原作が発表されて以来、世界中でさまざまなパスティーシュとパロディの作品が作られ続けました。Pastiche(模写・模倣)とParody(滑稽な模倣・へたな物真似)は、はっきりとした区別は難しいのですが、わたしの独断と好みで分けさせてもらいました。ここにあげた本も手元にあるものですので、そのうち増えていくと思います。
バスティーシュ | |||
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書 名 | 著者名 | 出版社 | 発刊年 |
シャーロック・ホームズの優雅な生活 | マイクル&モリー・ハードウィック | 東京創元社 | 1974 |
シャーロック・ホームズの宇宙戦争 | マンリー・W・ウェルマン& ウェイド・ウェルマン | 東京創元社 | 1980 |
シャーロック・ホームズ対ドラキュラ あるいは血まみれの伯爵の冒険 | ローレンス・D・エスルマン | 河出書房新社 | 1992 |
シャーロック・ホームズ対オカルト怪人 あるいは「哲学者の輪」事件 | ランダル・コリンズ | 河出書房新社 | 1995 |
シャーロック・ホームズの秘密ファイル | ジューン・トムスン | 東京創元社 | 1991 |
シャーロック・ホームズのクロニクル | ジューン・トムスン | 東京創元社 | 1993 |
シャーロック・ホームズのジャーナル | ジューン・トムスン | 東京創元社 | 1996 |
シャーロック・ホームズのドキュメント | ジューン・トムスン | 東京創元社 | 2000 |
シャーロック・ホームズの功績 | アドリアン・コナン・ドイル ジョン・ディクスン・カー | 早川書房 | 1958 |
エドウィン・ドルードの失踪 | ピーター・ローランド | 東京創元社 | 1993 |
ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ | コリン・ブルース | 角川書店 | 1999 |
シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険 | ニコラス・メイヤー | 扶桑社 | 1988 |
ウエスト・エンドの恐怖 | ニコラス・メイヤー | 扶桑社 | 1997 |
シャーロック・ホームズの災難 上 | エラリイ・クイーン | 早川書房 | 1984 |
シャーロック・ホームズの災難 下 | エラリイ・クイーン | 早川書房 | 1985 |
パロディ | |||
書 名 | 著者名 | 出版社 | 発刊年 |
シュロック・ホームズの冒険 | ロバート・L・フィッシュ | 早川書房 | 1977 |
シュロック・ホームズの回想 | ロバート・L・フィッシュ | 早川書房 | 1979 |
ねずみの国のシャーロックホームズ1 ベイジルとふたご誘拐事件 | E・タイタス | あかね書房 | 1978 |
ねずみの国のシャーロックホームズ2 ベイジルと犯罪王 | E・タイタス | あかね書房 | 1978 |
ねずみの国のシャーロックホームズ3 ベイジルと失われた世界 | E・タイタス | あかね書房 | 1979 |
ねずみの国のシャーロックホームズ4 ベイジルのメキシコ冒険旅行 | E・タイタス | あかね書房 | 1979 |
ルパン対ホームズ | モーリス・ルブラン | 新潮社 | 1960 |
ホームズ最後の対決 | ロバート・リー・ホール | 講談社 | 1980 |
ホームズの復活 | ジュリアン・シモンズ | 新潮社 | 1976 |
ホームズ贋作展覧会 | 各務三郎編 | 講談社 | 1980 |
シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人 | レジナルド・ヒル E・D・ホック他 | 原書房 | 1998 |
シャーロック・ホームズ 四人目の賢者(クリスマスの依頼人2) | ピーター・ラヴゼイ他 | 原書房 | 1999 |
