フォト・ギャラリー
かみきりむしの季節
フサヒゲルリカミキリの生活史
地面に近い根元を頭を下にして囓り、尾の先が入るくらいの穴を開けます。そして今度は向きを変えて、尾部を差し込んで一、二枚奥の葉の表皮下に卵を挿入します。
表の葉を剥いで卵が見えるようにしたものです。4ミリ弱程の細長い卵が幾つか産み込まれています。
幼虫は葉が重なった根元近くを食い荒らします。その葉をめくってみると幼虫の様子が分かります。写真はまだまだ小さい幼虫です。頭部が黒いのが特長です。やがて根に向かって食い進みますが、根には入らず土の中に出て来ます。
9月頃にはもう終令幼虫になっています。土を掘ると、ころころ出てきます。このまま越冬します。
翌年の5月、土の中に蛹室を作って蛹になります。そして自然界では5月下旬頃から羽化脱出して地上に現れます。写真は羽化寸前のもので、腹部と上翅を除いてほぼ色は出揃っています。
(訂正・・・皮一枚になった根が出てくるので、根にも入るのではないかというご指摘がありました。掘り出したときに確かにそのような状態の根が出てくるので、根に入る時期があるようです。残念ながら今のところ、そのあたりが観察できていません。また、天然の株の大きなキスゲとは飼育の状況が違うので、自然界とはかなり様子が違っているようです。大きな株では、草本本体から外に出ないというご指摘もありました。飼育下の細いキスゲでは、幼虫は早い時期に土の中に出てくるので、外からまた根に潜り込むのかも知れません。また機会がもてればそのあたりの観察をしたいと思います)
(注) ・・・ フサヒゲルリカミキリを飼育するにあたって、食草のキスゲ類は環境を考える上で一切自然界のものは使用しておりません。ニッコウキスゲやその品種など、山野草店で苗はいくらでも手に入ります。もし飼育を望まれるのであれば、市販のものを使用するようにお願いします。