木乃伊の安置所…
 なにやら怪しげなタイトルですが、なんてことはない、ただの
標本のコーナーです。
 活虫を飼っていると、死んだ時が結構もったいなく感じますよね。それで、そのまま捨ててしまうのはかなりもったいない。なんせ、ちゃんと処理をすれば半永久(?)的に残せるのですから。まして、チョコエッグやリアル・インセクトのシリーズなんか目じゃない位にリアル(笑)。
 そんなわけで、私もいつのまにか標本を製作するようになったのでした!
 標本はきちんと処理して、形を整え(展足・展翅)ラベルをつければ立派な標本が出来上がり、また、レイアウト次第では立派な工芸品ともいえる位です。
 昔、子供の頃に作った標本とは一味違う本格的な標本作りへ是非チャレンジしてみてください!。

         ☆以下の標本画像は、飼育して死亡したものや標本用として購入したものです。


 モーレンカンプ・オウゴン・オニクワガタ(マレー産Wild・飼育個体 74o)

 いわゆるA・モセリとして、販売さているもの。もう一種類のローゼンベルグの方が大きくなるが、同サイズだとこちらの方が若干高価。オウゴン-は昔から様々な本で紹介されておりかなり有名なクワガタムシ、
 ゲームの中ですら登場している程です。
 湿度が高い状態だと黒っぽい色をしているが、一旦マットから取り出して外気にさらすと、みるみる黄金色に輝きだすという不思議なクワガタです。飼育自体は湿度に気をつければ割合に簡単。但し累代飼育はかなり難しく、産卵木の選定や、幼虫の餌が合わないと採れない、育たない、大きい個体が作出出来ない…等ブリーダー泣かせのクワガタです。昨年挑戦してみたところ、幼虫を採るところまではいったのですが、3令までに全て死亡というさんさんたる結果に終わってしまいました…。
 現在のところ太目の霊芝材とダダップマットを使用すると良いそうなのですが、結果を見てから再度挑戦したいと思います。

 カンター・ミヤマクワガタ(インド・ダージリン産Wild・飼育個体 79o)

 幅が広くがっしりとした、迫力満点のミヤマクワガタ。
 (名前のカンターとは聖歌隊長をあらわすそうです。)
 85o以上になる大型のミヤマクワガタ属の一種で、累代は非常に難しいそうです。今期のブリードは失敗に終わってしまいました。どうやらかなり低音飼育で飼育しないと厳しいみたいで、22℃位では1週間くらいで★になってしまいました(20℃以下くらいのほうがいいみたいです。でももともとミヤマ類は寿命が短いので早くに産卵に持っていかなくてはいけない)。また、♀を如何に越冬させて、遅くに羽化する♂と交配させるか、というのもネックになってくるみたいで、難易度の高さからやや敬遠される向きもあります。
 ただ簡単な種類の飼育に飽きた方は、チャレンジしがいのあるクワガタともいえるでしょう。

 コーカサス・オオカブト(マレー産Wild・飼育個体 110o) 

 三本の角を持つカブトムシ、その中で最大の種類になるのがこのコーカサスです。画像の産地はマレー産で普通サイズですが、スマトラ島産のものは130o以上にもなる巨大サイズだそうです。アトラスとの違いは大きさや真ん中の角の中央にある突起の有無で区別が付きます。
 羽化したてだと、グリーンの光沢がいっそう際立って存在感のある種類です。コーカサスの飼育は餌切れと高温に注意すれば結構長生きしますが、卵〜幼虫にする場合は自然に孵化するまで待っておくことと、長角を作出するのが難しいという問題があります。そういった問題をクリアして、現在飼育中の終令幼虫を、なんとか長角の成虫に羽化させたいものです。

 ヘラクレス・オオカブト(リッキー)(コロンビア産Wild・飼育個体 132o) 

世界最長の甲虫としてあまりにも有名。
 南米のカブトムシは、ギリシャ神話神々の名前が付けられているが、確かにその名前に相応しい堂々たる威厳を備えている。
 この画像のリッキーは、ヘラクレスの亜種の中で最もポピュラーな種で、累代飼育も簡単である。他の亜種にオキシデンタリス・エクアトリアヌス・セプテントリオナリスetc.…がありますが、なんと行っても一番人気は、原亜種である「ヘラクレス・ヘラクレス」でしょう。最も大きくなる種類で、個体数は少なく、上角の基部が太いことで有名なのですが、それ故に他の亜種よりも高価で、累代個体でも高値で取引されているようです。
 うまく飼育すれば150o以上のものでも作出可能とのことで、大型個体を羽化させればかなり満足度の高い種類といえるでしょう。但し、累代飼育をしていく上では大型の♂個体狙った場合、♀との羽化時期がずれるのは仕方がなく、その為にメスの確保をどうするかを考えて飼育していかなければならないと思います。