シャーロック・ホームズ リオ連続殺人事件 | J・ソアレス | 講談社 | 1998 |
シャーロック・ホームズの愛弟子 | ローリー・キング | 集英社文庫 | 1997 |
シャーロック・ホームズの愛弟子 女たちの闇 | ローリー・キング | 集英社文庫 | 1999 |
COMICAL MISTERY TOUR 赤禿連盟 | いしいひさいち | 東京創元社 | 1992 |
COMICAL MISTERY TOUR2 バチアタリ家の犬 | いしいひさいち | 東京創元社 | 1995 |
COMICAL MISTERY TOUR3 サイコの挨拶 | いしいひさいち | 東京創元社 | 1998 |
ソーラー・ポンズの事件簿 | オーガスト・ダーレス | 東京創元社 | 1979 |
シャーロック・ホームズの新冒険 上 | M・H・グリーンバーグ& C・R・ウォー | 早川書房 | 1989 |
シャーロック・ホームズの新冒険 下 | M・H・グリーンバーグ& C・R・ウォー | 早川書房 | 1989 |
シャーロック・ホームズのIQクイズ | イーモン・バトラー& マドセン・ビリ | 扶桑社 | 1999 |
ドイルと黒い塔の六人 上 | マーク・フロスト | 扶桑社 | 1998 |
ドイルと黒い塔の六人 下 | マーク・フロスト | 扶桑社 | 1998 |
名探偵ドジソン氏 マーベリー嬢失踪事件 | ロバータ・ロゴウ | 扶桑社 | 1999 |
シャーロキアン殺人事件 | アントニー・バウチャー | 社会思想社 | 1995 |
しゃべくり探偵 ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険 | 黒崎 緑 | 東京創元社 | 1997 |
名探偵もどき | 都筑道夫 | 文芸春秋 | 1983 |
扱った事件名
- 消えた給仕長
- アマチュア乞食
- 奇妙な毛虫
- 高貴な依頼人
- 名うてのカナリア訓練師
- 流れ者の夜盗
- 打ち捨てられた灯台
扱った事件名
- パラドールの部屋
- ハマースミスの怪人
- メイプルステッドのマグパイ
- ハーレー街の医師
- ロシアの老婦人
- キャンバウェルの毒殺事件
- スマトラの大鼠
扱った事件名
- 脅迫された百万長者
- ウォーバトン大佐の狂気
- アドルトンの悲劇
- エイブラハムズ老人の恐怖
- フリースランド号事件
- スミス−モーティマーの相続
- モウペルトイスの醜聞
扱った事件名
- エインズワースの誘拐事件
- 並木通りの暗殺者
- ウィンブルドンの惨劇
- フェラーズ文書事件
- ヴァチカンのカメオ
- 女家庭教師の謎
- 赤い蛭
扱った事件名
- 七つの時計の事件
- 金時計の事件
- 蝋人形賭博師の事件
- ハイゲイトの奇蹟事件
- 色の浅黒い男爵の事件
- 密閉された部屋の事件
- ファウルクス・ラス館の事件
- アバス・ルビーの事件
- 黒衣の天使の事件
- 二人の女性の事件
- デプトフォードの恐怖の事件
- 赤い寡婦の事件
チャールズ・ディケンズの未完の作品「エドウィン・ドルードの謎」を題材に、事件の解決を試みた面白い着想で書かれた事件簿です。ちょっと本物と比べると筋道の通った理論的なところが気になりますが。
扱った事件名
- 科学好きの貴族
- 失われたエネルギー
- 原子論を知らなかった医者
- 実験を妨害された科学者
- 飛ぶ弾丸
- 相対的嫉妬をめぐる三つの事件
- 迅速至上主義の実業家
- 活動的なアナーキスト
- 不忠義者の召使い
- 誰もいなかった海岸
- ハドスン夫人の猫
- 失われた世界
扱った事件名
- ペグラムの怪事件 ロバート・バー
- 遅かりしホルムロック・シアーズ モーリス・ルブラン
- 選択ひもの冒険 キャロリン・ウェルズ
- 稀覯本『ハムレット』 ヴィンセット・スタリット
- ホームズと翔んでる女 アントニイ・バークリイ
- 婦人失踪事件 アガサ・クリスティー
- 高名なペテン師の冒険 アンソニイ・バウチャー
