VOLLEY BALL


中学校のバレーボール

1.中学校バレーボールにおける男子と女子の違い

 私は中学・高校と6年間男子バレー部に所属していました。教員になってはじめて女子バレーボール部を指導して、まず男子と女子の違いを実感しました。同じバレーボールでも、男子部か女子部かによって指導の方法が違ってきます。

 まず、男子は先輩やコーチの上手なプレーを見て自分に取り入れようとする力が、女子より優れていると思います。たとえば、休憩時間などに教えていないにもかかわらず、下級生が見よう見まねでAクイックを習得してしまうことがあります。こういうことは女子にはほとんど見られません。ですから、男子チームの指導では、正確なプレーを見せることと、的確なアドバイスによって、どんどん吸収していきます。

 ところが、女子は見たものを自分の体で表現できない選手が男子に比べて多い。そのため、一つ一つの技術を習得するまでに非常に時間がかかります。また、活動時間中は監督やコーチがしっかりついてボール出しを行ったりしないと、選手だけでは練習がうまくいきません。選手だけで練習させたいときは、選手だけで練習が出来るように時間をかけて教える必要があります。何をするにも男子に比べて時間がかかると私は思います。とても時間がかかるが、でも少しずつ成長していく過程が面白く、女子の指導にハマってしまった指導者も多いようです。

 ただ、最近では男子も外遊びの経験が減少しているのか、キャッチボールから教えないと出来ない1年生もいるようですし、技術の習得に時間がかかる選手が多くなってきているようです。また、女子でもスイミングスクールなどでスポーツの経験がある選手は、比較的身のこなしが良く技術の習得が早いです。

 もうひとつ、男子と女子の違いをあげると、男子バレー部のチーム数が非常に少なくなってきていることです。女子も減ってはきていますが、まだ多くの学校にチームがあります。バレーボールに携わるものとして、悲しい事実です。チーム数がこれ以上減少すれば、ますます日本のバレーボールの質が下がってしまいます。これを読んで、一人でもバレーボールの指導者・選手が増えてくれればと思っています。

2.はじめてバレーボールに触れる子どもたちに何を教えるか