棚の類を手で押さえて、揺れの収まるのを待った。 元が廃寺なので、埃は振ってくるわ凄い音たてて軋むわ。 修繕、必要じゃないレベルだといいんだけど・・・・・・・。 誰かさんが暴れて揺れるという時もあるし、それの原因の一端が自分にある時も多いのだけど、今回は至って普通に自然現象だ。 さすがは地震大国日本。
鎮まったかなー、と手を離したところで「皆さん大丈夫ですかー」間延びした声がする。 この声は鴉さんか。方向的に廊下からかな?カラと障子が動く音がしたし。 「テレビのリモコンはどこじゃ!?」 ガラッと襖を開く音と共に住職。 「早く速報を!」 飛鳥ちゃん。部屋移動した気配が無いから居間に居たんだろう。 うーん賑やか。同じ部屋に居ないから一緒に騒げないのが残念になりそう。 それにしても日本家屋って、プライバシーってもんを考えてないよね。
「ええい!映らんわい!」 ノイズの音。 「アンテナがずれたんじゃないですか?突貫工事でしたし」 一人のんびりした鴉さんの声。 「誰か上って直してこんかい!」 「ああもう!こんな時に!」 ・・・・・・・・・いや飛鳥ちゃん、こんな時だからずれるんだと思うよ?
「速報を聴きたいならラジオで聞けばいいのでは?」 鴉さんはいつもマイペースでいいなぁ。 「そうかラジオ・・・・・・どこ行った!?定位置に無い!」
「・・・・・・・・・・・・落ち着けよ」 思わず、誰も聞こえない程度の呟きで突っ込み。 この曜日のこの時間、僕が寝室でラジオ聴いてるって、知らないわけでは無いだろうに。
≪繰り返します、震度4の地域は・・・・・・・・・≫
「まぁ、人の事言えないけど・・・・・・」 大きな声で言わないのも、居間に合流しに行かないのも、その間に速報を聞き逃すのが怖いから。 早く、安心したいから。
「そういえば、羽鳥はどこに?」 「そうだ、あいつがラジオ!」 ・・・・・・やーっと気付いたか。 駆け込んで来るかなぁと思った直後、速報が震源地を発表した。
「羽鳥ィ!!」 「あ、震源地ここより北の方だってさ♪」 凄い音たてて障子を開いた弟に、にこやかに告げてやった。 あー、やっと普通に喋れるよ。
「早く言え!」 「今聴いたんだもーん」 カラカラ笑いながら言ったら胸倉掴まれそうになったので、もう一言付け加える。 「良かったね、関東地方は問題ないって」 だから、ちょーこは大丈夫。
日々君の平穏を祈る事こそが、僕らの日常。
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2月16日4時46分頃、関東地域で地震発生。けっこう実録です。今は同日6時過ぎ。
雨女の強化版な母(日照りが続いていた地方も母が行く日になると大雨台風)が名古屋の方に行っていたので、「東海大地震じゃないよね!?」と姉と慌てて速報探しました。姉はネット、私はテレビつけて。
震源地が近いと知ってホッとしてテレビ消しました。そして直後にこれを書き始めた私は強かですか。夜が明ける前にUPできたらスピーディーで良いかと。
ところで弥栄家は東京でいいんでしたっけ?とりあえず関東は間違い無いですよね?子鞠山は?
コミックス確かめてきました。山は信州ですか、そうですか。