- ジェイムズ・フィリモア氏の失踪 エラリイ・クイーン
- 不思議な蒸しの事件 スチュアート・パーマー
- 二人の共作者事件 サー・ジェイムズ・M・バリー
- 大はずれ探偵小説 マーク・トウェイン
- 盗まれた葉巻入れ ブレット・ハート
- シャムロック・ジョーンズの冒険 O・ヘンリー
扱った事件名
- アンブロザ屋敷強盗事件 R・C・レーマン
- 未知の人、謎を解く J・K・バングズ
- ホームズ氏、原作者問題を解明す J・K・バングズ
- 欠陥探偵 スティーヴン・リーコック
- 名探偵危機一髪 スティーヴン・リーコック
- テーブルの脚事件 ゼロ(アラン・ラムジイ)
- 四百人の署名 R・K・マンキトリック
- われらがスミス氏 オズワルド・クロフォード
- 天井の足跡 ジュール・キャスティエ
- シャーロック・ホームズの破滅 A・E・P
- 廃墟の怪事件 オーガスト・ダーレス
- メアリ女王の宝石 ウィリアム・O・フラー
- キトマンズのルビー ヒュー・キングズミル
- 最後のかすり傷 レイチェル・ファーガスン
- 編集者殺人事件 フレデリック・ドア・スティール
- カンタベリー寺院の殺人 クマー&ミッチェル
- 消えたご先祖 医学博士ローガン・クレンデニング
- 悪魔の陰謀 リチャード・マリット
- クリスマス・イヴ S・C・ロバーツ
- 不死の男 マンリイ・ウェイド・ウェルマン
扱った事件名
- アスコット・タイ事件
- 赤毛の巨人
- アダム爆弾の怪
- 黒眼鏡の楽団
- 奇妙な手紙
- 消えたチェイン=ストローク
- 画家の斑紋
- ダブルおばけの秘密
- 罠におちたドラマー
- 贋物の君主
- 誘拐された王子
- シュロック・ホームズの最後の事件
扱った事件名
- シュロック・ホームズの復活
- むこうみずな相場師
- 寡婦のタバコ
- アルスター切手の謎
- スリークォーターズ紛失事件
- ホイッスラーの母蒸発事件
- 騎士館のホットドッグ
- ブライアリ・スクールの怪事件
- 二輪馬車の身代金
- 大トレイン盗難事件
- ブラック、ピーター事件
ベーカー街221B番地の床下に住むねずみのベイジルは、住人の仕事を観察して、ねずみの世界のシャーロックホームズにとして活躍します。お相手は、やはりねずみのドースン博士。二人は協力して、難事件を解決します。ちなみに、ベイジルという名前は、ホームズ俳優として有名なベイジル・ラスボーンから採ったそうです。
名探偵ベイジルと、ねずみの国の犯罪王ラティガン教授との息詰まる対決の物語です。「犯罪王ラティガン教授」そう、「あの」教授ですよね。
「失われた世界」といえば、ドイルの同名の小説を思い出す方も多いのではないかと思います。さあ、名探偵ベイジルは何を発見するのでしょうか?
そういえば、「空白の三年間」に、ホームズが南米に行ったという研究があったような。名探偵ベイジルはメキシコに旅立ったのでした。
扱った事件名
- 指名手配の男 アーサー・コナン・ドイル 日暮雅通訳
- 珍本「ハムレット」事件 ヴィンセント・スターリット 各務三郎訳
- 狙われた男 スチュアート・パーマー 大村美根子訳
- コデイン(七パーセント溶液) クリストファー・モーリー 吉野美耶子訳
- 消えた貴婦人 アガサ・クリスティー 深町眞理子訳
- 怯える准男爵 オーガスト・ダーレス 田村源二訳
- テルト最大の偉人 アンソニイ・バウチャー 伊藤典夫訳
- <引立て役倶楽部>の不快な事件 W・ハイデンフェルト 高見浩訳
- 名探偵誕生 マーク・トウェイン 山本光伸訳
扱った事件名
- クリスマスの依頼人 エドワード・E・ホック
- クリスマス・ツリーの冒険 ウイリアム・L・デアンドリア
- 過去のクリスマスの探偵 バーバラ・ポール
- 冬の醜聞 ギリアン・リンスコット
- クリスマスの幽霊事件 ビル・クライダー
- クリスマス・シーズンの出来事 ジョン・ステースル
- 犬の腹話術師 ジョン・L・ブリーン
- イヴの鐘 アン・ペリー
- 笑わない男の事件 J・N・ウィリアムソン
