のぞみの日記・4年生になって
春
2回
「パパ〜、祐子姉ちゃんのお店に行こうよ」の〜のが言うと翔も行こうとパパの手 を引っ張りました。 「昼ご飯はどうするんや」パパが笑いながら腕時計を見ました。の〜のも見ると1 時少し前になっていました。 「サンドイッチを食べよう」の〜のが笑うと翔もサンドイッチ〜と笑っています。 山用品のお店から15分くらい歩いて喫茶店に着きました。 「祐子姉ちゃん」喫茶店のドアを開けると翔がお姉ちゃんを呼びました。 「翔ちゃん、の〜の、お兄さん、いらっしゃい。有希ちゃんはお仕事じゃないんで すか?」祐子姉ちゃんがパパに聞きました。 「ママはお仕事だよ。今日はね、リュックや寝袋を買いに来たんだよ。夏休みに山 のキャンプに行くんだよ」翔が嬉しそうに言って大きな紙袋を見せました。
「キャンプ用品を買いに来たんか、良かったなぁ。翔ちゃんがいつもいい子で居る からやで」祐子姉ちゃんが笑いながら席に案内すると、サンドイッチとジュース、 パパはアイスコーヒーを頼みました。1時を過ぎているのでお店は少し空いていま す。 「翔ちゃん、学校は楽しいか?」祐子姉ちゃんが笑いながら翔に話し掛けると、翔 はサンドイッチを食べながら頷いています。祐子姉ちゃんやママ、藤岡サロンのマ スターやお姉ちゃん達からも入学祝いを貰ったので、先週の日曜日にみんなでお礼 に来ていました。その前の日曜日はパパがお仕事をしていた宝塚のお姉ちゃんのお 家にお礼に行き、パパとママがお礼を言うと翔も大きな声でお礼を言っていました。 サンドイッチを食べた後、2階の藤岡サロンに顔を出すとマスターやお姉ちゃん達 も喜んでくれました。
「翔ちゃん、かっこいいやん。家の中でゲームで遊ぶより登山やキャンプに行く方 がよっぽどいいで。良かったなぁ」翔が買ってもらったリュックを見せると、麻衣 姉ちゃんや美咲姉ちゃんが褒めてくれて、翔は嬉しそうな顔でパパを見ていました。 4時過ぎに帰ると、パパがリュックから芯みたいなものを取り出し、の〜のの背中 の形に合わせて少し曲げています。翔のリュックには芯みたいなのはありません。 その後リュックに寝袋やカッパ、マットやトレーナーなどを詰めて形を整え、翔と 一緒にリュックを背負ってみました。 「うん、よく似合ってるわ」パパがリュックのショルダーベルトやウエストベルト の調整の仕方を教えてくれると、おばあちゃんが褒めてくれました。 ママ〜、6時過ぎにママが来ると翔が嬉しそうにリュックを見せ、の〜のと一緒に 背負って見せました。 「いや〜、かっこいいやん。良かったなぁ」ママが褒めると、翔は嬉しそうな顔で パパやおばあちゃんを見ました。
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「翔、しんどないか」ロックガーデンを過ぎた辺りでパパが声を掛けると、翔は大 丈夫だよ、と言いながら歩いています。高座の滝、風吹き岩の所で休憩して東おた ふく山に着いたのは11時くらいでした。最後の登りの所では少し疲れたけど、東 おたふく山はなだらかな草原みたいで何度来ても気持ちがいいです。 「この辺でいいやろ」パパがリュックを下ろしてシートを広げると、みんなもリュ ックを降ろしてご飯の用意を始めました。回りも大勢の人たちがお弁当を食べてい ます。 「翔、初めて大きなリュックやったからしんどかったやろ」繭ママが聞くと翔は汗 を拭きながら笑っています。今までは小さなデイパックか幼稚園で使っていたリュ ックだったので今日はしんどかったと思います。
おにぎりを食べた後でパパがタッパウェアに入ったイチゴを出しました。昨日から 冷蔵庫で凍らせていたそうで、完全に溶けていなくて少しベチャッとしていたけど、 中の方がシャーベットのようで冷たくて美味しかったです。 「お兄ちゃん、立山のキャンプに連れて行ってや」繭ママがパパに言いました。 「連れて行ってって、テントは四人用やから無理やし、菜々美はまだ無理やろな」 「菜々美はまだ無理やから浩史と両親が見ててくれるねん。繭子とうちだけやから 小さいテントでもいいやん」 「寝袋やマットはどうするんや。6人になったらストーブも1つじゃ足らんし、ク ッカーも要るで」 「それはうちが買うわ。繭子にも北アルプスを登らせたいねん。菜々美ももう少し 大きくなったら連れて行きたいし。なぁ、連れて行ってぇなぁ」繭ママが甘えるよ うに言うと、ママも笑いながら一緒に行こうよとパパに言っています。
