猫の森音楽館

 音楽に対するあれやこれやを、谷山浩子さんの曲やお気に入りの曲を中心にお送りします。著作権法の関係や、自分自身の未熟さもあり、実際の音楽をまだ流すことができないのは残念ですが・・・歌詞の解釈や感想、曲にまつわる想い出などを記していきたいと思います。

音楽


INDEX

宇多田ヒカル
谷山浩子
小野リサ
小島麻由美
赤い鳥
YO−YO MA
KATE BUSH
BUFFY SAINTE MARIE
HERBERT VON KARAJAN
OSCAR PETERSON
SIMON and GARFUNKEL
門倉有希
JANIS IAN
THE CHIEFTAINS
OLD JANISSAIRS BAND
森田童子

注 CDのリストは私の覚え書きです。










宇多田ヒカル

 宇多田ヒカルさんの曲の大ヒットには驚きましたが、曲はメロディーも歌詞も、とても素晴らしいと感じました。とても16歳の女の子とは思えない、気だるさと歌唱力。何という歌手がでてきたのかと、とにかく言葉がありません。これまでに、彼女の歌っているようなジャンルの曲はあまり興味はなかったのですが、世界が広がった思いです。知り合いの自動車屋さんの話では、「宇多田の歌は、マライア・キャリーのコピーであって、少しもすごくない。がっかりだ。」と言うことですが、「マライア」の曲をほとんど聴いたことのない私には、さっぱりでした。いいものはいいということですね。
 アルバムの売り上げ数が600万枚を越えて新記録だと話題になりましたが、私も手に入れるのに苦労しました。といっても、昔からのお店での出会いを求めて、注文をして買うことを潔しとしない変な性分のせいで、あちらこちらの販売店をさまよい歩いたということなのですが。シングルはたくさん売っていましたが、どうせ買うのならばたくさんの曲を聴くことのできるアルバムにしようと決めていたのもなかなかCDを手に入れられなかった原因でもあります。こうした妙な意地はきっと一生張り続けるでしょう。でも、こうした苦労が曲の想い出を深めてくれることにもなります。
 芸能界を追われた「藤圭子」の娘さんでもある。これも、また感動ものです。声は似てるかな?「藤圭子」といえば、白鶴のCMソング「冷たい月−泣かないで−」というシングルCDを出しています。これも、偶然にお店で見つけたものなのですが、思わず買ってしまいました。歌詞カードをよく見ると、「唄 藤圭子with Cubic U」と書いてあります。もしかしたら、藤圭子さんの歌のバックコーラスは宇多田ヒカルなのでしょうか。

