2002.4.2

薬業リーグにおける指名打者制のルールに関して提案

武田薬品工業 岡田由紀夫

今季から導入予定の指名打者制について、代表者会議の席上でプロ野球パ・リーグのルールに準じるとし、2002年度薬業リーグ実施要項でもそのように記載しましたが、実際にルールを調べましたところ野球公認規則で下記のように定められています。

野球公認規則 指名打者制(1975年)[6・10]

  1. 指名打者(以下DH)は、投手だけに代わって打つ。
  2. DHを使うかどうかは試合前に監督が決め、打順を指定する。
  3. 投手が交代しても、以下にあげる変更がない限り、そのDHは生きる。
  4. DHに代打を起用することも認められ、その代打者が以後DHになる。
  5. 出塁したDHに代走を起用した場合はDHを退くことになり、代走者はDHに指名できる。また代わりのDHも指名できる。
  6. DHが守備についた場合は、DHはなくなる。このとき守りについたDHの打順はそのままで、それまで守備についていた選手の打順に投手が入る。
  7. 投手が他の守備位置についた場合や、あるいは登板中の投手が打った場合はともにDHは消える。
  8. 試合前に発表されたDHは先発投手が交代しない限り、少なくとも一度は打撃を完了しなければならない。
  9. 日本シリーズではホームチームがこれを使用しているときは使用、オールスター戦は両リーグと両チームの同意、そしてオープン戦は両監督の合意があれば、どの球場でも使用できる

草野球でDHを使用する場合には、野球公認規則通りに適用すると混乱が生じると予想されます。それは次のような選手起用がありうるからです。

(先発メンバー)上原:投手、江藤:3番三塁手、松井:4番中堅手、清原:5番DH、

例1、(守備交代) 上原:投手→中堅手、松井:中堅手→三塁手、江藤:三塁手→投手

例2、(守備交代) 上原:投手→降板、松井:中堅手→投手、高橋:途中出場中堅手

例1の場合は、DH清原消滅で3番投手:江藤、4番三塁手:松井、5番中堅手:上原、

例2の場合は、DH清原消滅で4番投手:松井、5番中堅手:高橋といった感じになるのでしょうか?よく分かりません。

そこで、次頁のようなソフトボール公認ルールを基にした薬業リーグ特別ルールとしたらどうかと考えます。_は補欠選手の少ない草野球で棄権試合となることを防ぐため付け加えました。_〜_はソフトボール公認ルールと同じです。

薬業リーグ特別規則 指名打者制(2002年)

その人数は常時一人で、特別な例外を除いて試合開始から試合終了まで継続しなければ

ならない。

  1. DHは、どの守備者についてもかまわないが、試合開始前に打順表(オーダー表)にその記号(DH)と氏名を記入する。
  2. DHの打順はその試合中はおなじ順位である。
  3. DHは守備につくことはできない。
  4. DHにいつでも代打者または代走者と交代できるが、その交代したプレーヤーが次のDHになる。
  5. DHは、いったん試合から退いた後は再びその試合にプレーヤーとしては参加できない。
  6. DHのついた守備者は、特別な例外を除いて攻撃には参加できない。その試合中は守備者としてのみプレイできる
  7. 例外的に試合中にDHがなくなる場合及びDHのついた守備者が攻撃参加できる場合

  1. 守備の選手が負傷等の理由によってプレイ続行不可能となり、交代可能な選手がベンチにいない場合に限り、DHが退いた選手の守備位置に付くことができ、DHのついた守備者が攻撃に参加することができる。その場合DHの打順はそのままで、DHのついた守備者が退いた選手の打順に入る。
  2. DHの選手が負傷等の理由によってプレイ続行不可能となり、交代可能な選手がベンチにいない場合に限り、DHがついていた守備者がDHの打順に入ることができる。

このように変更すれば、前述の例1、例2のケースは次のようになると思われます。

例1の場合は、3番投手:江藤、4番三塁手:松井、5番DH:清原、上原:守備のみ

例2の場合は、3番三塁手:江藤、4番投手:松井、5番DH:清原、高橋:守備のみ

野球公認規則を適用する場合よりも選手交代が間単になったと思います。

もちろん実際には改正ルールで運営しても、混乱が生じるかもしれません。その時には、その場はその試合の主審の判断に従うということにして、年末の反省会の席で別途協議し改めればよいかと思います。

基本的に試合の勝ち負けにかかわる戦術的な使用というよりも、より多くの選手が野球を楽しめるようにと代表者会議の席上で確認した上で導入したルールですので、そのような考えを念頭において運用して頂けたらと考えています。