好きな歌手って?


よく聞かれます。


ここでいません、というと、すごく不思議な顔をされるので、こういう風に答えることはまれです。


そこで、



平井堅です。



いや、本当に良いと思うんですけど、これもクラシック好きの人の前で言うと、そうじゃなくて、と突っ込まれてしまいます。





しょうがないので今、劇場で歌っている人たちの中で、ぼくが聞いて好きだった歌手をあえてあげると、

Alessandro Corbelli(Baritono comico)男声
Barcellona(contralto)女声
Luciana Serra(Soprano leggero)女声
Cesare Catani(Tenore lirico)男声

うう、Catani、なぜか波線が出ます。イタリア語の辞書にない、という指示。彼はイタリア人ではないのでしょうか。いやまあ、Barcellonaはスペイン人ですけど。右は、全く興味がない人にも分かるように、注釈です。名前間違ってたらごめんなさい。バルセロナに関しては上の名前を知らない。でも、タンクレディなどの男役をやらせたら、彼女の右に出る物は今は居ないでしょう。男がほれる男役。それがバルセロナ。


後、ドミンゴ(3大テノールの一人。ちなみに後の二人はあまり好きでない。) は好きです。ブルゾン(1990年代最大のバリトン。最近歌ってないかも)も。でも、この二人を認めない人は、今、クラシックに関わっている人では皆無に近い。



要するに、マニアックのオンパレードになって他の人を一万キロほど向こうに置いていっちゃうのが落ちなので、最初の頃は言ってたんだけど、だんだん答えなくなっちゃったんだよね。


どの人たちもこっちで一線級に活躍してて、しかし、一般的で知られているのは、Serraぐらいじゃないでしょうか。(いや、ドミンゴは置いといて




日本はやっぱりちょっと遠いようで、来てくれないようですね。時差ぼけも大変だろうし。



話題として適切でない、と思うのです。



オペラって、有名な物を除いて、誰も聞かないじゃないですか。いや、間違いなく良い物は良いんですけど、なかなかそれに当たる機会もない。というか、どうしても自宅のCDと比べてどう違うか、ということが気になる人が多いらしく、しかも世の中で論評している人たちは、いまだにテバルディの復刻版CDに、カラスとの比較を持ち出す。もうとっくに結論ついていることを蒸し返して。



だってさ。





写真見たら分かるじゃないですか。



骨格が全然違うでしょ。


声質が同じだったら気持ち悪いよ。




それを今更偉そうにいろいろもったいぶって書くから、ちょっと疲れている人とか気の弱い人がだまされて納得してしまう。皆がしらけてもしょうがないと思うんです。こういう所は健康な素人の方が常識的な判断が出来る、という結論に、これまでの話し合いで至りました。





そういった(どういった?)諸事情もあって、好きな歌手は?と聞かれると、



平井堅





そう答えてる今日このごろ。




いや、本当に良いと思いますよ。


叫んでないし。

心地よいし。

リズム感も悪くないし。

異様にまじめそうな雰囲気もグー。(死語?)




まあ、オペラとはまた違う物ですけど。(それを言っちゃあおしまいだ)



ぼくが歌うときにすごく気にする要素を持っているので、良いと思うんです。



最後に。


最近のオペラのCDって、取り直し、つぎはぎ、3日で録音は当たり前って知ってました?


ちなみに60年代より前の物はほとんどワンテークらしい。ちょっと驚きまし
た。


本来、前の物の方が音が崩れていても仕方ないのに、今作っている物より出来が良い。


今は、汚い音、外した音などを、消すことすら出来るのに



いや、逆に外してもまた録音できる、修正できるという事実が緊張感を削いでいるに違い
ない。


修正入れたら、さらにその後効果音その他のいわゆるエフェクトという奴をを最大限に生かして使っているポップスの物に勝てるはずがない。ライブの如きキレ、これがクラシックの最大要素の一つなのだから。まあ、前の物より良い物を作らなくちゃいけない、というプレッシャーが常にある分野でこういう注文は誰かを怒り狂わせて終わり、という話もあるんだけど。綺麗な物の方が良い、という音響さんの意見にも、いいかげん限界があるのを気がつけ、という感じです。





クラシック音楽家は、スナイパーのごとく、二発目の玉を込めない、という気持ちが必要なのかもしれません。いや、外したら死ね、といってるんじゃないですよ、念のため。