- 三人の幽霊 ローレン・エスルマン
- 十二夜の盗難 キャロル・ネルソン・ダグラス
- 国境地帯の冒険 グウェン・モファット
- 天使のトランペット キャロライン・ホイート
- イタリアのシャーロック・ホームズ レジナルド・ヒル
扱った事件名
- 四人目の賢者 ピーター・ラヴゼイ
- クリスマスの贈り物 アン・ペリー
- 慈善的なことだよ、ワトソン君 バーバラ・ポール
- クリスマス最大の贈り物 ローレン・D・エスルマン
- ラージャのエメラルド キャロライン・ホイート
- クリスマスの陰謀 エドワード・D・ホック
- クリスマスの音楽 L・B・グリーンウッド
- クリスマス・ベアの冒険 ビル・クライダー
- 博物学者のピン ジョン・L・ブリーン
- 第二のヴァイオレット ダニエル・スタシャワー
- ヒューマン・ミステリ タニス・リー
いしいひさいちの4コマ漫画。ホームズの他に他の推理小説ネタもたくさんありますが、ホームズ物は充実しています。面白いけれど、笑うためには結構、ホームズに関する知識が必要だったりします。以下二冊は、同様の内容です。
扱った事件名
- 消えた機関車
- アルミの松葉杖
- 丸い部屋
- 顔のつぶれた男
- 消えた住人
- 一人暮らしの小説家
- 沼地の廃墟
- サザビー村のセールスマン
- ファヴァシャム教授の失踪
- 好ましからざる人物
- 七人の娘
- 半身不随の乞食
- トットナム村の狼男
プレイド街7番地B、私立探偵ソーラー・ポンスとリンドン・パーカー博士の冒険物語。ホームズのパロディとして有名な作品です。ホームズの関わった事件に関連し、あるいは引き継いだ物語は、比較して読んでみたりすると、ますます面白さが増していきます。
扱った事件名
- 二二一番地B(1887〜1987年) モリー・ハードウイック
- 悪魔のような機械 ジョン・ラッツ
- 最後の乾杯 スチュアート・M・カミンスキー
- 幽霊の部屋 ゲイリー・アラン・ルーズ
- まだらの紐の復活 エドワード・D・ホック
- すばらしきホームズ ジョン・L・ブリーン
- シャーロックホームズと「あの婦人」
−医学博士ジョン・H・ワトスンの回想 マイケル・ハリスン- 芝生の影−シャーロック・ホームズのある冒険 バリー・ジョーンズ
- ガワナス誘拐事件 ジョイス・ハリントン
扱った事件名
- ワトスン博士夫妻の家庭生活
−奇妙な一幕物喜劇 ローレン・D・エスルマン- 二人の従僕 マイクル・ギルバート
- シャーロック・ホームズとマフィン ドロシイ・B・ヒューズ
- 奇妙なコンピューター ピーター・ラヴゼイ
- しつこい狙撃者 リリアン・デ・ラ・トーレ
- ジャックが建てた家 エドワード・ウェレン
- ワトスン、事件を解決す スティーヴン・キング
- あとがき−モリアーティと犯罪社会の実態 ジョン・ガードナー
これは、何といったらいいのか・・・。スタイルは全くのパロディなのですが。正典からの引用や、関連がたくさん載っていて。「その気」にさせる、パズルの本です。
主人公は、アーサー・コナン・ドイル博士。もちろん、探偵役です。世界征服を目指す悪の組織の陰謀に巻き込まれ・・・すみません、ホームズとは関係ありません。でも、出版代理人のコナン・ドイル氏の活躍ですから。
主人公はチャールズ・ドジスン氏。オックスフォードの数学教師です。分かりましたか。そう、「アリス」の作者ルイス・キャロルです。もちろん、事件に巻き込まれ探偵になります。そして、さらにコナン・ドイル氏がパートナーに。・・・すみません、ホームズとは関係ありません。でも、あのルイス・キャロルと出版代理人のコナン・ドイル氏の活躍ですから・・・(^^;
「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」の活躍する物語です。ホームズそのものとは全く関係ありませんが、ホームズに関する知識をたくさん持っていると、より面白く読むことができると思います。
全く関係ありません。完全なるパロディです。