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かみきりむしの季節
ハイイロヤハズカミキリ
私の家の裏山天王山の裾では、桂川、宇治川、木津川が合流して淀の大河となります。この近辺では、どの川も自然の芦原がよく残されています。
以前に、知り合いからアシにはこのカミキリムシがいると聞かされて、何度となく芦原に出掛けました。このカミキリムシがメダケなどのタケ類にいるという記述はよく見掛けますが、アシにいるというのは見掛けないので意外でしたが、実際アシを見てみるとタケによく似ていて納得します。
ハイイロヤハズカミキリは、冬の前に食草の中で羽化して、そのままとどまって越冬するので、冬の間は越冬中の成虫が観察できます。
芦原をかき分けて入っていって、枯れているアシを探します。アシにも背が高くて太い種類と、背が低くて細い種類があるようで、太い種類の方を探します。手でポキポキとすぐ折れるくらいに枯れていれば入っている可能性があります。
枯れたアシを片っ端から折っていくと、粉状の木屑が飛び散るものがあります。このカミキリムシの幼虫は、節の間の空洞部分に内壁を囓った屑を詰め込みながら進んでいくようで、何節にも渡って屑が詰め込まれています。
粉の飛び散るものを見つけたら、そっとナイフで縦に割っていくと、木屑がとぎれる部屋があります。そこは、下に細い少し大きめの屑を敷いた蛹室で、成虫がじっとしています。側には羽化した後の抜け殻が残っています。
幼虫は上から下へ、つまり細い方から太い方へ食い進んでいるようです。上の方の木屑の詰まった節から割っていくと、下の方で成虫が見つかります。今までに見たところでは、1本のアシに複数入っていることはありませんでした。狭いながらも、幼虫はのびのびと暮らしているようです。