『トキシンのてなもんや釣行記』

1995年創刊(現在は休刊)のルアー&フライの専門誌「月刊アングラーズクリーク」で、同年6月発行のVOL.3から、ちょうど2年間、24回連載したイラストルポ形式の釣行記。
 この95年という年は、前年くらいからの釣りブームの流れで、他にも「ルアーフィッシング情報」とか、「ソルト&ストリーム」など、釣り雑誌の創刊ラッシュの年であった。
 当時僕はまだ駆け出しのイラストレーター。だけども、釣り雑誌でこんなページがあったら楽しいのでは、というイメージはしっかりあったので、連載のもととなるようなデモ作品を持って売り込みに出かけた。もともと釣りの雑誌ではイラストレーターが不足していたのかもしれないが、この売り込みをしたその場から、なんと連載を依頼された。しかもカラーで毎回4ページ!あれはビックリしたなあ。
 当時、取材費は毎回2万円と決まっていたのだが、基本はひとり、もしくは友人と遊びで出かける釣りをネタにしていくようなスタイルだったので、たとえば新潟の魚野川などに行って費用が2万以上かかっても、高速にガソリン代が浮いたあ♪なんてノンキにやっていたよ。
 テーマとなる魚はいろいろ取り上げた。イワナやヤマメ、ニジマス、ブラックバスにナマズ、海だとシーバス、ヒラメ、ソイにメバル…。釣り方はルアーがほとんどだったっけど、途中でフライも始めたので、3回くらい、フライネタで描いたかな。。。
 ところで、この連載は、僕にとっては記念すべき絵と文による釣行記のデビュー作。いまだに、釣り具店などで以前読者だった方から声をかけられ、「アンクリの釣行記、いつも見てましたよ!」なんて言われることがあるけど、そういう時って雑誌で仕事をしてきて、ホント良かったなあって思う。連載時に高校生だった人も、今じゃ立派な社会人、「そっかあ、オレの作品は君の青春の1ページだったわけだねえ」、なんて(笑)。
 

『トキシンの危機一髪!』

 毎月4ページ、カラー。
 1997年8月号から2002年8月号まで、ちょうど5年間、全60回の長寿連載だった僕の代表作。
ブラックバスの釣りをテーマに、関東地方を中心としたあちこちの釣り場を訪ねました。
タイトルにある「危機一髪!」は、僕がロッド&リール誌にて新しい連載を依頼されたときに出したラフからとられています。デモとして描いたものは池原ダムでのバス釣りを題材としていて、そのサブタイトルが“イケハラ危機一髪!”だったのです。ラフを提出後、編集の指出氏から電話がかかってきました。
「タイトルは、この“危機一髪!”にするのはどうですか?」
連載当初、実はバス釣りに関して僕はまだまだビギナーでした。もともとルアーはイワナやニジマスなどのトラウトから始め、その後も季節に合わせ、海でシーバスやカサゴにメバル、淡水でもナマズなど、いろんな魚を相手にしていたのです。バスも95年の5月から始めていたのですが、経験回数はせいぜい15,6回。ルアーもトップウオーターとミノー、ワームくらいしか使ったことがありませんでした。
でも、連載が始まると僕もすっかりバス釣りの楽しさにハマり、のめり込んでいきました。手持ちルアーの数もどんどんと増え、プライベートでも毎週末は友人と北浦や野池に出かけました。バス釣りやこの連載を通じて多くのつながりもでき、今では僕の大切な財産となっています。
真夏の炎天下だろうが真冬で雪が積もっていようが、毎回日の出から日没まで取材を続けました。大変なこともたくさんあったけど、いまではいい思い出ですね。

ところで、現在バス釣り及びバスの存在に関しては、いろいろな意見が交わされています。簡単に解決する問題ではありませんし、僕も複雑な思いでいっぱいです。
バス釣りを非難する意見の中にはマナーの問題を指摘する方も多いようです。ゴミを釣り場に残したり、違法駐車をしたり…でも、こうした点は僕らもすぐに改善出来ることです。
「バス釣りをする人はみんな礼儀正しいなあ」
そんなイメージを一般の人たちにも持っていただけよう、ひとりひとりが行動していけると良いですね。

『トキシンのらくがきFishing
今はもう、廃刊となってしまいましたが、月刊「釣り王」という、釣りマンガ雑誌で連載していた、毎号カラー3ページ(3回目まで2ページ。その後増ページしました)のイラストルポです。
全27回で、ロッド&リールの仕事と平行しながら描いていました。
内容は、アングラーズクリークの流れを組み、魚種はなんでもありで、季節にあわせたルアー&フライの釣行を描かせていただきました。
楽しかった思い出のたくさんある仕事でしたね。
当時担当だった編集さんとは、今もいいおつきあいをしていますよ(って、男ですけどね。残念!?)