  1. FirSt LOVE 99.3.10 東芝EMI
  2. 冷たい月  藤圭子 96.9.25 日本クラウン

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谷山浩子

 谷山浩子さんの歌との出会いは、運命的でした。「ねこの森には帰れない」をラジオの番組で聞いたのが最初です。アルバム「ねこの森には帰れない」を探して、やっとの事で手に入れました。彼女の声や、メロディー、歌詞の世界の広がりに強い衝撃を受けました。かなり気持ちが入ってしまっているので、冷静には評価できないのですが、その独自の世界は惹きつけられてやまないものがあります。
 谷山浩子さんの世界の魅力の一つに、歌詞の世界観の深さがあります。単なる歌の詩ではなくて、一つ一つの詩にそれぞれの言葉の持つきらめきと、彼女の世界への誘いがあるのです。言葉を巧みに使う歌い手としては、語彙力の豊富な「中島みゆき」などがいますが、そういった生活感に根ざした言葉ではなく、創造的、メルヘン的な言葉遣いが谷山浩子の特長です。彼女の言葉から想像させられる世界は、明るく、切なく、どこまでも透明な印象があります。
 イメージの広がりということでは、「窓」の中で、「遠いアコーディオン」「ギリシャの船」などという、西欧的な言葉が印象的です。少女趣味と言ってしまってもよいくらいの表現ですが、「教室の窓」を離れた少女の心象世界の表現としては、その少女趣味を感情表現の手段として利用している点で巧みです。過去と現在の時間的な隔たりと、感傷的な気持ちの高まりが、西欧的なメルヘンの世界として昇華していきます。また、点描描写による感情表現にも素晴らしいものがあります。「たずねる」や「忘れられた部屋で」などで描かれている、周りにある一つ一つのものを断片的に注目していく方法は、歌詞の中でのドラマ以上に、背景になる「語られない出来事」を想像させ、歌の世界観を深めさせられます。しかも、それが闇の中でわずかに明るさをともなった薄明の輝きを感じさせるのです。想像することの楽しさを教えてくれます。
 一方、単にでたらめな言葉遊びのような表現の世界もあります。古来より、歌には定型的なリズム感と語呂合わせというものは不可分のものではありましたが、そこを利用して、しかも彼女の特徴的なメロディーと合わさって、楽しく意外な世界が表現されています。「やまわろ」「パセリパセリ」「エッグムーン」など、こうした表現でリズミカルに楽しめる作品です。しかし、ここでも谷山浩子さんらしいところは、こうした曲の中にも恋に関わる世界観が隠されているところです。また、「マザーグース」的な内容で描かれているいくつかの曲も、単に表面的な興味だけではなく、どこかに彼女の世界を引きずっているところが好感が持てるのです。
 レコードはたくさん持っているのですが、CDとして初めて手に入れたのは、「歪んだ王国」でした。久しぶりに聞いた谷山浩子さんの曲として、相変わらずの完成度と彼女の世界がしっかりと構築されていることに安心しました。心の奥の孤独感や、疎外感を感じることができる歌詞の数々は、彼女の年齢的な成長(失礼)とともに、ますます深まっているようでした。声の透明感や、静かな明るさも昔の通りでした。最近は、「幻想図書館」という題名でコンサートをしていますが、残念ながらまだ見たことがないので何とも言えませんが、コンサートの中の曲が入っているアルバム「カイの迷宮」を聞いた限りでは、相変わらず谷山浩子さんの世界は健在であると確認し、うれしく思っています。 
  1. 静かでいいな〜谷山浩子15の世界〜 94.2.5 キングレコード   
  2. ねこの森には帰れない  91.5.21 PONY CANYON
  3. もうひとりのアリス  91.5.21 PONY CANYON
  4. 鏡の中のあなたへ  91.5.21 PONY CANYON
  5. 夢半球  91.5.21 PONY CANYON
  6. ここは春の国  91.5.21 PONY CANYON
  7. 時の少女  91.5.21 PONY CANYON
  8. たんぽぽサラダ  91.5.21 PONY CANYON
  9. 水の中のライオン  91.5.21 PONY CANYON
  10. 眠れない夜のために  91.5.21 PONY CANYON   
  11. 空飛ぶ日曜日  91.5.21 PONY CANYON
  12. 水玉時間  91.5.21 PONY CANYON
  13. 透明なサーカス  91.5.21 PONY CANYON
  14. しっぽのきもち  91.5.21 PONY CANYON
  15. お昼寝宮・お散歩宮  91.5.21 PONY CANYON
  16. 冷たい水の中をきみと歩いていく 90.2.21 PONY CANYON
  17. カントリーガール  90.11.14 PONY CANYON   
  18. ボクハ・キミガ・スキ  91.5.21 PONY CANYON   
  19. 歪んだ王国  92.6.3 PONY CANYON
  20. 天空歌集  93.5.21 PONY CANYON
  21. 銀の記憶  94.7.21 PONY CANYON
  22. 漂流楽団  95.9.21 PONY CANYON
  23. しまうま  96.11.7 PONY CANYON
  24. 谷山浩子 Memoris  97.9.3 PONY CANYON
  25. カイの迷宮  98.9.18 PONY CANYON
  26. HIROKO TANIYAMA'70s  99.6.17 PONY CANYON   
  27. 僕は鳥じゃない  99.10.20 PONY CANYON   
  28. 谷山浩子ベスト ア・ラ・カルト  1987 PONY
  29. ビデオ 1991谷山浩子コンサート  91.9.11
  30. ビデオ 谷山浩子の幻想図書館 雪の女王  99.4.21

