地球を涼しく
   〜ある電話による実況中継〜


打ち水・・・

どこか懐かしい言葉「打ち水」。
その言葉を聞くとき、脳裏に浮かぶのは
古き良き日本の情景ではないでしょうか。

エアコンが発達し、いつしか忘れられていた「打ち水」。
最近、その打ち水がまた見直されているということです。

打ち水とは、一度使った水(風呂の残り湯など)を
真夏の太陽で熱せられた地面や道路にまくことですが
なんと打ち水をすることで
地球の温度が2℃下げられるのではないか、というのです。
その結果、最大4%程度の電力削減が期待できる、と。
これはすごい。
あなどれないぞ江戸の知恵。
ヒートアイランド現象に渇を入れるのは、なんと打ち水なのか?!

とあるNPO法人は「打ち水大作戦」なる運動をしているようです。
時間を決めて、大勢がいっせいに打ち水をして地球の温度を下げよう、
という企画です。
そのことで、ヒートアイランド現象を緩和しよう、地球の温暖化を防ごう、
という壮大なスケールの運動です。
すごいなぁ。

すでに東京、横浜などで実施され、たくさんの人が参加されたようですね。
素晴らしい。
私も是非参加してみたいです、打ち水。
日本から世界に広がっていくといいですね、打ち水。

そして、今年、あの愛知の万博会場でも、
この打ち水大作戦は企画されたようです。
なるほど。
地球の環境を考えるこの大作戦は万博にはピッタリの企画です。


その日、暑い夏の日の午後、お電話をくださったのは
この万博の関係者の方でした。

「万博会場でねぇ、みんなで打ち水をしようという企画があるんですよ」


はいはい、世界の人たちと打ち水をするわけですよねぇ。

「そうそう。いろーんな人種の人たちが浴衣を着て、ひしゃくを持って」


あぁ、風情ですねぇ。いいよね、世界の人たちが、浴衣を着て
日本の古き良き文化に触れる・・・
しかもそれが地球の温暖化に一役買う、というわけです。
「言葉なんかいらないさ」って感じ?

「でねぇ、みんなで浴衣着て、バケツ持ってひしゃく持って、今、
 ダーーーっと並びましてねー」


はいはい。

「さぁ、まさに今始まるぞ、って時に
大雨が降ってきたよ。はははははは!!!!!」





わはははは!!!

すっごい楽しそう(笑)


「みんなバケツ持って目がテンになってるよ。
 どうしたらいいんだかわからないっていう不思議な顔つきしとるよ。
 しかも雷。雷雨だよ雷雨!!!!!(高らかに大笑いしながら)」

まぁ、いつも楽しそうに笑う方ですけどね。
さらに五割り増し楽しそうでしたよこの時は。

「それだけー じゃー」


と電話は切れました。
わははは!!!
リアルで地球規模な実況中継ありがとうございました、親方。
周りにいた人たちに言いふらしてみんなで楽しみました。


そして数時間後
東京でも豪雨が降ってきました。
「この雨かー」
打ち水大作戦、参加しなくてよかったー(笑)