ある日。
掲示板にこんな書き込みをいただきました。

姉がホームページ上で猫をかぶり、全然やる気なしなんで
姉の大好きなたた美姉さんのとこで暴露することにしました!!


おーっ!

なるほど。
恐らく妹さんはお姉さんのネット上の姿を見て
もどかしく思っていたのでしょう。

私の自慢のお姉ちゃんは
もっともっとすごいハズよ


そんな思いが、フツフツと妹さんの心に湧き出てきたに違いありません。

姉の本当の素晴らしさをネットで開花させたい。
実力を発揮させてあげたい。

そんな、これは妹から姉への「愛」にほかなりません。

掲示板には1000文字しか書き込みできませんので、
妹さんの愛に応えてページを作ることにしました。

では、暴露していただきましょう。
妹 かえるちゃん から姉への愛です。
お姉さんって誰のこと? とか聞かないように(笑)





その1 ころがってきた100円玉  

その2 大雨が降ってきたら

その3 夏の日の美しい思い出  8月5日

その4 情熱のごっこ遊び  10月1日

その5 愛の特訓 − 運動会のために −  10月12日






その1  ころがってきた100円玉       : かえる
  

私が小学校1年生の頃だったと思います。
家族旅行へ行ったとき、
4つ上の姉と200円づつ握り締め
ホテル内のゲーセンへ行ったときのこと。

当時流行っていたインベーダーゲームがやれると
おおハシャギして始めたものの
当然ど下手な私たちは10分ももたず、所持金0円
部屋に戻ってもやることないし、お金はないし・・・
ぶらぶらとゲーム機の周りを歩いていると
コロコロコロ・・・

なんと大好きな100円玉が!!

姉がすかさずふんずけて転がる100円玉を止めた。
おみごと!!さすがお姉ちゃん!!
血湧き肉踊る姉妹。
もう一度インベーダーができんじゃん!!
そこへ私たちの足元をキョロキョロ見ながら
近づいてくる男の人が・・・

姉に向かっておじさんが
「お嬢ちゃんこっちに100円転がって来なかった?」
がっくり肩を落とし姉を見上げると
え、え〜????
明後日の方を見ながら吹けもしない口笛吹いてる感じ?
しらんぷりを決め込んだ。
100円玉を足の下に隠してるのバレバレだと思うんだけど・・・
おじさんがもう一度同じ事を姉に聞いたがやっぱり知らん振り。
諦めたおじさんが行ってしまうと

「ラッキー!!」


お姉ちゃん私はおじさんに怒られるかとドキドキしたよ




黙っていた かえるちゃん あなたも立派です。
お姉ちゃんにトコトンついて行く素直な妹でしたね。
このお姉ちゃんに連れられて遊ぶことは
毎回スリルに満ち満ちた冒険のようなものだったことと思います。
わはは♪
おもしろーい♪♪   たた美



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


その2 大雨が降ってきたら       : かえる


私がまだ小学校に入学するかしないかの頃の話

姉と近所の公園で遊んで帰るとき突然雨が降ってきた。
とりあえず近くの自転車置き場の屋根の下へ
緊急避難したんだけど
そこから先へ進めない。

(どうしよう、遅くなるとお母さんに叱られるし・・・)

私が心配してると姉が

「カエル、今だ!行くよ!」

(え?だって濡れちゃうじゃん?今って?)
姉がドシャ降りの中走り出したので
姉の後について行こうとした
その時に私は信じられない光景を見た!!
な、なんと姉は

見知らぬおばさんの傘の中にこっそり後ろから
頭だけつっこんで歩いてる!?


おぉぉぉ!!すごすぎる!!

まんまと姉は
次の雨宿りポイントの自転車置き場までたどり着いて
ニンマリ得意顔(―∧―)

目で私にもやれと合図してる。
(えぇ〜、いいの?そんなことしていいの?)
しかし背に腹は代えられぬ。やるしかない。
覚悟を決めて私もやりましたよ、買い物帰りの
見知りらぬおばさんの傘の中へこっそり入り
姉の待つポイントまで。

「ね!!」
たどり着くと姉は嬉しそうに微笑んでいる。
(はぁ〜、ドキドキした。)
しかしまだ家まで数10メートル。
次のおばさんの傘には一緒にこっそり入りました。