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小野リサ

 ギターとともに歌う彼女の澄んだ声。心が癒される本当に心地よい歌声です。彼女の経歴も、現在も全く分からないのですが、素晴らしい歌を聴くことができればそれで十分です。サンバやらボサノバなど、ほとんど聞いたこともなかったのですが、彼女の歌を聴いてから、がぜん興味がわいてきました。いろいろなCMのテーマを歌っているということもCDを買ってから初めて知りました。そういえば、ときどき耳に残る済んだ歌声を聞いたことがあったことを思い出しました。
 ラテン系の歌や南米系の歌はメロディーが面白く、何気なく聞くこともあったのですが、ボサノバのリズムがどんなものであるかは、知りませんでした。「イパネマの娘」もボサノバだったでしょうか。ボサノバは夏の歌であると言われます。確かにあのメロディーは夏の海岸通りで、車を粋に走らせている情景がよく似合っていそうです。ちょっとけだるい夏の昼下がりなんかに。これからはきっと夏のドライブの定番になるんでしょうね。
  1. O MELHOR DE LISA 91.  MIDI
  2. ESSENCIA  97.11.19 東芝EMI
  3. セレソン  98.6.24 BMG
  4. BOSSA CARIOCA  98.7.16 東芝EMI

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小島麻由美

 NHKの「みんなのうた」を聞いていたら、たまたま放送されていたのが小島麻由美さんの「ふうせん」でした。彼女の独特なイラストと相まって、不思議なメロディーラインに興味を持ちました。実際、何枚かのCDを手に入れましたが、いまだもって彼女が何者なのかよく分かりません。こういった歌のジャンルは何なんでしょう。ジャズっぽい気もするのですが、分かりません。
 曲の雰囲気は、彼女の少し投げやりな歌い方とストレートな歌詞からか、かなり個性的です。好きか嫌いかがはっきり分かれてしまうでしょう。でも、なんとなく一生懸命そうに歌っている様子がいいと思います。水割りでも飲みながらライブハウスの片隅で聞くのがぴったりのような気がします。
  1. BLUES DE CECILE  95.8.19 PONY CANYON
  2. 二十歳の恋  96.9.20 PONY CANYON
  3. さよならセシル  98.6.17 PONY CANYON
  4. BALLON A JOUER  99.3.3 PONY CANYON

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赤い鳥

 初めて買ったLPレコードは赤い鳥の「パーティ」でした。「紙風船」と言う曲をテレビのコマーシャルで聞き、強烈な印象を受けて、ファンになったのです。時はちょうど、フォークソングが全盛期を越えて、だんだんと内容が今で言うところのニューミュージック的なものへと変化していく頃でした。赤い鳥の歌は、ビューティフル・フォークソングと言われ、その変化の先駆けでもあったようです。吉田拓郎たちが「軟弱路線」やら「売れるためにフォークの魂を売った」などという批判があったのもこの時期でした。しかしながら、赤い鳥はもともとのコーラスの美しさに加え、民謡を取り入れた優しい曲を次々に発表し活躍していきました。この頃の様子については、まだ自分自身が幼かったために、しっかりとした記憶がないのが残念です。少年が背伸びをして、ちょっとのぞき込んだ大人の世界が赤い鳥の歌の世界であったとでも言うところでしょうか。他の個性の強い井上陽水や小椋佳といったフォーク歌手よりも、やさしく、理解できた存在でした。
 コーラスの美しさは絶品で、結局乏しい小遣いの中から、発売された全てのLPを買ってしまうというはめになってしまいました。後年「紙風船」と「ハイファイセット」の二つのグループに分かれながらも、どちらも美しいコーラスやハモリを特徴としていたのは、赤い鳥時代の名残でしよう。ちなみに「紙風船」は、赤い鳥で歌っていた「竹田の子守歌」や「紙風船」などの落ち着いたフォークロア的な曲に進み、後に「冬が来る前に」などをヒットさせました。「ハイファイセット」は、グループでのコーラスの美しさを強調すると共に、ニューミュージックとしての大人の歌を歌い、「卒業写真」などをヒットさせました。どちらも独立後に頑張っているのは、ファンとしてうれしい限りです。
 赤い鳥というと、今は、サッカーの応援歌としての「翼をください」が有名です。発表当時からも話題になっていた歌ですが、あらためて世の中に認められているということは、やはり、赤い鳥は素晴らしいグループだったという証明のようでうれしく感じます。最初の頃の歌は、今歌われている歌とちょっと歌詞が違い(と言うか、曲が短かった)、後から出てきたアルバムの中での歌で、歌詞の増えている部分があることを知ったときは、驚くと共に楽しく感じたものです。(これは、谷山浩子さんの「アリス」の二番の歌詞を聴いたときと、共通するものがあります。)赤い鳥の中では、「河」や「窓に明かりがともる時」などのバラード調の歌が好きでした。CDの時代になってからは、ご無沙汰していましたが、とりあえずベストものを買ってしのいでいます。
  1. Super Best of 赤い鳥  98.2.6 東芝EMI(二枚組)

