結婚式の司会 その2
−出陣の前に−



たた美は式場のそばの美容院に予約をとりました。
60人弱の披露宴らしいけど、
司会をするのは初めてだし、素人ですから。
せめて髪くらいはきちんとというねらいです。
ついでにお化粧もしてもらうことにしました。
馬子にも衣装っていうし (T_T)

初めて訪れた美容院でしたが、
担当してくれたのはやたらとフレンドリーな美容師くんでした。
30代半ばって感じかな。

  美容師くん「今日は何かあるんですか?」

 たた美  「結婚式なんです」

 美容師くん「あー 結婚式ですかー。よく、司会者やるんですよ、ワタシ」


( ̄□ ̄;)なにっ!?

 たた美   「私、今日はじめて司会するんです」

 美容師くん「あ、そうなんですか? あれ、クセになりますよ〜〜」 ←かなり嬉しそうに

なるかよ〜そんなもん (-_-;)

それから美容師くん、司会について語りまくりました。

どうやら800人規模の披露宴もこなしてきたアマチュア司会者らしいです。
司会にはかなり慣れている様子。
「何度やったかわからないくらいやってきた」そうな。

 美容師くん「基本的には目立ちたがり屋なんですよね。
        スピーチなんて頼まれたら20分くらいやってますもん」

(参考: 標準的なスピーチは5分くらい)

(-_-;) しゃべらせるより
司会者やらしといた方がまだマシ
ってことなんじゃないの、それって?
(しかし、そうツッコミたいのをグッとこらえるたた美



 たた美   「困っちゃったなー みたいなこと、今までにありました?」


やっぱここは聞いとかないとなっ。

 美容師くん「あー ありましたよっ。
         ベロンベロンに酔っ払ったおじさんがマイク奪って
         『歌わせろ』って うるさかったのがありましたよ」


やはりチェックポイントは酔っ払ったオヤジかー。

 美容師くん「あとね、新婦のお父さんが
          結婚に反対していた、っていうケースがあったんですよ」


おーーー なるほどー みんなが賛成した結婚とは限らないもんねぇ。

話を聞いたところでは、このケースのお父さん、
しぶしぶ結婚を承諾したそうです。
みんなに説得されて、あきらめたんでしょうね。

 美容師くん「ところがねぇ、
        お酒が入ったらお父さん本音が出ちゃったんですよ。
        『この結婚を許した覚えはないっ!!』とか どなり始めちゃって」


(◎□◎;)ぐえ

 美容師くん「みんなになだめられてましたけどね。
         最後に、両親に花束贈呈ってやるじゃないですか。
         あの時、新婦のお父さん、
        新郎に殴りかかっちゃったんですよね」


ひぇぇぇぇ・・・
花嫁さん、気が気じゃなかっただろうなー。


 美容師くん「まわりが止めましたけどね。でも、自分は司会者ですから。
         『これも愛情表現ですよねぇ』とか何とか言って、
          その場をおさめましたよ」



司会って大変なのねぇ。

しかし、ここでっと楽になるたた美






・・・マシだ。





今日の結婚式がどんなものになったとしても、
それよりマシだ。

だって結婚に反対してる人は誰もいないみたいだし
たた美が司会やったら泣ける披露宴になりませんよー」
って念を押した時も新婦の母(依頼者)は
「誰も泣かないわよーーー」って言ってたもん。


よしっ! ←ちいさくガッツポーズ


実は「緊張しないタチ」だし、「あがらない」んだけど、
そのあと、たた美はさらにリラックス。

「史上最悪の披露宴」にならなければオッケーよ♪
そもそもたた美に司会なんて依頼するのが悪いんだしー
と開き直りました (-.-)

何かやっちゃったとしても
もうたた美の披露宴はとっくに終わっちゃってるんだし、
仕返しは怖くないもんねっ!(笑)

披露宴の司会なんてやったこともないくせに
何だか行けそうな気がしてくるたた美(笑)

そしてヘアカットとお化粧が終了。
お化粧は自分でやるよりずっと垢抜けたものになってます。
たまにはやってもらうっていうのもいいね。


お会計を済ませると

たた美は振り向きざま、見送りの美容師くんに言いました。









「主役、奪ってきます!!」(真顔で握りこぶし)


美容師くん、声あげて笑ってます。





よしっ!

ウケたっ!!



最初のつかみはバッチリだっっ!!











こんなとこでつかんでどーするよー (T_T) >自分  


式場までここからまだ歩いて5分



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  こんなにためになった美容院は生まれて初めてでした。
  ありがとう、美容師くん (笑)