シャーロック・ホームズの研究書は、非常に多くのものがありますが、とりあえず昔から自分の手元にあるもの、手に入れたものについて紹介します。貴重本や稀本はありませんので(^^;、全国の本屋さんで入手できると思います。ぜひ、読んでみて下さい。
書 名 | 著者名 | 出版社 | 発刊年 |
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シャーロック・ホームズの私生活 | ヴィンセント・スタット | 河出書房新社 | 1992 |
シャーロック・ホームズ鑑賞学入門 | 木村申二 | 丸善 | 1992 |
シャーロック・ホームズ学への招待 | 平賀三郎 | 丸善 | 1997 |
図説 シャーロック・ホームズ | 小林司・東山あかね | 河出書房新社 | 1997 |
真説シャーロック・ホームズ | 小林司・東山あかね | 講談社 | 1980 |
シャーロック・ホームズの醜聞 | 小林司・東山あかね | 晶文社 | 1999 |
シャーロック・ホームズの見たロンドン | チャールズ・ヴァイニー | 河出書房新社 | 1997 |
シャーロック・ホームズの冒険 | ピーター・ヘイニング | 求龍堂 | 1998 |
シャーロック・ホームズ百科事典 | マシュー・バンソン | 原書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集1 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集2 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集3 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集4 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集5 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集6 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集7 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集8 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1997 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集9 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1998 |
詳注版 シャーロック・ホームズ全集10 | ベアリング=グールド | 筑摩書房 | 1998 |
シャーロック・ホームズ事典 詳注版別巻 | 北原尚彦 | 筑摩書房 | 1997 |
世界の名探偵コレクション10 1 | コナン・ドイル | 集英社 | 1997 |
シャーロック・ホームズの推理学 | 内井惣七 | 講談社 | 1988 |
アメリカの作家、批評家、「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」の創立者の1人であるヴィンセント・スタリットのエッセイ集です。ホームズに関わるさまざまな事柄について、文学的な文章で詳しく書いています。解説によると、「系統的、総合的視点からホームズ物語全体を扱った批評として…古典的作品として有名である。」と書かれています。発表は1933年。ホームズに関する研究はだいぶおくが深いことがうかがわれます。
内容は「ノーウッドの建築師」「バスカヴィル家の犬」「株式仲買店員」についての研究です。銀行の支店長をしておられた方のようで、経済的な事柄に関する造形の深さがうかがわれます。ただ、少し謙虚さにかける表現もありますが・・・。どのような視点で分析していったら良いのかという参考になります。
「最後の事件」「バスカヴィル家の犬」についての研究があります。フットワークを生かし、現地の実地調査をもとに、事件の状況と核心に迫っていく手法は、見事です。日本を離れることが出来ない私たちにとっては、貴重な資料となります。英語という言語の読み解きについても、きちんとした知識が大切なことが分かりました。
「図説」と銘打ってあるだけあり、写真や図の多いとても見応えのある本です。作品の紹介から、ホームズについて、ドイルについてと内容も盛りだくさんです。最近は、座右の書として何かあるとちらちらと見ています。入門としても、研究にしても非常に重宝する一冊だと思います。
上記の「図説」のお父さんに当たるような本でしょうか。こちらも、写真や図が豊富で見ていて楽しい本です。さらに、世紀末のイギリスの風俗や生活を紹介している部分が多くて、なかなか理解することの出来ない当時の様子を知るのに役立ちます。でも、眺めているだけでも楽しくて、本ももう、ぼろぼろになってしまっています。