でもね、無理じゃん。
一人用の傘にいくら子供とはいえ
3人は無理じゃん。
1回成功してかなりずうずうしくなっていた姉は
濡れないようグイグイ入っていく。
当然おばさんに気づかれ
「あらあら傘無いの?」
(あちゃぁ、ばれちゃった。おばさんに謝らなくちゃ)
しかし姉はおもむろに私の手をつかむとそ知らぬ顔で雨の中へ
走り出し次のポイントへ。
いやいや、もうばれてるんだから傘の中に入ってませんなんて
演技しなくても・・・。
その後も懲りずに
見知らぬおばさんの傘の中に入りながら帰りました。

私の自慢の姉の話でした(^O^)



くくく・・・
これは自慢していいよねー(笑)

普通こういう場合って子供はどうするんでしょうね。
ズブ濡れで帰るんですかね。

帰るんでしょうねぇ。
「妹を守らなくちゃ」
っていうような意気込みも感じたりしますね。
                  たた美



* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

その3 夏の日の美しい思い出       : かえる



またまた私が小学校に入学するかしないかの頃
(なんでこの頃ネタが多いかというとこれ以前は私の記憶が無いことと
その後は4つ離れてるので彼女が中学に入学する頃には
接点がなくなってしまったからなのだ)

家族でプールに遊びに行きました。

私はみなしごハッチの(なつかしぃ)浮き輪で
プカプカ優雅に水に浮かび流れるプールで泳いでいたのです。

すると急に誰かに足を引っ張られ水中へゴボゴボゴボッッッ

あわてて水中から顔を出そうともがいていると
私にさしのべられる手が・・・あぁこれで助かる。

必死にさしのべられた手にしがみつくとそこには
優しく微笑むあねの顔が。
安心して姉に抱きつき生きていると実感した。姉は命の恩人だ。
お姉ちゃん大好き。
そしてまたみなしごハッチの浮き輪でプカプカ・・・ん?
まただ、また私の足を引っ張るやつが!!

ゴボゴボゴボッッッ

おぼれながらも水中で犯人の顔を見てしまった。
それはまさかの、いや、やっぱりやつだった。
それはまぎれもなく私の姉だった。
それでもおぼれていた私は不覚にも
犯人の姉の手にしがみついてしまったのだ。

それからはプカプカ優雅な気分にひたってる場合じゃない。
生きるか死ぬかのサバイバルだ。
プカプカ浮かびながらキョロキョロ姉の姿を探す。
いない。
よし、やつはいないぞ!!やっと安心して
プカプ・・・ゴボゴボゴボッッッ

なんんでぇぇぇええええぇえぇええ!!
いなかったじゃん、近くにあんたいなかったじゃん!!

そう、姉は私の足をこっそり引っ張るために
小学校のプールで潜水の特訓をしたのだ!!
私は姉と一緒のときは心から楽しんでプールに入ったことはない。

大人になってから
なんで私の足を引っ張って溺れさせようとしたか聞くと、
小さくてプニプニのかわいいおててでしがみついてくる感触
がたまらなかったそうです。
私のおててが大きくなりプニプニじゃなくなってからは
もちろんターゲットは姉の7つ下の弟です。
弟も私も姉に殺されないよう必死で泳ぎを覚えました。

つうか、トラウマで水嫌いにならなくてホント良かったよ。



くくく・・・
おほほほほ♪

わかるっ!

これはわかるよ。
かわいいんだよ、プニプニのおててでしがみつかれるっていうのは。
温かいしねー♪


なんて言ってる場合じゃないね。
よい子はマネしないでね♪

                  たた美





* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


その4 情熱のごっこ遊び       : かえる




子供の頃ってごっこ遊び大好きだよね

私たち姉妹も大好きで
お姫様ごっこや探検隊ごっことか色々やりました。
中でも一番好きだったのがキャンディキャンディごっこで、
おてんばだった姉にはぴったりのキャラクターだった。

私は家の柱によじ登った姉に
「キャンディ危ないわ!!」
って下から叫ぶアニーになったり
キャンディに意地悪するイライザになったり
アンソニー役もやったっけ。

キャンディはホント大好きで楽しくて楽しくて
いつもキャンディごっこばかりしてたんだけど・・・

気付いちゃった。
キャンディ役はいつもお姉ちゃんだって。

私だってキャンディやりたいじゃん。
柱にだってよじ登れるしお姉ちゃんみたいにタンスにも登れる。
勇気を出して言ってみた。

「私もキャンディやりたいよ。
キャンディじゃなかったらもうキャンディごっこやらない」


姉は凄くムッとした顔で

「いいよ、じゃぁキャンディやりなよ。
 そのかわり一回でもセリフ間違えたら交代ね」

えっ??セリフ間違えたらって?