 アクタエオン・ゾウカブト(コロンビア産Wild・飼育個体 112o) 

 

 ヘラクレスが長さの頂点なら、このゾウカブトの仲間は重量のチャンピオンクラスでしょう。横幅も体高もボリーュムたっぷりで、貫禄があります。産卵〜幼虫も普通に出来ますが、何せ他のオオカブトより時間がかかりすぎる為、気の長い人向きかもしれません(あまりF1個体の販売はみかけませんし)
 また、ヘラクレスの項でも述べたように♂♀の時期を合わせるのが困難。産卵時期をずらした個体を飼育しなければいけないのかも…
 多少他のカブトに比べれば地味ですが、巨大なボディが好きな方にはお勧めでしょう。



 ゴライアス・オオツノハナムグリ(ゴリアテス)(カメルーン産Wild・標本個体 95o)

 子供向けの昆虫図鑑にも必ず掲載されている、世界最大のハナムグリの仲間。体全体にビロードのような細かい毛が密生しており、近くで見ると結構綺麗なムシです。この種類は、種類によって模様や配色が異なり、コレクション性の高いムシではないでしょうか? 
 以下に亜種を紹介していますが、左上から「カシクス」「オリエンタリス・プレイシー」「オリエンタリス」となっています。
 他にはアトラス、コルベイ、アルバトス等がありますが、珍しいのは全身が白色のクワドリ・マクラトスや雌雄同型といったところでしょうか。
 飼育はしたことはないのですが、.累代では100oを越えるようなサイズは難しいようです(飼育下では小型が多いようです)。

  
  
       カシクス           オリエンタリス・プレイシー        オリエンタリス 

 エレファス・ホソキバクワガタ(スマトラ産Wild・標本個体 93o)

 



 キクロマトス属の中でも最大種のこのクワガタは、100oを越えるサイズになり、また、体色の鮮やかさもあって、キクロマトスの中でも一番人気のクワガタでしょう。ですが、飼育は難しい種類のため累代飼育命の方にはやや敬遠されている向きがあります。早くこの種の巨大サイズの作出方法が明らかになれば、一躍人気の出る種類ではないかと思われます。







 ラミニフェル・ミヤマクワガタ(ミャンマー産Wild・標本個体 76o)

 






 ミヤマクワガタ属の中の一種。独特の頭盾と、ミヤマらしかぬ大顎の形が特徴。










 スペクタビリス・ツヤクワガタ(スマトラ島産Wild・標本個体 70o)

 


 ツヤクワガタの仲間で、上羽のオレンジ色が鮮やかな種類。現在ツヤクワガタはそんなに人気のある種類ではないようですが、体色の鮮やかなのと顎の内歯の形状の多様さは色々見るとおもしろいかもしれません。それにアルケスやインターメディアはかなり大きくなる種類なので、飼育も面白いのでは?
 因みに私のところにもインターメディアの終令幼虫がいますが、はっきりいってかなり巨大で異様な感じさえ覚えるほどです。







 エレファス・ゾウカブト(コロンビア産Wild・標本個体 100o)

 





 ゾウカブトの代表格。
 全体のフォルムや体色等の雰囲気は、まさに「象」を彷彿とさせるイメージで、最大体重も成虫で50gを超えるサイズになるようです。









 オオキバ・ウスバカミキリ(ブラジル産Wild・標本個体 130o)

 
 タイタン・オオウスバカミキリと並ぶ最大級のカミキリムシ。
 最初に見た時は、カミキリムシとは思えないフォルムに目を奪われ、インディオの民族衣装のモチーフとなったといわれるその上羽の美しさには、あらためて昆虫の多様さに驚かされた次第です。この種類も最大で160o位になるようで、はっきりいって、これを累代飼育すると…(しかし、カミキリの幼虫は慣れていないと、ちょっと不気味かも…)
 まだ、飼育はクワガタやカブトが中心の現在では、ややアウトサイダー的な存在かもしれません。でも、よくよく考えれば、そもそも輸入許可が下りていないし、害虫となりうるカミキリ類は今後も難しいと思われますが、実際はどうなんでしょうか?


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