2005年2月24日

ローマ紀行・初日・2月15日

これもひとつの卒業旅行みたいなものなんでしょうか。兄が日本に帰る、と言うことで、イタリアに来たのにローマを見て帰らないと言うのもあれだ、と言うことを常々話していたこともあり、少々日程的に急だったのですがローマを旅行してまいりました。

変なものですが住んでいるといつでも行ける、と言う甘えから(?)腰が重くなりなかなか遠くまで出かけなくなるものです。だいたい、一月の家賃が5万円ですんでいるところを一泊だけで1万円かける、と言うこと自体に抵抗を感じたりして(よく考えたら日本でもホテルに泊ったらそれぐらいするんですよね。)、特にローマは便利なところに安くていいホテルなどありえない地域でもあり、泊らなくてはいけないことになっても1日で脱出する、と言うことが多かったんです。

しかしこの際、あんまりけちではねえ・・・と言うことで3つ星のホテルに。ローマ・テルミニ駅から歩いて8分、ホテルがずらりと並ぶストリートの一番端にある、ホテル・カナダ、というところに。なんてことはない、地球の歩き方のローマのホテル紹介で3つ星のものの中で一番最初に紹介しているものを選んだだけなんですが。

初日から最後の日まで、日本人を一人も見ませんでした。やはり、値段を見て敬遠しているようです。後、ベスト・ウェスタン系列のホテルであるため、アメリカ人の家族連れが非常に多かった。
ぼくらは二人で泊ったので一人につき1泊70エウーロ。・・・ああ、中の写真を撮っていないのでいまいち説明しにくいのですが、6泊7日のお客様、と言うことでしょう、一番奥の方にある比較的広い部屋に通されました。

1週間近く泊った感じとしては、値段とサービスはつりあっていたと思います。上品な感じのする内装は贅沢ではないものの決して趣味は悪くなかったし、フロントのほうは・・・まあ、普通でしたね。最初の3日間ぼくらがどの部屋の客であるかを認識できないという、プロとしてはちょっとあれなこともありました。後、英語でしゃべるんだったら全員英語でしゃべって欲しい。時々イタリア語、時々英語ではこっちも神経が疲れる。バーテンダーのお兄さんは大変スマイルのいい物腰の柔らかい人だった。後、そのバーが値段が非常にお手ごろ。まあ、本格的なものではなくホテルのロビー兼用と言うことを考えればそうであって欲しいところ。水が街と同じ1エウーロ。(ちなみにテルミニ駅の下のドラッグストアで25セントで売っている。街中のスーパーはすべて1エウーロ。気をつけましょう。)修行に来ているらしい東南アジア系のボーイさんは不合格。難しい顔をして接客は出来ません。まあ、修行中の人なんでしょうね。定期的に働いてなかったことを考えると。

さて、朝の8時過ぎにカステルフランコを出たぼくらは、ヴィチェンツァで乗り換え。イタリアの電車に詳しい人は「何でヴィチェンツァ乗換え???」と聞くに違いないので一言。この電車、まだ時刻表に載ってません。ボルツァーノから出発するローマ行きがなぜかヴェローナの後ヴィチェンツァに、つまり東に行くのです。多分、ヴィチェンツァに行く観光客が多いアメリカ人が非常に多い、と言うことを考慮に入れて出来たものかと。明らかに回り道であるため、いつもこの電車を利用しているお客さんはかなり困惑していました。



さて、3時ごろにはローマについて、早速チェックインしたわれわれは、クイリナーレの丘を一路目指しました。駅の方面からクイリナーレ方面に向かっていくとまず見えるのがこちら、サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会。・・・実際のところこの教会の前を確実に10回以上通っているのですが、基本的に「星3つを回る」と言うプランの所為かはたまた通り道である所為か、いやそもそも歩きつかれてこの周辺に戻ったところでここに入る気がしなかったのでしょう。中には入っていません。