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YO−YO MA

 昔は、ヨーロッパ的な雰囲気に憧れて、弦楽四重奏などをよく聴いていたのですが、だんだんと好みが渋くなってくるというか、単調なものに味わいを感じるようになってきました。ヨーヨー・マは、チェリストですが、現代最高と言われていたり、日本でもいくつかのテレビCMに登場していたので、知っている方も多いかと思います。わたしも、CMで見たのが初めての出会いでした。
 こういった、演奏を聴くには、それなりのシチュエーションが必要であると思いますが、雑然とした部屋の中で、パソコンに向かってなどというのは、いただけません。やはり、酒と煙草と薄暗い照明が必要でしょうか。どうも、マイナーなイメージになってしまうのですが、曲の深みが増してくるような気がします。リストにあげたCDはベスト物ですが、最初に聴くのはこういった物の方が全体像を思い浮かべることができて、よいのではないかと思います。彼も興味を持ち、演奏活動の中で関わりを持っているそうですが、ジャズ的な雰囲気がよく似合う演奏です。(ソロは)
 CDの中の曲では、やはりドヴォルザークの森の静けさ「ボヘミアの森から」小澤征爾指揮ボストン交響楽団との競演や、バッハの無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調よりガボットなどが素晴らしいと思っています。
  1. THE BEST OF Yo−Yo MA  98.10.1 SONY

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KATE BUSH

 谷山浩子さんと声の似ているイギリスの歌手がいるということを聞き、知ったのがケイト・ブッシュでした。歌のプロモーションかテレビで歌っているのを見たのは、一回だけ。このときに、いったい何を歌っていたのか全く記憶にありません。映像は覚えているんだけど・・・。「嘆きの天使」だったのか?東京音楽祭に出場したことがあるそうですが、日本に来たことがあるということすら知りませんでした。ほとんど記憶の彼方です。あとは、レコードのジャケットやらCDのジャケットの写真を見たくらいです。ですが、曲を聴いたときにその独特の歌い方と、曲のメロディに惹きつけられました。いつも、曲中心で歌い手の細かいところまで興味がいかないものですから。
 初期の曲は、彼女のイメージである小悪魔やけものといった雰囲気を持っていて面白かったのですが、だんだんと魔女的になるに従って、ロックの強さについていけなくなりました。歌詞の内容もきつい調子になってきましたし・・・。そういうわけで少し離れていたのですが、あるきっかけから、最近CDを買ったり、曲を聴き直したりしています。やはり、「嵐が丘」が一番でしょうか。
  1. THE RED SHOES  93.10.20 東芝EMI
  2. THE KICK INSIDE  95.5.31 東芝EMI
  3. NEVER FOR EVER  95.5.13 東芝EMI
  4. THE WHOLE STORY  96.12.4 東芝EMI

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BUFFY SAINTE MARIE

 バフィーの曲を初めて聴いたのは、映画の「いちご白書」でした。「いちご白書」というと、「いちご白書をもう一度」という曲が流行ったので、そちらの方を思い浮かべる人が多いかと思いますが、映画の方は、なかなかどうして硬派な内容です。学生運動や反政府的な運動とは、ちょっとずれた世代なのですが、真実を求めて戦うアメリカの学生の姿に心打たれました。キム・ダービー が、可愛らしかったと言う面もありますが。
 この「いちご白書」の中でバフィーが歌っているのが、「サークルゲーム」です。立てこもる建物から、警察に引き抜かれていく学生の姿と重なり合って印象的でした。曲もなんともいえない哀愁を帯びたメロディーと歌い方で、雰囲気が出ていました。英語(未だに苦手)もよく分からないのに、EPを買ってきて、何度も聞きました。最近、NHKの夜の歌番組でアグネス・チャンが、青春の一曲として歌って紹介していました。これも、感激ものでした。
 同じく、有名な曲では「ソルジャー・ブルー」があります。これは、アメリカインディアンのシャイアン族虐殺という西部史を描いた映画の主題曲です。こちらも、激しさの中に哀愁の感じられる歌い方です。下のリストには、CDを書いておきたいと思っているのですが、バフィーのものは、レコードしか持っていません。古い曲のCD盤は探すのが大変なのです。とりあえず、レコードを紹介しておきます。でも、レコードがあるから、いいかな。
  1. ベリーベスト映画音楽シリーズ
            いちご白書 サークルゲーム 76.3 キングレコード