「まぁ2人やったら小さいテントでもいいけど、大丈夫か?」「もし無理そうやっ たら室堂平をぶらぶらしてるわ。でも、六甲には何度も来ているから、立山縦走く らいやったら大丈夫と思うわ」繭ママが繭子を見てパパに言うと、繭子は嬉しそう な顔をしています。 「そうやな、あそこやったら繭子でも大丈夫と思うけど、服はちゃんとしたんを買 えよ」 「うん、靴は今のんでもいいけど、服とレインウェアはロコのんを買うつもりやね ん。ザックは近いうちに買いに行こうと思ってるから、その時にクッカーとストー ブ、寝袋も買うから」 「ママ〜、菜々美は行かれんの?」菜々美が繭ママを見ました。 「菜々美にはまだ無理やねん。パパとおばあちゃんが遊園地に連れて行ってくれる から我慢してな。小学校に行くようになったら連れて行くからな」繭ママが菜々美 に言うと素直に頷きました。
「菜々美、小学校に行くようになったら一緒に行こうな。パパ〜、海のキャンプは 菜々美も行けるんやろ ?」翔が菜々美に言ってパパに聞きました。 「うん、海のキャンプは車で行くからみんなで行けるで。去年も一昨年も一緒に行 ったやん」パパが翔と菜々美に言うと、2人は嬉しそうな顔をしました。 暫く休憩してから帰る支度をしました。帰りは東おたふく山から東側に降り、登山 口のバス停から芦屋までバスで帰りました。翔との〜のの荷物を考え、帰りは歩く 距離を短くしてくれました。「ただいま〜」4時過ぎに帰ると、翔が大きな声で玄 関を開けました。 「お帰り。翔ちゃん、どうやった?しんどなかったか ?」おばあちゃんが聞くと、 翔は大丈夫だったよ、と嬉しそうに言いました。 *
5月3日は雨が降ったけど昼からだったので良かったです。2日の夜に庭にテント を張ってキャンプの練習をしました。晩ご飯を食べた後、パパがテントを張るのを 翔は嬉しそうに見ています。テントを張ってフライシートを掛け、フロアマットを 敷いてからパパがエアーマットの膨らませ方を教えてくれました。寝袋も広げて空 気を吸わせて何時でも寝られる用意をし、早めにお風呂に入ってスウェットに着替 えました。何時もはパジャマだけど今夜はテントで寝袋で寝るからスウェットです。 9時くらいにパパが電池式のランタンをテントで点けると、翔はわ〜っと嬉しそう な顔をしました。 「コーヒーでも飲もうか」パパが言って外でお湯を沸かす用意をしました。翔との 〜の、ママもテントから出るとレジャーシートを敷いて座りました。テントの外に はガスのランタンを点けています。少し肌寒かったのでみんながフリースを着まし た。
「テントが綺麗だね。パパ〜、山のキャンプもこんなん?」翔はランタンの明かり に照らされたテント嬉しそうに見ています。「そうやで。ここではお星様があんま り見えんけど、山では空いっぱいにお星様があるんやで」ママが言うと翔は空を見 上げています。 「よし、出来たで〜」パパとママはコーヒーで翔との〜のにココアを入れてくれま した。みんなで飲んでいるとサチが小屋の外で尻尾を振りながら見ています。 10時頃にテントに入るとパパとママが両端で、の〜のがパパの方で翔がママの方 で寝袋に入ると、翔は嬉しそうにニコニコしています。海のキャンプでもテントで 寝るけど、夏に行くからタオルケットかバスタオルで寝袋は使いません。 「パパ〜、雨が降ったらどうするん?キャンプは出来ないん ?」翔が心配そうに 聞きました。
「大丈夫やで。このテントは土砂降りになっても雨漏りはせんからな」パパが笑っ て言うとママも笑っています。翔はそれを聞いて安心したようです。 「そろそろ寝ようか」パパが言ってランタンを消すとテントの中は真っ暗です。で も近所の街灯やお家の明かりでぼんやりしています。寝袋の横にはヘッドランプと 懐中電灯が置いてあります。今日はお家の庭だから懐中電灯を置いているけど、山 に行く時は懐中電灯は持って行かなくて、ヘッドランプと小さいマグライトだけっ てパパが言っていました。そのうちに眠くなって寝てしまいました。
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