ホームズに関する評論集。といっても、内容が多岐にわたって、とても面白く読めると共に参考になります。この本は、出版されてすぐに本屋で見つけたのですが、店内を一回りしている間に売れてしまいました。なんという、陰謀でしょうか。再び偶然に本屋でめぐり逢い、手に入れることが出来ました。
これはとんでもない本です。何しろ、ホームズが事件で走り回ったその場所の、その時の写真があるのですから・・・。もう、挿し絵なんか必要ないか(^^;とにかく、ホームズの時代を知る上での第一級の史料です。また、ホームズに関係なくても、世紀末のロンドンを知る上で貴重なものであると思います。
NHKで放映されていた、イギリス・グラナダTV制作の「シャーロック・ホームズの冒険」の写真と解説集です。やはり、ジェレミー・ブレットのホームズは最高でした。番組の裏側から、ホームズに関わる資料など豊富に掲載されいます。特にTVだけあって、映画などの映像に関する情報も多く載っています。遅ればせながら、ジェレミー・ブレットに黙とう。
ホームズの事件簿を読んでいく上で、やはり辞書は必要になるでしょう。これは、とにかく素晴らしい辞書です。特に、ホームズの各事件との関連が書かれているところが、単なる言葉の知識に終わらず、実用的です。ただ、ちょっと気になってワトスン博士とメアリー・モースタン嬢の結婚した年を調べたのですが、載っていませんでした・・・。やっぱり、これは自分で調べなくてはならないのですね。
やっと詳注版シャーロック・ホームズ全集を手に入れました。これは、「TEXT」とすべきかどうか迷いましたが、解説や注の豊富さを考え、研究書に分類しました。実際、しっかりとした注釈本は立派な研究書なのですが。以下、各巻の収録作品と解説を載せます。各巻の作品の並びは事件の起きた順序になっています。また、事件名はちくま文庫(初出は東京図書のシャーロック・ホームズ全集)独自のものです。
収録作品
- グロリア・スコット号
- マスグレイヴ家の儀式
編者による解説
- 二人の医師と一人の探偵
収録作品
- 緋色の研究
- まだらの紐
- 入院患者
- 独身貴族
編者による解説
- 「それに君は日付けのことばかり言ってるが、それが最大の謎だね」
- 「インドで最も危険な毒蛇」
収録作品
- 第二のしみ
- ライゲイトの地主
- ボヘミアの醜聞
- 唇のねじれた男
- 五つのオレンジの種
- 花婿失跡事件
- 赤毛組合
- 瀕死の探偵
- 青いガーネット
編者による解説
- 「ところでワトソン、女性はきみの専門領域だ」
収録作品
- 恐怖の谷
- 黄色い顔
- ギリシア語通訳
編者による解説
- 「きみの手が古傷の方にそっと延びて行った」
収録作品
- 四つの署名
- バスカヴィル家の犬
収録作品
- ぶな屋敷
- ボスコム谷の謎
- 株式仲買人
- 海軍条約
- ボール箱事件
- 技師の親指
- 背の曲がった男
- ウィステリア荘
- シルヴァー・ブレイズ
収録作品
- 緑柱石の宝冠
- 最後の事件
- 空き家の冒険
- 金縁鼻眼鏡
- 三人の学生
- 一人ぼっちの自転車乗り
- ブラック・ピーター
- ノーウッドの建築業者
編者による解説
- 「きみはシゲルソンという名のノルウェー人の素晴しい探検記を読んだことがあるかもしれない」
収録作品
- ブルース・パーティントン型設計図
- 覆面の下宿人
- サセックスの吸血鬼
- スリークオーターの失跡
- アベイ農場
- 悪魔の足
- 踊る人形
- 退職した絵具屋
- チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン
- 六つのナポレオン
収録作品
- ソア橋事件
- プライアリイ・スクール
- ショスコム・オールナ゜・プレイス
- 三人ガリデブ
- レディ・フランセス・カーファックスの失跡
- 有名な依頼人
- 赤い輪
- 白面の兵士
収録作品
- スリー・ゲイブルズ
- マザリンの宝石
- 這う男
- ライオンのたてがみ
- 最後の挨拶
編者による解説
- 「奇妙は奇妙な事件なんです……」シャーロック・ホームズがいまだ健在と聞けば、彼の友人は喜ぶことだろう。
付録
- 告別「少しばかり調べたいことがある」日本におけるコナン・ドイル、シャーロック・ホームズ書誌
何度か話題にしている「詳注版」の別巻です。各項目に「詳注版」の該当ページが表記してあり、調べたことを確認しやすく編集されています。やはり、「詳注版」をなんとか手に入れなくてはいけないようです。
世界の名探偵コレクションの第一巻です。原作の事件が六つ紹介されています。これだけでは、短篇のアンソロジィーですが、巻末にホームズ関係の年表と、紹介が書かれています。さらに、鑑賞として林望さんのパロディ「名馬シルヴァー・ブレイズ」後日が、載っています。
収録作品
- マスグレーヴ家の儀式
- 青いガーネット
- 技師の親指
- 名馬シルヴァー・ブレイズ
- 緑柱石の宝冠
- 海軍条約事件
これは、論理学の入門書なのですが、どうもホームズはいいだしにされているようで・・・。ホームズの推理も突き詰めて考えてしまうとこうなるという例です。少し、頭を冷ましたくなったときにどうぞ。