台ではないのですから。ぐい飲みに酒を注いで、盛り塩と烏賊なんかを肴にぜひどうぞ。

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ホットモカジャワ

 寒い夜に、体を温めてくれるものは、やはり温かい飲み物でしょう。あまり温かい珈琲を進んで飲むことは少ないのですが、こうしたバリエーションは好きです。珈琲にココアやチョコレートを入れて飲むやり方は数々ありますが、子どもの飲み物のように甘過ぎもせず、珈琲の苦みが残る飲み物はやはり、美味しいものであると思います。
 ホットモカジャワは、温かい珈琲にチョコレートを混ぜたものですが、名前の通り、ジャワ島に由来しています。植民地時代にジャワ島にいたオランダ人たちが始めた飲み方だそうです。暑い地方の飲み物は、味が濃くなってしまう傾向にあるようですが、これもその例に漏れず、非常に濃厚な味わいがします。
 当然、アイスでもいけますが、冷たくなってしまうため、店によってはチョコレートが少し固まってしまったりしていることがあり、なんだかなあ、です。本格的な店では、一度こし器を使って、チョコやらカカオやらの残り物を綺麗に除去してから、お客様に出しているような所もあります。さすがプロ。きめ細やかな心遣いですね。

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シンガポールスリング

 旨い酒の究極の飲み方は、やはり何と言ってもその酒の生まれた土地で飲むのが一番です。日本酒であるならば、可能なのですがこれが洋酒となると、海外に出かけなくてはならない場合が多く、ほとんど不可能に近いです。フランスとかドイツとか、出かける機会が多ければ、そのチャンスもあるのですが、世界をまたにかけられる職業ではないので、それは無理ですね。
 久しぶりに海外に遊びに行って、そのチャンスが巡ってきました。シンガポールに行ったのですが、シンガポールといったら、何と言っても「シンガポールスリング」です。カクテルですが、日本でも「カクテル・バー」などという形で、販売されているのでご存じの方も多いかと思います。そして、「シンガポールスリング」といえば、発祥の地「ラッフルズホテル」のロングバーであります。
 暑いさなか行ってみました。本物の「シンガポールスリング」は、思いの外、甘くて、一気に飲めてしまいます。しかし、アルコールの量はかなり多めでした。なにしろ、一杯でほろ酔い以上になってしまいましたから。暑さのせいでしょうか。ホテルの回廊の席で飲む本場の酒は、旨い一杯でした。比較するために、他のホテルの「シンガポールスリング」なども何種か飲んでみましたが、やはり、ラッフルズのを飲んでしまうと・・・。

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アイリッシュコーヒー

 珈琲にプランディーを入れるのは、カフェロワイヤルなど、いくつかの種類がありますが、プランディーに点けた火の美しさは、幻想的であり、実際以上に珈琲を旨く感じさせてくれます。でも、アルコールが入ることにより、ちょっと変わった味になってしまうのが、気になるところでした。しかし、酒を飲んだ後の締めくくりに飲むと、これがなかなかいけるのでした。
 シンガポールのホテルのバーで飲んだ珈琲は、ホテルの名を冠した「マンダリンコーヒー」という名前でした。アルコールのメニューの最初に書いてあります。興味ワクワクで注文しました。出てきたのは大きめのグラスに入ったホットコーヒーでした。珈琲の上には、生クリームがたっぷりと浮いています。ウインナーコーヒーかなと思いました。でも、一口、口を付けてみると、冷たい生クリームの下から、アルコールの香りがします。驚きでした。
 さすが、ホテルで一番の濃厚な味わいの珈琲でした。おかげで、ティータイムから、ほろ酔い気分になってしまったのは言うまでもありません。アイスコーヒーの所でも触れましたが、珈琲と生クリームの組み合わせというのは、なかなか素晴らしいものがあります。アイリッシュ・ウイスキーが入るのも、長くイギリスの植民地であったせいでしょうか。 

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オレンジペコ

 小学生の頃、なぜか家にあったのが、瓶入りのオレンジペコでした。壺の形をした立派な瓶と、その中の見たこともないような紅茶の形に、すごく興味をそそられました。それまで、紅茶といったらリブトンのティーバッグくらいしか知りませんでしたから。さらに、「オレンジペコ」という、いかにもらしい名前。最初は、本当にオレンジが入っている紅茶だと思っていました。
 オレンジペコは紅茶の銘柄の名前ですが、味はすっきりとして甘味があり、とても飲みやすい紅茶です。それに、このネーミングは、雰囲気もありますし。嗜好品にとって、ブランドやら雰囲気というものは、そのものの味以上に大切な部分でもあると考えています。こんなときに、こんなものがあったら気持ちがいいだろうなという、そんな時の小物が嗜好品だと思っています。いずれにしても、紅茶に興味を持ち、蒐集に走ってしまったのは、ここがスタートでした。
 たくさんの紅茶を集めると、自ずから好き、嫌いが出てきますが、このオレンジペコはそういった事を越えて、懐かしい少年時代の想い出がよみがえってくる存在です。レモンちゃんのバックインミュージックを聴いていて、落合恵子さんが「オレンジペコはかわいい」などと言ったことを覚えています。(ふ、古いか・・・)子どもながら、ドキドキしたことを覚えています。

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etc.

ただいま、修行中です。もうしばらく、お待ち下さい。

砂時計

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