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HERBERT VON KARAJAN

 初めに告白しておきます、私はカラヤンのファンではありません。聞きたかった曲の指揮者がたまたまカラヤンだっただけです。でも、初めて買ったクラシックのLPが、カラヤンであったことは、幸せであったかも知れないと今は思えます。いくつかの違った指揮者やオーケストラの演奏を聞くと確かに、違いがあることが分かるからです。ここいらへんは、縦波ひろしさんが詳しいので、是非彼のHPにどうぞ。
 さて、聴きたかった曲とは、ラヴェルの「ボレロ」です。テレビの番組で、ニューヨークだかボストンだか、忘れてしまったのですがオーケストラが演奏会に向けて「ボレロ」を作り上げていくドキュメントがありました。曲の完成に向けての緊張感と、「ボレロ」の曲がぴったりとマッチしていて、強く印象に残りました。ちょうどその頃、クラシック好きな友人がいて誘われるままにLPを買ってしまったのです。CDは、そのLPと同じ内容のものをたまたま見つけて、買ったものです。一緒に入っているムソルギスキーの展覧会の絵も、同じです。まあ、坊主頭の中学生が休日に部屋に集まり、「はげ山の一夜」だの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」だのに聴き入り、ああだこうだと議論していたのですから、思い出すと恐ろしい光景であったと思います。
 CDは、指揮はカラヤン、演奏はベルリン・フィルハーモニー、録音は1985年86年87年のものです。
  1. カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー
     ラヴェル ボレロ/スペイン狂詩曲
     ムソルグスキー 展覧会の絵        97.9.5 ポリグラム

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OSCAR PETERSON

 オスカー・ピーターソンのジャズピアノのベスト盤です。ジャズの定番の曲ばかりを集めて、ピーターソンの演奏をまとめています。どこかで聞いたことのあるメロディーばかりなので、結構すんなり入っていけるものです。ジャズというと学生時代に行ったジャズ喫茶(死語か?)で聞いたことが初めでしたが、まあ、よく分からないものです。考えるよりも音を聞いて、音に自分の身も心も合わせていくとでも言うのでしょうか。そう、スゥイングですね。あとは、ただ雰囲気に漂っていればよいのでしょうか。
 この演奏には、珈琲と煙草、あるいはウイスキーと煙草がよく合います。勝手な思いこみですが、どうも聞いていた頃がそういう環境だったもので。そのときの友人は、そいつがジャズ喫茶に連れていったのですが、レコードを聴きながら死んだように煙草を吸い続けていたものでした。まるで、阿片窟で放心していた人々のように。その向かいで私がどうしていたかは、ご想像にお任せしますが、あまり、体にいいことではありませんね。その友人も、不慮の事故で帰らぬ人となり、ピーターソンのピアノは、ますます瞑想の世界へ私を誘ってしまうのでした。
  1. THE BEST OF OSCAR PETERSON
                           90.6.18 ポリドール

