のぞみの日記・4年生になって
秋
4回
パパとママが言っていた徳沢という所はここから1時間くらいだそうです。明神ま では大勢の観光客の人が来るけど、ここからは山に登る人がほとんどで、観光客の 人は少なくなるとパパが言っていました。明神までは革靴でも歩けるけど、ここか らはスニーカーやウォーキングシューズ、登山靴じゃないと歩き難いようです。少 しアップダウンがあるけど森林の中を歩くのは気持ちがいいです。翔は沙耶姉ちゃ んと手を繋いで楽しそうに歩いています。時々前から大っきなリュックを背負った 山からの帰りの人達が来ます。の〜のも早くあんな大っきなリュックを背負えるよ うになりたいと思いました。森林から突然川沿いに出ると明神岳が少し遠ざかって いました。この辺の川は河童橋辺りに比べると水量が少なくて石ころだらけです。 そこから少し樹林帯を歩くと右奥の方に徳沢ロッジというのがありました。そのま ま進むと広い草原みたいな所があり、テントがいっぱい張ってありました。
「パパ〜、ここはキャンプ場?」 「うん、ここはキャンプ場やで。希が生まれる前にママと繭ママと来た事があるわ。 もうずいぶんと前やけどな」の〜のが聞くとパパが笑いながら言いました。周りの 木は紅葉していて、キャンプをしている人達は寝袋を干したりテントを逆さにして 乾かしたりしています。突き当たりに徳沢園という建物があり、ベンチには大勢の 人が休憩しています。大っきなリュックを持っている人ばっかりです。パパが話し てくれたけど、この徳沢園は有名な小説家が書いた氷壁という小説の舞台になった 山小屋で今でも泊まれるそうです。その小説は映画にもなったそうです。 「ママ〜、アイス食べた〜い」キャンプ場や徳沢園の建物をバックに写真を撮って いると翔が大きな声で叫びました。徳沢園の売店にソフトクリームの張り紙を見つ けたようです。
「私も食べたいなぁ」お姉ちゃん達も笑いながら言ってみんなでソフトクリーム買 いました。ず〜っと歩いて来たから少し汗ばんだ体にソフトクリームがすごく美味 しかったです。 「ここのソフトクリームを食べるのは久しぶりだね。槍ヶ岳に行った時以来だね」 奈央姉ちゃんが笑いながらママに言うと、ママも笑いながら頷いています。 「ママ〜、前にも来た事があるん?」 「うん、まだ希が生まれる前に槍ヶ岳に登った時にな。あの時はパパとママ、奈央 と繭子のママも一緒やったわ」ママはパパを見ながら話してくれました。パパはキ ャンプ場の方を指差しながら翔と話しています。翔は頷きながら嬉しそうな顔をし ていて、キャンプに来たいって言っているんだろうと思いました。少し休憩して奥 の方に歩いて行き、山の方へ行く道から離れて川の方へ行くと広い河原に出ました。 川の向こうには高い山が聳えていて下の方は見事な紅葉です。
「よし、ここでお昼にしようか」パパがみんなに言って河原に降り、適当な石に座 っておにぎりとお茶を出しました。 「こういう景色を見ながらおにぎりを食べるって最高やね」香織姉ちゃんが言うと 他の姉ちゃん達も最高〜と言いながらおにぎりを食べています。 「天気だけが心配やったけど、いい天気になって良かったね。雨が降ったら何処に も行けんし、おにぎりを食べるのも困るやん」ママが笑うとみんなも笑いながら頷 いています。 「パパ〜、もう食べれないよ」翔がおにぎりを1つだけ食べてパパに言っています。 大きなおにぎりが2個、おかずに塩ジャケやタラコ、昆布巻きや漬物が入っていま す。海苔を巻いた大きなおにぎりは、の〜のも1つと半分くらいでお腹がいっぱい になりました。
「食べれなんだら残しててあとで食べたらいいわ」と言いながらママも半分くらい 残していました。朝、ホテルを出た時は少し寒かったけど、この時間になると暖か くて気持ちがいいです。おにぎりを食べながらみんなで写真の撮りっこをしました。 の〜のもパパやママ、翔やお姉ちゃん達と一緒に撮りました。 「そろそろ行こうか」ママが時計を見てみんなに声を掛けたのは11時半くらいで した。来た道を徳沢、明神へと歩き、明神で少し休憩して河童橋まで戻って来たの は1時半を少し過ぎていました。河童橋の上には観光客が大勢いて写真を撮ってい ました。河童橋の側にあるお土産屋さんの前のベンチにおばあちゃんと桂子おばち ゃんが居ました。 「おばあちゃん」翔が2人を見つけて走って行くと、おばあちゃんは笑いながら翔 を抱きしめています。おばあちゃんに話を聞くと、明神で別れてから売店で岩魚の 塩焼きを食べてゆっくり歩いて戻って来たそうです。
河童橋の少し手前に広場が有って、そこのベンチでおにぎりを食べたと言っていま した。大きなおにぎりだったので食べきれなくて1つだけ食べたと笑っています。 その後みんなでお土産屋さんに入ってお土産を買いました。の〜のも繭子や菜々美 にお土産を買いました。 5分くらい歩いてバスの駐車場に行くと、観光バスがいっぱいあってどのバスか分 かりません。 「あのバスやわ」香織姉ちゃんが指差すと、添乗員の人がバスの前に居て手を振っ ていました。荷物をトランクに入れて必要な物だけを持ってバスに乗りました。 2時半少し過ぎにバスが出発するともう帰るだけです。 「パパ〜、晩ご飯はどうするん?」
「サービスエリアでトイレ休憩しても食べる時間はないやろ。大阪に着いてから食 べてもいいし、お昼のおにぎりが残っているんやったら食べてもいいで」 「そうや、おにぎりが残ってたわ。じゃぁお腹が空いたらおにぎり食べたらいいね」 の〜のがパパに言ったのが聞こえたのか、翔もおにぎりを食べる〜と笑っています。 おばあちゃん達もおにぎりを食べようかって笑っていました。バスは昨日来た道を 大阪に向かって走っています。明るいうちは山の景色が綺麗だったので起きていた けど、途中から眠くなって寝てしまいました。 サービスエリアで止まった時にパパが起こしてくれ、トイレに行って売店を見て回 りました。お腹はあんまり空いていないからジュースを飲みました。パパは何か買 ってから表でタバコを吸っています。 「パパ〜、何を買ったん?」の〜のが聞くとパパは笑いながら袋の中を見せてくれ ました。中には竹輪(ちくわ)が何袋か入っています。
「あんまり腹は減ってないからな。希や翔はおにぎりが残っているから食べたらい いやん。この竹輪はおかずやなくてこのまま食うねん。けっこう美味いねんで」パ パが笑いながら言うと翔が食べた〜いと笑っています。の〜のも食べてみたいと思 いました。 「1人2本ずつ有るからな」バスが動き出すとパパが竹輪をお姉ちゃん達、おばあ ちゃん達に分けています。1袋4本入りで5袋買っていました。袋には鯛の身入り と書いてありました。他のお客さんも何人か買っていたみたいで、バスの中は竹輪 の匂いがしています。 「パパ〜、美味し〜い」の〜のが思わず言うとお姉ちゃん達も美味しいと言ってい ます。バスはもう一度トイレ休憩して高速道路を走り続け、九時少し過ぎに大阪駅 に着きました。
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