ローマ時代のバジリカの遺構を利用してミケランジェロが考案した形を許に作られようとしていたのですが、この時代にありがちなことで(いや、イタリアにありがちと言うべきか)途中で頓挫し、ひじょうに中途半端な状態で残ってしまった教会。しかし、バジリカの形に教会がはめ込まれているこのような建物自体はほかにあまりないので、外から見るとその造詣が想像力をかき立てます。



モーセの噴水。すすだらけ。また、あまり安全ではない交差点にあり近くで見てもきれいではない。しかしトリトーネ通りからテルミニ方面に戻るときに何度となく眺めた像ではある。今回の大反省点は、バスを有効利用しなかったことでしょう。どうも、知らないところでバスを使うことに抵抗を覚えてしまうんですよね。実際使ってみたらすごく便利でした。ローマは全部石で出来ているので、アスファルトばかりの日本と違い非常に脚への負担が大きい。いや、ローマだけではなくヨーロッパが全体的にそうなんだよね。どうも、大学生のときに修行のように旅行していたときの癖が抜けきらない。

で、クイリナーレの丘に着きました。しかし、思ったほど景色がよくありません。確かにローマは一望できるのですが、なんというのか、手に取るようの分かると言うのは大げさ。結局何枚か写真に取ったんだけど、いいものが取れなかったのでここでは割愛。

さて、一路トレヴィの泉へ。途中、コロンナ宮、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂などが見えました。また、トレヴィの近くにあるマルクス・アウレリウスの記念柱もいい。地球の歩き方に紀元前、となっているのは誤り。いやだって、皇帝が作ったものならどう考えても紀元後。・・・旅行中この本のルートばかり使っていたぼくが言える批判じゃないですね。すいません。



さて、トレヴィの泉に。とにかく寒い。今年は何故か寒波がこの時期にやってきた。零下に近い温度の中、噴水の水がさらに周りの気温を下げているのに、観光バスの時間制限に縛られている人たちはしかし、結構喜んで写真を撮っている。ぼくとしては昼がお勧めの場所。夏になると世界中の観光客がこの周辺で涼んでいるので、朝早くに行かないといい写真は取れないのだけど、さすがに寒すぎるらしく、「ここは日本???」と思えるぐらい日本のかたがたで一杯でした。皆さん、いい思い出を残されたことと思います。

初日はこれで終了。地下鉄A線、バルベリーニ駅周辺に。リストランテ・トリトーネに入り、とりあえず郷土料理を食べました。ちょっと高めの店だったこともあり、サービスも店の雰囲気も非常に上品で、非常によいと思いました。この日に食べたのは・・・パスタがカンネッローニ(ラヴィオリ、つまり餃子のお化けみたいなものが2つ来ます。トマトがベースのソース。)とスパゲッティ・アッラ・カルボナーラ。主食がトリッパ・アッラ・ロマーナ(モツの部分を細かく刻んでトマトベースのソースで煮たもの。)とボッコンチーノ・アッラ・ロマーナ(仔牛の柔らかい部分をトマトベースのソースで煮たもの・・・ローマ風、と言うとトマトベースなのはきっとあなたの気のせいではないと思います。)

比較的トラットリーアで頼むようなものばかり頼んだのですが、後で考えてみるとこの店ではもうちょっと請ったものを頼んだほうが良いのでは???という疑問が残り、結局また後で言った時にはいろいろ別のものを頼んだのですが、そのことはまた後で。いやね、その日何を見てどんな旅行をしたか、と言うことを思い出さないと、何を食べたかまで思い出せないんですよ。メモって取っておかないといけないものですね。食事のメニューを書き連ねるのが一番頭を使っている。

後、この店から毎日夜はワインを必ず飲んでいたのですが、ローマを旅行するときは、どんなに勧められても最後のほう以外はあまりのみ過ぎないことをを気をつけないといけません。ホント足に来ますから。

初日はこんな感じで終了。明日はヴァチカンとその周辺です。