2006年6月25日
 大阪府三島郡島本町若山
クロイロコウガイビル
 
苔むした石垣の生き物を探していると、下の方から何やら黒くて長いものが這い上がって来ました。昔
アパートの庭でも見たことがあります。この頭が銀杏の葉のような形をした変な生き物はコウガイビル
です。どうやって歩いているのか、ナメクジのようにぴったり張り付くような歩き方ではありません。
いつでもぽろりと落ちそうです。ヒルと名前は付いていますが、ヒルのような環形動物よりはずっと体
のつくりは単純な扁形動物で、循環器系や呼吸器系もなくて、栄養や酸素の体内での運搬は拡散に頼っ
ているようです。体のつくりは単純でもなかなか獰猛で、カタツムリやナメクジ、昆虫でも補食するよ
うです。「笄(こうがい)」は髪をかき分けたりするのに使った道具ですが、コウガイビルのような形
をしたものがあるのかどうか、風流な命名ではありますが。