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飛騨高山・氷点下の森

2001年2月11日

昨年の氷点下の森は,期待に違わず幻想的な世界を堪能させてくれた.また思いもかけず,ちょうど氷祭りの日であったため, 雪中での花火大会という得難い体験もした.それが忘れられず,今年もまた行ってみることにした. 昨年は途中の道路が凍結していて,かなり怖い目にあったため,今年は天気予報をみて,凍結の危険性の少ないことを確認しておいた.
さて,いよいよ朝10時半に大津を出発.今日は春のような陽気で,運転していると汗ばむほど. 関ヶ原付近でも雪は見られない.それでも東海北陸自動車道の美並インターを過ぎると,周囲は雪化粧をし始める. 郡上八幡を過ぎると雪がちらつき始め,白鳥インターより北では路肩に雪がうずたかく積もっている. それでも路面は濡れているだけで凍る気配はない.ときどき「逃げ水」が見られたのは,陽が差していることもあるが, 全面的にロードヒーティングが行われているためではないかと思われた.とにかく高速道路の区間は安心して走れた. 終点の飛騨清見インターであるが,東海北陸自動車道の通し番号がふられていない.荘川インターまでは番号がついているのに. これは飛騨清見インターそのものは中部縦貫道路(工事中)のインターチェンジであり,東海北陸自動車道には「飛騨清見ジャンクション」 しかないためではないだろうか.つまり,岐阜方面から走ってきた車は,東海北陸道からいったん中部縦貫道に入り, そこの飛騨清見インターから一般道路に降りる,という扱いになっているのだろう. これは名神と北陸道の米原インターとの関係と同じ,と考えられる.ともかく,昨年秋に東海北陸自動車道が飛騨清見まで延伸され, その前の冬に荘川〜飛騨清見間の松の木峠を越えるのにたいへん苦労させられたことを考えると,まったく隔世の感がある.

 さて,飛騨清見インターを降りてすぐのところで,日本一のかまくら祭りをやっていた. かまくらはまだ体験したことがないので興味はあったが,先を急ぐので今回はパス. 昨年,完全な凍結路で難儀した国道158号も今年は凍る気配なし.イージーなドライブで高山に到着.途中,道の駅で土産物を買う. ライトの消し忘れをしていて焦ったが,幸い,エンジンは一発で始動.さすが75D23Lに容量アップしてあるだけのことはある. また高山市に入ったところで,国道158号の平湯・松本方面は国道41号まで出ずに県道73号で高山市中心部を迂回して通るように, という新しい案内標識ができていた.3年ほど前にこの県道73号を通ったときはまだ拡幅工事中で対向困難な場所があったが, どうやら標識ができたところをみると,拡幅工事がほぼ完成したということなのだろう.我々は高山市内へ向かって走る.

 市内に入ると駐車場に車を駐めて,「古い町並み」を散策する.町自体は昨年も訪れているので特に目新しいことはない. 雪の高山を期待していたのだが,屋根に少し(といっても50cmくらいは積もっていそうだったが)雪が残っている程度で, 道路には雪がなかった.ちょっと残念.それでも飛騨牛の串焼きはおいしかった(なんのこっちゃ). 町の中には,先週まで行われていた「氷の彫刻祭り」の受賞作品がいくつかまだ置いてあったので,写真を撮っておく.

 高山の見物が終わったので,次の目的地である小坂町の下島温泉に向かう.国道41号の南行きはかなり渋滞している. 信号が少ないので進むときは時速60kmくらいでしばらく動くのだが,止まるとなかなか動かない. 渋滞の中,ぼんやり前を見ていると,向こうから黄色い回転灯を点けた車が走ってくるのが見えた.除雪車かなと思っていると, その車は後ろから何やらばらまきながら走ってくる.で,その車が横を通り過ぎると,「パラパラパラ・・・」 とボディーに粒が当たる音がした.そうか,融雪剤ってこうやってまくんだなぁ,ということがわかったのはうれしかったのだが, 自分の車にそれがいっぱい当たるのはあんまりうれしくない. 渋滞を抜けるのに時間がかかりそうだったので,途中の道の駅でトイレがてら休憩し,100%リンゴジュースを買う. そこからもうしばらく渋滞の中を走り,小坂町で濁河温泉方面に分かれる. 国道から分かれると,あとはスムースに目的地であった「ひめしゃがの湯」に到着. 温泉の駐車場はスキー客などでかなり混雑していて,いものこを洗うようだったらどうしようかと思ったが, 温泉内は洗い場が相対的に不足気味だった以外はわりあいゆったりしていて,湯も汚れている様子はなかったので安心した. 露天風呂では,湯の熱さと外気の冷たさがちょうどいい感じで,なかなかよかった.まわりの景色も見えたが, 山には意外と雪がなくて,これが真っ白だったらもっとよかったのになぁ,と思った.