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SIMON and GARFUNKEL

 学生時代の最初から、中盤にかけて、いつもどこかでサイモンとガーファンクルの歌が流れていました。流行っていたとかそういうことではなかったのですが、サークルやら寮の部屋などで聞く機会が多かったのです。彼らの曲は、明るさの中にもどこか寂しい雰囲気が漂っていて、そこが魅力でした。「ミセスロビンソン」にしても、どこか突き抜けないもどかしさがあります。マイナー調の曲想からでしょうね。
 「サウンド・オブ・サイレンス」「明日にかける橋」「スカボロー・フェア」「コンドルは飛んで行く」など、本当に心に残るメロディーでしかも、彼らのコーラスがまた心に滲みてくるのです。英語の歌ながら、カラオケに行って歌うことが多いのも、サイモンとガーファンクルのものが多いような気がします。しかし、さすがに「スカボロー・フェア」を酔った勢いで歌うのはきついものがありますが・・・。青春のまっただ中にあった、歌だったのですね。
 歌とは全く関係ないのですが、ポールとアートが小学生時代に学芸会で「不思議の国のアリス」の時計ウサギとチェシャ猫の役をやったとか。私も学生時代の仮装行列で、チェシャ猫の役をやったことを思い出しました。サークルごとの出し物だったのですが、結構好評でした。そうです。発案者は私でした。
  1. the definitive SIMON and GARFUNKEL
                             91.11.26 SONY

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門倉有希

 演歌です。門倉有希は、再デビューの後からしか分かりませんが、非常に演歌的な生活を送り、一時芸能界から身を引いていたそうです。しかし、再デビューの後、NHKの新人賞をとり、紅白歌合戦にも出場しました。一度歌を聴いてみると分かりますが、歌のうまさでは若手の中でも随一です。ちなみに新人賞を最後まで争ったのは「つんつん津軽」林あさ美でした。彼女も、最近活躍しているようです。
 門倉有希の歌は、まず、彼女の声が素晴らしい。のびがあり、張りのある歌声です。深みは歳と共にでてくるでしょう。また、曲も素晴らしいのです。作詞・荒木とよひさ、作曲・浜圭介、これは黄金のコンビです。「ノラ」や「ひまわり」が、マイナーな歌手の曲なのに、のど自慢で歌われることが多いのも頷けます。私は、「どん底」がお気に入りです。ちょっと、歌詞に共通する経験があったものですから。カラオケでは、かならず歌ってしまうおじさんです。でも、こうした歌が結構憂さ晴らしや心のヒーリングに効くのですよ。お試し下さい。
  1. 鴎・・・カモメ  94.7.6 ビクター
  2. どうせ東京の片隅に  95.8.23 ビクター
  3. The Best of Yuki Kadokura  96.10.23 ビクター

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JANIS IAN

 ジャニス・イアンの曲を初めて聴いたのは、「ラブイズブラインド」でした。どこかのテレビ局のドラマの主題曲になっていたような気がします。哀愁をおびながら、せつなく歌うジャニスの声に魅了されました。さっそくレコードを買ってきて、何度も何度も繰り返して聞いたことを覚えています。昔は、結構一生懸命レコードを聴いていたんだなあと、感心してしまいました。
 ジャスの曲というと有名なものは、「17才の頃」ですが、結果的にこの曲を聴いたのは、だいぶ経ってからになってしまいました。あの素晴らしい曲のほとんど全てを自分で作り、歌っている姿は素晴らしいと思います。そして、その曲もまた全て素晴らしいのですから。LPを買うことができずに早くからそうした曲を知らなかったのは残念でなりません。
 紹介するCDは、またまたベスト盤です。時が経ってしまうとなかなか昔のアルバムを手に入れるのが難しくて。どこかにも書きましたが、どうも注文して買うのが苦手なもので・・・。しかし、ベスト盤は捨てたものではありません。たった一枚で作者の全体の姿をおぼろげながらうかがうことができるのですから。気に入ったら、深入りしてみて下さい。
  1. UP 'TIL NOW  92.12.24 東芝EMI

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THE CHIEFTAINS

 まず、チーフティンズについて紹介します。チーフティンズはアイリッシュ・フォークのグループです。1950年代から活動をしているので、現在どうしているかは分かりません。アイルランドのフォークというと、映画「タイタニック」の中で、効果的に使われて耳になじんでいる方も多いかと思いますが、はるかに昔からインストルメンタルでそうした曲を表現していたのが、チーフティンズだったのです。
 サッカレーの小説に「バリー・リンドン」というものがあり、映画化されました。時代考証や、風俗は完璧。撮影も、夜はろうそくを使い、それを撮影できるカメラを開発するという、凝りようでした。上映時間も、確か4時間半ほどだったと思います。十八世紀を舞台に、農村の青年が貴族として成り上がり、没落していく様をクールに描いたものでした。
 映像の美しさに魅せられると共に、映画の中で流れていたチーフティンズの曲にも興味を持ちました。時にせつなく、時に強く表現されるアイルランドの音楽は、映画を見た後もしっかりと印象に残ったのでした。現在、彼らはどうしているのでしょうか。ぜひ、CDを手に入れたいと思っています。
  1. バリー・リンドン 愛のテーマ  76.6 ポリドールレコード 

