「産霊山秘録」のサワリ

   

「産霊山秘録」(むすびのやまひろく)は半村良(はんむらりょう)が

1972年にSFマガジンに連載した小説です。

   

この小説はヒの一族が出てくる小説であり、天外魔境を思いつくきっかけと

なった作品であろうことはまず間違いがない小説であろうことから

できれば読んでいただくのが最も良いと思うのですが、

時間のない方のために天外ファンとして気になる部分を紹介して、

妄想ネタのタネとして役立ててもらおうと思います。

   

では、この小説におけるヒの一族とは何かといえば、

芯の山という産霊山の中心に位置する人々の願いを叶える山を

探すために日本にやってきて、最初は日本を支配していたが、

その後、天皇家に統治をまかせて、自分達は有事の時には

天皇家を守る忍びとなりながら、いまだ発見できない芯の山を

探索しつづける一族、という立場であり、

三種の神器を使い、ひもろぎからひもろぎにワタリ(テレポート)

を行うことができたりする特殊な一族でもあります。

   

ヒの一族が俗世に介入しすぎた結果、起きるよくない現象を

ネと呼び、この小説の中ではヒの一族である明智光秀が

天皇家のために良かれと思って力を貸した織田信長が

天皇家になりかわろうとするネになってしまった、と描かれています。

   

この小説では他にも歴史上の有名人がヒの一族として登場しています。

天海・藤堂高虎・山内一豊・猿飛佐助・鼠小僧・近藤勇・土方歳三・

沖田総司・坂本竜馬

   

この名前を見るとREDの他のゲームにも天外を当てはめてみたく

なる方もいらっしゃるかもしれないですね。

   

そのほかの気になる記述といえば、ヨーロッパにおけるヒの一族で

あるエの一族の存在とか、芯の山は現在では大半が世界各国の

首都になっているとか、エチオピアではヒの一族と呼んでいるとか、

地球全体の芯の山は月にあるとか、という範囲的に広がりを

感じさせる記述。

   

それと、ワタリの時、目的地を頭に思い浮かべなかった結果、

未来へ飛んでしまったヒの一族が登場するのですが、

そういう時空的な広がりを感じさせる記述。

   

とりあえず、こんなところかな。

   

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