「のぞみの日記・夏休み」
第8回
お盆休みが終わって1週間が過ぎました。夏休みも後1週間で終わりです。今日は 日曜でパパはお休みだけどママはお店があるので早くから起きていました。 「ママ〜、おはよう」の〜のが降りていくと、ママもおはようと朝御飯の用意をし ています。 「パパはまだ寝てるん?」の〜のがお皿をテーブルに並べながら聞くと、ママは笑 いながら頷きました。ママがコーヒーを煎れている間にの〜のが起しに行きました。 「パパ〜、ご飯だよ〜」ドアを開けてお部屋に入ると、翔と一緒にベッドで遊んで いました。 「おはよう、希」パパは笑いながら翔をくすぐっています。翔はキャーキャー笑い ながら、お姉ちゃんおはようと言ってパパをくすぐっています。2人が面白そうだ ったので、の〜のもベッドに上がるとパパをくすぐって一緒に遊びました。
「よし、そろそろご飯にしようか」パパが言うと、翔は頷いてパパの手を引っ張っ ています。下に降りるとママとおばあちゃんが笑っていました。 「お兄ちゃん、2時頃でいい?」コーヒーを飲みながらママが聞くとパパが頷いて います。 「パパ〜、ママ〜、どっか行くん?」の〜のが聞くと翔も気になるのか、パンを食 べる手を止めてパパとママを見つめています。 「何処にも行かへんで。髪を切ってもらうんや」パパが笑いながら言うとママも笑 っています。翔は何処かへ連れて行ってもらえると思っていたのか、髪を切るだけ と聞いて少しがっかりした顔をしています。
8時半頃に香織姉ちゃんと奈央姉ちゃんが来ました。暫くするとアルバイトの慶子 姉ちゃんも来ました。ユニフォームに着替えてシャッターを開け、鏡を拭いて開店 準備を始めました。の〜のはお店の入り口に置いてある植木鉢のお花に水をやりま した。9時になってお店が開店すると直ぐにお客さんが来ました。の〜のはお勉強 をしようとお家に入ると、パパとおばあちゃんがまな板を持ってお話をしていまし た。翔はテレビで漫画を見ています。 「おばあちゃん、まな板がどうかしたん ?」の〜のが聞くと 「このまな板はよう使っているから真ん中がひっこんでるやん。切りにくいからち ょっと削って直すねん」パパがまな板を見せてくれると、まな板の真ん中辺りが少 しひっこんでいます。
「このまな板は檜といって良いもんやからな。表面を削ったらまだまだ使えるから 買い換えるのは勿体無いやん。倉庫に行って削ってくるわ」とパパが言いました。 「一緒に行っていい?」の〜のが笑って聞くとテレビを見ていた翔が、翔も一緒に 行く〜とみんなを見ています。 「希、勉強はどうするんや」パパが笑って言いました。 「帰ってからちゃんとするから」の〜のも笑って言うと3人で倉庫に行きました。 翔はマウンテンバイクに乗って嬉しそうです。の〜のもマウンテンバイクでパパは 普通の自転車です。倉庫に行ってシャッターを開けると車が止まっていました。運 転席のドアに大原工務店と書いてあります。 「パパ〜、この自動車はなに?」パパに聞くと、軽のワゴン車で仕事の道具を積ん でいるんだと言いました。
お盆前に中古で買ったそうです。中を覗くと色んな道具が入っています。パパがエ ンジン掛けて車を表に出し、倉庫の電気をつけて何やら機械を出してきました。 「危ないから離れてるんやで」パパが言っての〜のと翔は少し離れて見ていました。 パパが機械のスイッチを入れるとブーンと音がしてモーターが回っています。パパ がまな板を乗せてハンドルを回すとローラーが下がってきて、まな板と同じくらい の高さになりました。パパがまな板を押し込むと、シュルシュルっと音がして反対 側からまな板が出てきました。それを取ってまた押し込んでいます。 何回か繰り返すとまな板の表面がきれいになっています。裏側も同じように繰り返 しています。周りはおかかみたいな木屑が散っています。何度か繰り返して機械を 止めました。機械を奥の方に仕舞うと、机の引き出しからカンナという物を取り出 して角を削っています。
「ほら、出来たで」パパが呼んでまな板を見せてくれました。お家で見た時は真ん 中辺りがひっこんでいたけど、表も裏もまっ平になっていて、お店で売っているみ たいな新品になっていました。 「パパ〜、新品みた〜い」の〜のと翔がびっくりするとパパは笑っていました。木 屑を箒で掃いて掃除をすると、パパが色んな道具を見せてくれました。電気で動く ノコギリやカンナ、穴を開ける機械、手で引くノコギリは何種類かありました。ホ ゾを開ける機械というのも有りました。他にも木槌やノミ、金槌が何種類もありま す。他にも色んな機械や道具が沢山有りました。自動車を仕舞ってシャッターを閉 めると、パパが二階に上がってジュースを持って来てくれました。 東屋でジュースを飲んでいると、の〜のと言いながら繭子と菜々美が自転車で来ま した。ママと一緒にお家に行ったら、倉庫に行っていると聞いて来たそうです。