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OLD JANISSAIRS BAND

 イスタンブールに憧れるようになったのは、塩野七生さんの小説「コンスタンティノープルの陥落」を読んでからです。この、日本人の女性の書いた東ローマ帝国滅亡の物語は、歴史に忠実でしかも、物語としても素晴らしいものでした。何度も読み返し、食い入るように付録のコンスタンティノープルの地図を見ました。ローマ皇帝の造った三重の城壁が見たい。スルタンの走った金角湾が見たい。そんな気持ちが、ヨーロッパとアジアの接点であるイスタンブールに惹かれる気持ちのもとでした。
 このアルバムは、トルコ軍軍楽隊の演奏する軍歌集です。昔は、NHKドラマ「阿修羅のごとく」や最近(でもないか)では、「なるほど・ザ・ワールド」などでも紹介された、「Artar Cihatla Sanimiz」という曲も入っています。「JANISSAIRS」とは、日本語読みではイエニチェリとなり、昔はスルタン直属の親衛隊のことでした。キリスト教徒から改宗したものを集め、妻帯は認めず、ただスルタンへの忠誠だけに生きる、戦うための集団でした。中東の原野をコンスタンティノープルに向かうスルタンの大軍列を想像させる演奏です。
 トルコの音楽は、どこか侘びしく感傷的な気持ちにさせるメロディーが印象的です。この軍歌集にしてもこれで戦えるのかなどと考えてしまいます。まあ、これは行進曲であって、戦場でこんな音楽を奏でていたわけではないのですが。でも、こうした歌を声を張り上げて歌いながら行進するイエニチェリ軍団の白い帽子と緑の上着の隊列をいつかは見てみたい気がします。十五世紀ころのことなのですが。
  1. MEHTER  不明 HARBIYE ASKERI MUZE

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森田童子

 中学時代は石坂洋次郎の小説にはまっていたのですが、森田童子の曲を聴いてから、太宰治に興味を持つようになり、高校、大学と太宰治の作品を読むようになりました。洋次郎の「若い人」や「青い山脈」など、今読んでも少し気恥ずかしくなるような、青春や性の描写が印象に残っています。現在のドロドロとした学園と青春のドラマと比べると、それでも非常に健康的で合ったと思います。そういえば、森田童子の「僕たちの失敗」は、学園ドラマの主題歌になっていましたね。「人間・失格」という、あまりにも・・・なドラマでした。(私はよく見ていないので???)
 「まぶしい夏」という曲の中に「君から借りた 太宰の本は 淋しいかたみになりました」という一節がありました。この曲を聴いて、太宰治に興味を持ったのですが、今考えてみると、この森田童子のアルバムは全編が太宰の影を持った曲ばかりだったようです。私小説的な音楽。身近な堕ちていく人間の描写が綴られていきます。「さよなら ぼくの ともだち」は、長編ですが、「あの」時代の雰囲気をよく表しているというか、私たちよりももう少し上の世代には、たまらないものがあったでしょう。
 偶然にレコード屋で見つけたアルバムだったのですが、話題になったのはその頃だけで、お決まりの「誰、それ?」のあらしでした。映画「青春の蹉跌」の主題歌を歌っているとか、「僕たちの失敗」を出したとかは、うわさに聞いていたのですが、森田童子のものとしては、このアルバム一枚だけでした。そのうちに、「あの」テレビドラマです。曲は好きだったのでカラオケなんかでもよく歌ってしまうのですが、「あのドラマか」とちょっとみょうな眼で見られるのは残念でした。アルバムの名前「グッドバイ」が、太宰治の絶筆であったことを知ったのは、高校生になって間もなくのことでした。
  1. GOOD BYE グッドバイ   ポリドールレコード

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