姉は一冊単行本を持ってくるとシリアスな話のページを開き、

「ここからね」

長くて難しいセリフばっかりだった・・・

がんばりましたよ。
やっと憧れのキャンディ役だしね。
怒ってる姉の顔見ないようにビクビクしながら。

でもさ、無理じゃん。小学1年の女の子には無理じゃん。
長いセリフ覚えらんないし、間違えないで言うなんて無理じゃん。

私は木登りしてるとことか、
アンソニーと踊ったりしてるとこがやりたいのに。

姉は鬼の形相で単行本を見ながら私が間違えるのを待っていて間違えたとたん

「はい、おしまい。」

あっけなくわたしのキャンディは終了した。

ず、ずるい!!
いつもは単行本なんか見ないで
好き勝手にキャンディやってるじゃん!!


言えませんでした。
得意顔でキャンディになってる姉には
文句なんて言えませんでした。

そして私はまた
「キャンディ危ないわ」
のセリフを連呼するのだった。



おまけの話

あれから数十年、
姉の上の子が下の子に同じ事を言っては意地悪してるらしい。

血は争えませんなぁ・・・







 はい。
 私は「姉」ですから、よくわかりますね。
(弟がひとり)
 「お姉ちゃんはいいとこ取って当たり前」
 なんですねー

 でも。
 ただ「やらせてあげない」っていうんじゃなくて
 ちゃんと条件つきでやらせてあげるあたり
 うまいなー(笑)
                  たた美
                  


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *


その5 愛の特訓 − 運動会のために −  : かえる

体育の日目前ですが運動会は終わりましたか?

運動会といえば徒競走ですが
私が姉に早く走れるようになる
すばらしい特訓をしてもらっていたので 
その方法をお教えしましょう。

まず、自分より足が速く体の大きい人
協力してもらえるようお願いしましょう。

そしてその協力者に最初に約束してもらってください。

「なにがあっても走りを止めないこと」

約束してもらったら後は簡単です。

協力者と手をつなぎひたすら走る!
走る!!走る!!!

当然転びます。
なにせ協力者はあなたより足が速いから
ついていけず転びます。

しかし最初の約束で協力者は走るのをやめてはいけません。

あなたがどんなに
「痛い!」と叫ぼうが

「止まってぇ!!」と懇願しようが

「もうやめてぇ!!」

と泣き喚こうが止まりません。

あなたを引きずりまわしながら走り続けます。

ひざが砂利でジャキジャキになっても走り続けてもらいます。

痛いのは嫌ですか?
痛いのが嫌なら協力者より早く走ればいいのです。

ほら、ね、早く走れそうでしょ?

結果ですか?



私はいまだにひざに傷が汚く残り
ミニスカートがはけません




* * * * * * * * * * * * * *

大人になってから聞いたんだけど、
姉は早生まれで足が遅く徒競走でいつもびりだったから
スタート前吐きそうなほど緊張したんだって。

かわいい妹に同じ思いをさせたくなくて
彼女なりに必死だったんだってさ。

深い愛情からだったんだねぇ。













ありがた迷惑だけど・・・






 愛のムチ・・・
 今思い浮かんで来るもの・・・
 それは・・・
 
 大リーグボール養成ギブス・・・
 
 一緒ね?
 姉の愛は海よりも深く、山よりも高いのだわ。
 
 
 中学の時の担任の先生は
 「右足と左足を交互にすごいスピードで
  出していけば必ず速く走れるぞ」
 って言ってたけどねー
 そう言われてもねぇ。

 駿足になりたい方!
 自分より大きくて足の速い人を探 ・・・

   ・・・フェイドアウト      たた美
                  



















そもそも子供の話って大好きですけども。
楽しませていただきましたぁ。
これはもう一種の
才能
と呼ばせていただきたいと思います。
賢い子でしたね、かえるちゃんのお姉さまは。
やってくれちゃってます。
とっさに色々と思いつくんだからたいしたものです。

「このお姉ちゃんについていれば間違いない」
ずっとずっと、そんな自慢のお姉さんなのでしょう。

いつもの勢いでネット上でもバリバリやっちゃってくれ

という
妹さんの熱い思いが確かに伝わってまいります。




実はこの かえるちゃん の書き込み、
こんな言葉も添えられていました。

最初は子供時代ネタにします。        


おほほ♪ ←大喜び

まだ最初らしいです(笑)    たた美