パパが繭子と菜々美にもジュースを持ってきました。ジュースを飲んだあと、翔と 菜々美はブランコに乗って遊んでいます。ここのブランコは古いタイヤをロープで ぶら下げているブランコです。菜々美が乗って翔が押すと、菜々美はキャーキャー 言いながら喜んでいます。 昼ごはんはママと繭子や繭ママ、菜々美も一緒にみんなで焼きそばを食べました。 ご飯の後、パパが物置から炭を出して熾しています。それを香炉に入れると、2階 から白い小さな石みたいな物が沢山入ったビニール袋を持ってきました。ママが嬉 しそうな顔をしています。 「パパ〜、それはな〜に?」の〜のが聞くと、パパは笑って香炉の炭の中に入れる と、香炉から煙みたいなものが出てきました。
「希、匂いを嗅いでみ」パパに言われて匂いを嗅ぐといい匂いがしました。こんな 匂いは初めてです。ママもおばあちゃんも繭ママも嗅いでいます。 「お兄ちゃん、ちょっとだけお店の方に焚いていい?」ママが嬉しそうに言うとパ パも笑っています。パパが新しい石みたいなものを入れるとまた煙が出てきました。 ママはそれを持ってロッカールームの方からお店に入っていきました。の〜のも後 をついて行くといい匂いが漂っています。お店に入るとテーブルの上に置き、香織 姉ちゃんや奈央姉ちゃん、慶子姉ちゃんも匂いを嗅いでいます。待っているお客さ んも嗅いでいました。
「いい匂いだね〜。これは何なん?」香織姉ちゃんがママに聞くと、ママが乳香だ と言いました。ず〜っと昔、パパとエジプトに行った時にパパが買ったんだと言い ました。何千年もの昔からエジプトではこの香料を使っていたそうです。こんな話 は始めて聞きました。パパとママがエジプトに行ったのはアルバムを見て知ってい たけど、こんないい匂いがするものは初めてです。ママも初めて焚いたと言ってい ました。煙は直ぐに消えたけど、お店の中はいい匂いが漂っています。 香織姉ちゃん、奈央姉ちゃん、アルバイトの慶子姉ちゃんが交代でお弁当を食べて いる時、の〜のは2階のお部屋でお勉強をしました。翔の机には繭子が座ってお勉 強をしています。 「翔、翔の机を貸してな」繭子が翔に言うと、翔は笑いながら頷いてパパに頼み、 リビングで菜々美と一緒にDVDのアニメを見ています。
「お兄さん、今ならいいですよ〜」下から奈央姉ちゃんの呼ぶ声が聞こえました。 の〜のと繭子も気になって降りてみました。パパはロッカールームの方からお店に 入りました。何だろうと思っての〜のと繭子は様子を見に行きました。パパがお店 の椅子に座るとアルバイトの慶子姉ちゃんがカットを始めました。ママや香織姉ち ゃん、奈央姉ちゃんほど早くないけど、ママが横にいていろいろ教えています。 パパは慶子姉ちゃんのカットモデルみたいです。そういえばアルバイトのお姉ちゃ ん達が来るようになってカットモデルを募集していました。昼間の慶子姉ちゃんと 夜に来る沙耶姉ちゃんに1人ずつ、1日に2人だけの募集です。タダではないけど、 ママや香織姉ちゃんが一緒に指導して、シャンプー付きで千円だから破格の料金だ そうです。慶子姉ちゃんも沙耶姉ちゃんも2年目で、10月の学生限定のコンテス トにも出るそうです。だから学生といっても新人の理容師と同じくらいの腕です。
ママや香織姉ちゃんに見てもらえて千円だから応募が多くて、2週間くらいは予約 でいっぱいだそうです。何時もは休みの日にママがカットしているけど、今日は予 約の人の都合が悪くなってキャンセルの電話があったそうで、代わりにパパがカッ トしてもらっています。暫く見ていて2階に上がると、翔と菜々美はテレビを点け たまま昼寝をしていました。の〜のと繭子は2人を見て笑いながらもう少しお勉強 をしました。 おばあちゃんがおやつだよ〜と呼びに来ました。の〜のと繭子はお勉強が終わって 部屋を出ると、翔と菜々美も起きていて一緒に降りました。繭ママとおばあちゃん が茹でたトウモロコシを大きなお皿に入れて持って来ました。 「わ〜っ、トウモロコシや〜」翔は嬉しそうに言って食べ始めました。パパもカッ トが終わり、香織姉ちゃんも一緒に休憩に来ると美味しそうにトウモロコシを食べ ています。の〜のも繭子や菜々美、みんなと一緒にトウモロコシを食べながら、夏 休みも後1週間で終わりだなぁと思い、楽しかった夏休みを思いかえしました。
完
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