 温泉からあがると,次は朝日村の「氷点下の森」を目指す.国道41号を久々野町に向かって走ったが, こちらの車線はすいすいと流れるのだが,すでに真っ暗になっているところに渋滞した対向車線の車のライトがまぶしく, ちょっと目が疲れる.久々野町からは県道に分かれ,国道361号に合流して朝日町へ. 見た目はふつうの道路だったが,気温はもちろん氷点下.時速50km程度で走っても特にあやしい挙動はないが,細心の注意をしながら運転. 朝日町に入ると,去年は道に沿って氷のランプが出迎えてくれたものだが,今年は物体はあるものの火はついていない. やっぱり今日は祭りじゃないのかと思って走っていると,「Welcome 2001」という氷でできた立体文字のある広場に到着. 去年は単なる広場にテントが張ってあっただけなのだが,今年はなんと「道の駅」になっていた. さっそく土産物をあさる.ここでは合掌造りの建物の形をしたせんべいを買った. なお車から降りてみると,足下はツルツルに凍っていた.というわけで慎重に運転して氷点下の森へ向かう. 国道361号から秋神温泉方向へ曲がると,道は轍の部分だけアスファルトが出ていて,あとは凍っているような路面. タイヤが溝にはまりながら走るかっこうになって,車がガタガタと揺らされる.くるみ温泉を越えると完全な凍結路面. それでも最近のスタッドレスタイヤは,それをものともせず登っていけた. ただし上り坂では止まってしまうと動けなくなる可能性があるので,対向時にも止まらずにすむように注意し, また速度ができるだけ一定になるように走った.くるみ温泉からほんの少し走ると,前方の森の一部が赤や紫に光っており, そこが氷点下の森であることがわかった.ここからは歩いていく.今日は祭りではないので,露店もほとんどない. 飛騨牛の串焼きだけ売っていたが,今回はパス.その向こうにかまくらを発見!入ってみると,風がさえぎられるため意外と暖かく感じる. このかまくらは人間が一人はいるのがやっとという小さいものだったが,そのうちもっと大きくて, 中で火を炊いて何か食べれるようなものに入ってみたい.このときの温度計は -5℃.顔面が凍りつくような感覚になってくる. 歩いていると晴れているようなのだが,ライトで照らされた空間には細かい雪が光り,実際には雪が降っていることがわかる.

 だいたい見終わると,あとは家に帰るだけである.来た道を戻って国道41号に出て,そこから名古屋方向に南下する. すでに夜9時ということもあって渋滞はほぼ解消されており,平均して時速60km程度で流れている. ただ下呂から金山までの中山七里では渋滞が残っており,この区間だけかなり時間がかかった.金山を過ぎると渋滞もなくなり, スムースに美濃加茂まで到着.夕食を食べていないので,どこか食べるところを探して国道41号を名古屋方向へ走行. ところがその途中で不思議なものを発見した.空中に紐のような光の列が浮かんでいるのだ.走っているとだんだん見え方が変わるので, 距離はかなり近いことがわかったが,それが何なのかよくわからない.かなり近づくと,周囲に鉄塔のようなものが見えてきて, やっとそれはゴルフ練習場のネットに沿って電飾してあるものだということがわかった.それはさておき, なかなか食べるところが見つからない.結局,名古屋市内を通って国道22号沿いのロイヤルホストに入った.ここのシーザーサラダは, いつも食べている大津のロイヤルホストのシーザーサラダと比べて,チーズがたくさん入っており,味が濃い目であった. 同乗者曰く,こっちの濃い方が好みだとのこと.ロイヤルホストも場所によって味が違うのね.

 あとは一宮インターから名神高速をひた走り,大津に到着.時刻はAM2:30.結局,朝,家を出てから16時間, 総走行距離は約640km(うち高速道路が約352km)だった.
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